見出し画像

日本画 私の描き方

(一般的な日本画の描き方をページ下部に記しました)

最初にふわっとした「絵」のイメージが浮かび、それをノートに描きとめます。言葉と、小下図未満の走り描き程度のざっくりしたものです。
なんとなくそのイメージが具体的になってきたら、写生を見返して使えるものがないか探します。または描きたいものの写生やスケッチをします。
画室には、和紙や絹を張った後に下塗りをしたり、絵具だけで抽象的な下地を作って放置してあるのがたくさんあります。その中でイメージに近いものがあったら、そこにどんどん描いていきます。

絵具で直描き

最近では写さずに直描きしています。
その方がイメージが広がり、どんどん絵が変わっていくのが楽しいのです。墨や濃いめの染料で、軽い輪郭線をとっていきます。その後、彩色していきます。常に5枚ぐらいの作品を同時進行しています。それは多忙だからというわけではなく、塗った後に乾くまでの時間がかかるからです。その間、他の絵に同じ絵具を使用したり、箔を貼ったりしています。

今制作中の作品たち。まだぼんやり

描き進めていって完成に差し掛かるころ、言葉が浮かびます。その言葉を絵のタイトルにしています。言葉が浮かばない時、辞書などで、イメージに近い言葉を延々と探すこともあります。完成までの日数は、およそ1か月~2か月です。いままでを振り返ると、私はだいたい1か月に2点くらい完成させているようです。しかし、ちょっと描いて何か月も寝かせてまた描いたり、何年後かに加筆したりもしているので、ハッキリとは言えません。

今描いている絵とモチーフと写生

最近では絵絹に描くことが面白いです。裏からも描けて、透け感が美しい。絹を木枠に張った状態で描いていって、おおよそ描けたら和紙で裏打ちをします。その後、パネルに張り込んで、また描くということをしています。(これは日本画的には邪道なのかもしれませんが…)

【一般的な日本画の描き方】
①小下図という小さなイメージスケッチを描きます。それをもう少し具体的に描いた下図を作り、その後実際のサイズでしっかり描いた大下図
下図を作ります。
②和紙を張ったパネルに大下図を念紙で転写します。
③転写した線を墨でなぞるように線描します(骨描き)
④その後、彩色していきます

絵筆たち


完成した作品。ウズベキスタンの可愛いティーポットとハープの楽譜をモチーフに描きました。
キツネは月の晩におでかけした、という曲です。裏から金箔を貼っています。S4号
2024年5月24日 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?