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YES,Andアプローチの「本質」とは

最近多くの企業様から、新プロジェクトを立ち上げたものの、いま一つ手ごたえがなかったり、方向性を間違えているのではとあの手この手を尽くしてもなかなか結果が出ず、五里霧中の状態である…というお悩みを聞くことが増えてきたように思います。
これから先の時代、何らかの計画を進めていくのに従来のやりかたが通用しないのだとしたら、私たちが着目すべきポイントはどこにあるのでしょうか。

私は、それは
「進んでいけば、いつか目標達成できる」
「正しい道には手ごたえがある」
「正しい道が必ずある」
という期待を思い切って手放すことではないか、と思います。

なぜなら、理想と現実とのギャップがなかなか埋まらないという状況こそが、我々の意欲や、やる気を削いでいく可能性があるからです。
足りないものを埋めて問題解決を図る手法は「No,Butアプローチ」として知られていますが、対して、新たな価値と未来を創造する観点・方法である「Yes,Andアプローチ」について、対話手法、アイディア創発技法の1つとしてご存じの方も多いと思います。
しかし、その本質は何を指し示しているかについてはあまり語られていないのではないでしょうか。
今回はその「Yes、Andの本質」について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

本題の前にご紹介しておきたいのが、人間の認知能力についてです。
人間の特徴として、言葉を使う/道具を使う/先を予測をする、の3つがあるとはよく言われますが、これは生存戦略として「集団で生きる」ことを選択したために発達したものだそうです。危険を察知し、情報を素早く伝達させ、道具を使って先手を打つ。過酷な環境下で命を守るために必須の能力です。
この能力のために、私たちは常に足りないところに意識が向きがちになり、何かに問題があると現状を否定し(NO)、その対策を考える(But)ことで解決策を考える、問題解決型アプローチの姿勢をとりやすくなります。
そしてここが厄介なことでもあります。
簡単な課題解決であれば、No,Butアプローチのみで十分対応可能でしょう。しかし、刻々と環境が変わり、求められる期待成果が常に変動していくような状況においては、理想と現実のギャップは埋まるどころか更に広がっていってしまう可能性の方が高いのではないでしょうか。

一見「無理ゲー」のようにも見える難易度の高い状況において重要なのは、燃え尽きず、しかし粘り強く前進し続けることだと思います。
そこで重要になるのが「Yes,Andアプローチ」です。

Yesとは、現状に備わっている価値を認めることであり、Andはその価値を土台に、未来へ活力と創造力を解放しようとする姿勢です。
これは一見抽象的に見えるかもしれませんが、将来の見通しをつけづらい中でも「それでも、もう一歩」と足を進めていく上で非常に重要なことです。
なぜなら、勝ち筋が見えない状況の中で問われることになるのは、「瓢箪から駒」が出るまで、とにかく瓢箪を振り続けることだからです。

しかしいつ駒が出てくるかの予測が難しいのは言うまでもなく、また、なんでもかんでも闇雲に手を打てるほどの余裕や十分なリソースがあるとも限りません。
私たちに問われることになるのは、モチベーションの維持と、意味のある挑戦をし続けられるかどうかです。

自分が既に手にしている価値を認める(Yes)ことで自分が活かせるリソースを再認識し、それを未来に向かって活かす(And)ように行動を起こす。
主体性と創造性を解放することにこそ、「Yes,Andアプローチ」の本質があるのではないかと考えます。

あなたが活かしたい「あなたの価値」は何ですか?


代官山蔦屋書店にて開催のトークイベント受付が始まりました!

【イベント&オンライン配信(Zoom)】
『「人の器」を測るとはどういうことか』刊行記念 
監訳者 中土井 僚 「成人発達からはじまる自分自身を探る旅」

会期: 2024年5月30日(木)
時間: 19:00~20:30
場所: 代官山 蔦屋書店 3号館2階 SHARE LOUNGEイベントスペース/ZOOM配信
定員: 来店参加65名/オンライン参加400名
主催: 代官山 蔦屋書店
共催・協力: 日本能率協会マネジメントセンター
問い合わせ先: daikanyama.tsutayabooks.onlineevent@ccc.co.jp

監訳者である中土井が登壇し、成人発達理論と人材育成・組織開発実践をテーマとする本書をさらに深く掘り下げます。

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