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3-2「地域を支えるハンドクリーム」-無茶々園"yaetoco"-

2.無茶々園のご紹介
次にyaetocoの販売を行っている「無茶々園」という組織についてご紹介します。
愛媛県西予市明浜町を拠点にみかんづくりやその販売活動、加工品の販売、福祉サービスなど、地域を豊かにする様々な活動を行っています。

2-1 無茶々園の「これまで」と「今」

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1974年5月。15aの伊予柑園を広福寺住職の好意で貸してもらい、そこを有機栽培の実験園地として「無茶々園」と名づけたことがはじまりです。
当時の柑橘は農薬を使ってピカピカにすることが当たり前。農薬を使わず栽培に取り組むことは「無茶苦茶」だと言われました。
しかし、その無茶なことを実現するために無茶苦茶に頑張ってみよう。そんな想いを込めて「無茶々園」と名付けたのです。

様々な困難にぶつかりながらも実験や研究を重ね、設立から3年経った1977年に初めて、無茶々園として満足のいく価格で販売することができました。
そしてこの時無茶々園の農作物を引き取った松山市の自然食品店との出会いが、無茶々園の進むべき道を決めるきっかけになりました。理想の農業を実現するためには、農業の問題だけでなく、食生活、健康、社会環境、教育など様々な問題と向き合う必要があることを、食品店から教わったのです。そして無茶々園は、生産方法を工夫するだけでなく、地域や農家の方に寄り添った取り組みを積極的に行う必要があると考えたのです。

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無茶々園が生まれて40年以上がすぎました。
取り組みが地域へと広がっていくなか、消費者の意見にも耳を傾けながら、共通の栽培指針を定めて無茶々園らしいみかん作りに取り組んでいます。
柑橘が実を結ぶのは一年に一度だけ。温暖化や環境の変化もあって無農薬ですんなり作ることはできませんが、無茶々園の農家たちは一年に渡る栽培期間の中で最低限に抑えるように取り組んでいます。

また、販売面でも「農業の持続可能性」を念頭において活動を行っています。
農家が再生産可能な価格を確認して事前に支払単価を決定したり(農産物は通常市場に出したのちに値段が決まるものです)、その年の生産量に応じて販売を組み立てたり、無茶々園の栽培方針の変化を消費者に伝えたり。一般的な農産物販売とは異なる「産直」と呼ばれる取り組みがそこにはあります。

みかんづくりから始まった無茶々園の活動は、いまでは様々なまちづくりの取り組みに広がりを見せています。
例えば、2013年に設立された株式会社百笑一輝は、地域の福祉を支えています。
高齢化とともに福祉の負担が大きくなると予想されることから福祉の人材育成を行い、
さらに有料老人ホームとして、3つの福祉施設を運営しています。
そして今回紹介したyaetocoの生産にも、この福祉の取り組みが関わっています。
地域のお年寄りが加工用のポンカンの皮をむき、その皮から抽出した精油がyaetocoのバスソルト(ぽんかん)にかたちを変えているのです。
お年寄りの方の皮をむく作業は介護予防になるだけでなく、お年寄りの方が生きがいを持って輝き過ごせる環境を整えることに繋がっています。


これまでご紹介した、無茶々園の地域を支える活動はごく一部に過ぎません。
無茶々園はその他にも多岐にわたる活動をしています。
その他の活動については、ぜひ下記の無茶々園のホームページよりご確認ください。
https://www.muchachaen.jp

2-2 無茶々園の「これから」

現在、yaetocoの販売活動に携わっている高瀬さんは、
無茶々園の活動に携わる中で、地域が抱える問題に向き合い、地域の存続に貢献できることに強くやりがいを感じているそうです。
そして今後もこれまでと同様に地域の問題と向き合い続ける必要性を感じています。

というのも、無茶々園がある愛媛県西予市は深刻な人口減少の問題を抱えています。
およそ40年後の2060年には現在の人口(約3000人)から約70%減少し、855人ほどの人口になると予測されています。

そこで高瀬様は今後、若者やその家族が過ごしやすい環境を整え、まちづくりの事業化をさらに進めていく必要があると考えています。
さらに農業においては高齢化、それに伴い後継者不足が問題になっています。
変化のある社会に対してどのように農家が対応していくか、人々の農業に対するハードルを下げていくかが、今後の課題です。

1974年から現在に至るまで、地域を支え続けている無茶々園。
「農薬・化学肥料に頼らない農作物をつくる」という人々の「食」を支えることからはじまった無茶々園の活動はその幅を次々に広げ、
現在では人々の暮らしを支え、時には人々に生きがいを与える存在になっています。

無茶々園が今後地域にどのような影響をもたらすのか、
西予市にどのような変化を与えるのか。
今後の活動にぜひご注目ください。

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