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現代ビジネスのコロナ記事に関し、LuckyFes総合プロデューサー・堀義人氏の「事実誤認」「訂正要求」に対する中川淳一郎の反論

現代ビジネス8月20日掲載記事『未だに「マスク」と「ワクチン」を崇め奉る日本人は、一体いつまで“コロナ禍プレイ”をやり続けるのか』の茨城県「LuckyFes」に関する記述について、LuckyFes総合プロデューサー、 茨城ロボッツ/LuckyFM 茨城放送 オーナー、グロービス経営大学院学長、グロービス・キャピタル 代表パートナー、 G1&KIBOW代表理事、水戸ど真ん中再生プロジェクトの堀義人氏より「事実誤認」の申し立てと訂正依頼がありました。同氏はツイッターブルーのため長文を載せられますが、私はそうではないのでnoteにて同氏からの文章に回答いたします。まずは前提となる記事、そして一旦同フェス関係者から来たメール及び私の返答(「→」内)、そしてコロナの感染状況の画像を貼ります。そこから話は開始します。


現代ビジネス該当部分
堀氏の関係者が編集部に送ってきた「事実誤認」指摘と私の返信
2021年にはコロナの脅威があったということを示すグラフ

なお、堀氏が私に直接連絡を取ってくれた理由は「言いやすいところに言うんじゃなくて、オレに直接言えよ」とツイッターで書いたからです。以下、やり取りは【堀さん】部分は堀氏の文章、【中川】部分は私の文章となります。

【堀さん】
中川さん、では直接ご連絡します。

LuckyFesについて事実誤認している人が多いので、しっかりとご説明したいです。

以下が事実です。
1)21年7月に、茨城県医師会は、コロナの脅威があったので主催者であるLuckyFM 茨城放送に「特段の配慮」を求めた。
2)21年7月に中止の意思決定をロッキンジャパンが行った。
3)22年1月5日にロッキンジャパンは千葉市への移転を公表した
4)それを受けて、LuckyFM 茨城放送が、コロナで中止になる可能性があったが、リスクをとって「やるっきゃねーべよ」とLuckyFesを立ち上げることにした。

【中川】
→はい、全部分かっています。私は事実を元に原稿を書いております。2)については1)がなかったらそのような判断はしないでしょう。あくまでも「千葉移転はロッキンジャパン側の決定」と言いたいのでしょうが、原因を作ったのは医師会です。何も事実誤認はしていません。なお、私は来年のロッキンの周年記念でひたちなかに戻る、ということをNHKが先走り報道し、謝罪したことも当然存じ上げております。参考までに以下から2021年7月時の状況を整理してみます。

東京新聞2021年7月7日 「ロッキン」中止を発表 茨城県医師会の要請受け 渋谷陽一さん「悔しい」【要請書・コメント全文】 医師会・渋谷氏部分および、強調したい部分はBOLDにしています。

「さて、本県における新型コロナウイルス感染症は、令和2年3月17日に県内初の感染が確認されて以降、6月末時点で感染者10,544名、死者164名に上っております」と危機感を抱いています

これが「時の危機的な医療逼迫の状況は脱したものの、希望者全員へのワクチン接種は未だ進行過程にあり、感染力の強い変異株の勢力拡大によって、いつ何時、全国的な蔓延が繰り返されるのか、大いに懸念されるところであります」に繋がります。

ちなみに、2022年6月末時点での茨城県内の感染者数は16万5719名(1年間で+15万5175人)、死者は445名(+281名)となっております。御社の担当者から編集部に送られたメールには以下の記述がありました。1)2)の後の「→」が私の見解です

・LuckyFesが関係者と近いから実現できた(※これは私の現代ビジネスで推察した部分)
→LuckyFesが開催できた理由は以下の2点であり、事実誤認です
1)2022年7月にはコロナの脅威が去っていた
→2022年の方が格段に被害は多かったのでこの指摘こそ事実誤認

2)医師会(茨城県医師会会長)とは複数回お会いして、どう進めるべきかを協議して進めていた。
 →「近い」ことの証明です

医師会は2021年の被害状況を見て「これは脅威だ」と考え、2022年、大幅に悪化した状態を「これは脅威ではない」と考えたと私は捉えました。これについては後の堀さんの指摘にも関連するのでここで終わりにします。そして、医師会は以下2つの要求をロッキンに対して行いました。

1 今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止又は延期を検討すること。
2 仮に開催する場合であっても、更なる入場制限措置等を講ずるとともに、観客の会場外での行動を含む感染防止対策に万全を期すこと。

これに対してロッキンジャパン・渋谷陽一氏もコメントを発表。すでに茨城県・ひたちなか市と協議のうえ、開催を承認され、チケットを販売しソールドアウトした日も出ていた状況とまずは説明。詳しくは東京新聞本文を読んでいただきたいですが、医師会からの要望はロッキンのような大規模ライブを開催するにあたっては無理難題過ぎる、というものです。「途方に暮れてしまいました」とも同氏は書いています。

その結果「医師会からの要請に十全に応えることは今の私たちにはできません。残念ですが中止以外の選択肢はありませんでした」と渋谷氏は中止決定を明かしました。これでも「医師会の要請が理由ではない」とおっしゃるのですか? 今回の私の原稿の趣旨は以下です。

①茨城県医師会が2021年のロッキンジャパンを中止に追い込み、ロッキンは2022年は千葉へ移転(事実)
②2022年、感染状況は2021年より悪化しているのになぜか医師会はLuckyFes 2022に猛烈に反対せず。そしてLuckyFes2022は「茨城のフェス文化の灯を消すな!」を合言葉に無事開催(事実)
③この状況について私は「感染状況がより悪化しているというのになぜ医師会はLuckyFesに反対し、イベント実施困難との判断に追い込まなかったのか。関係性が近いからか?」(意見+推測)と疑念を書いた。

前出のメールを送ってきた御社担当者は「 luckyFesは地元企業で関係者に知り合いも多いから許したの? としか思えない」という「推論」を「事実誤認」と指摘。同氏は「医師会(茨城県医師会会長)とは複数回お会いして、どう進めるべきかを協議して進めていた」と書いていますが、上記、堀さんが書いた1)と併せて「近い」は事実ではないでしょうか。「医師会から申し入れを受ける」「複数回協議した」で「近い」と言えないのであれば何をもってして「近い」と言えるのでしょうか。

ここまで来ると、堀さんの言い分の方が「私の文章の解読誤認」としか思えませんので、これ以上説明する必要もありませんが、下記にもお答えしておきます。

【堀さん】
中川さんのご発言の、
「あのさ、自分らの県の医師会の判断でフェス文化の灯を消しといて何言ってるの? ロッキンオンは東京の会社主催だから苦々しかっただけなの? luckyFesは地元企業で関係者に知り合いも多いから許したの? としか思えない。」

について、ご説明します。
①22年にロッキンジャパンはひたち海浜公園で開催できたか?
答えは、YESです。医師会にも確認しています。

【中川】
→すでにロッキンは2022年1月段階で千葉の会場を予約しているわけですから、ひたち海浜公園で開催できるわけがありません。しかも一度中止に追い込んだ団体がいる場所で翌年やると変更したとして、また直前になって「コロナ感染が再びひどくなってきたから配慮を」と事実上の中止・規模削減を申し入れされる可能性を運営だって考えるのではないでしょうか。何しろ2021年8月7日開催のロッキンに対し、医師会が申し入れをしたのは7月2日。そんなことを直前に言い出す組織から再び申し入れを受けるリスクは運営者としては回避する必要があるでしょう。そして事実、2022年7月は第6波までを大幅に上回る被害を出しました。

また、私は「苦々しかっただけなの? luckyFesは地元企業で関係者に知り合いも多いから許したの? としか思えない。」と「私の疑問及び意見」を書いています。「苦々しかったのである。LuckyFesは地元企業で関係者に知り合いも多いから許したに違いない」と断定していません。貴殿は意見の自由さえ封殺しようとするのですね。

【堀さん】
②LuckyFesのみが22年に開催できたのか?
答えは、Noです。上記の説明通り、ロッキンジャパンでも開催できました。

そもそも21年のロッキンジャパンも22年のLuckyFesも双方の主催者は、LuckyFM 茨城放送です。地元関係者だから可とか不可は無いです。

つまり、21年と22年の違いは、世間的なコロナに対する認識の変化に伴う茨城県医師会の判断の違いだけと認識しています。ワクチンの導入が進み、コロナの流行がデルタからオミクロンに変わった為などの要因で、全国的に21年はフェスが開催できずに、22年はフェスが開催できています(当然今年はマスク無しで開催できています)。

【中川】
→つまり「2021年のロッキン中止は茨城県医師会の要請(圧力)による」という答えでいいというわけですね。私の原稿の趣旨はそこにあります。また、「世間的なコロナに対する認識の変化」ということは医師会は「社会の恐怖感の違い」という医学的・科学的なものではなく、社会学的なアプローチから2021年にロッキンにあの要請をし、2022年にLuckyFesにはしなかったということですね。そして、コロナって「恐怖の感染症」という設定だったはずですが、「人々を恐怖に陥れる恐ろしい情報をもたらすウイルス」だったということでしょうか。

もう一つ加えておきますと、堀さんはデルタとオミクロンの違い、ワクチン接種の進行がその空気感をもたらしたと述べていますが、私が現代ビジネスに書いた部分を以下、引用します。

 だが、2022年に日本は17週にわたって世界一の陽性者数を叩き出し、死者数も激増。コロナ死者数は2021年1月1日段階で累計3513人、2022年1月1日は18385人、2023年1月1日は57727人、そして5類化前日の5月7日は74669人だった。

私は「2022年の方が被害が猛烈に酷いにもかかわらず、なぜ医師会はLuckyFes開催に猛反対しなかったんだ? 2021年、ロッキンをあそこまで追い込んだのになぜ2022年はLuckyFes中止に追い込まなかったんだ?」と書いたのです。

【堀さん】
まとめると、フェス文化の灯を消したのは、「県の医師会の判断」ではないです。また、「東京の会社主催だから苦々しく」思った事実も無いです。LuckyFesが「地元企業で関係者に知り合いが多いから許したの」でもないです。必要ならば、ぜひ事実関係を茨城県医師会他にも確認して欲しいです。

【中川】
2021年にロッキンが撤退したのは茨城県医師会からの申し入れです。「医師会の判断」と言って何が違うのでしょうか。実際ロッキンは苦渋の決断で千葉へ行ったではありませんか。

【堀さん】
ぜひ訂正をお願いしたいです。堀義人

【中川】
しません。主張は御社HPでどうぞおやりください。メディアに出た原稿を自身の意思と違うからと安易に訂正させられると思わないでくださいませ。広告とは違うんです。

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