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同調圧力を逆手にとる。「身近な5人の平均年収が自分の年収」を利用する。

「身近な5人の平均年収が自分の年収」という法則を知ったのは20歳の頃で、タイトルは忘れたけど当時読んでいた本に書いてあった。その頃は地元の塾でバイトしていたから、その言葉の意味が分からなかった。

「身近な5人なんて、大学の友達に決まってるじゃないか。平均取ったら50万とか、多くても100万でしょ。だってバイトなんだから。」

あれから4年たった今、僕は執筆という仕事で飯を食っている。そしてこの「身近な5人の平均年収が自分の年収」が本当にその通りであることを日々実感している。

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一般的に「同調圧力」という言葉は悪い意味で使われることが多い。「みんなと同じことをしろ」「目立つことはするな」「歩調を合わせろ」誰一人として抜け駆けは許されない。出る杭は打て。少しでも周りと違うことをすれば、仲間外れにされ陰口を叩かれる。それが同調圧力だ。

この圧力を感じたことがある人も多いだろう。例えば僕が通っていた地元の公立中学校なんかは同調圧力の巣窟みたいな場所だった。勉強ができる優等生よりもケンカが強い不良の方がスクールカーストが上だったから、圧力はそちらの方へ働く。つまり、「勉強はするな。本なんて読むな。悪いことしろ」という同調圧力だ。だから小学校まではちょっと勉強ができていた友達は、だいたいが不良の圧に負け、怠惰な道に進んでいった。怠惰なだけならまだマシだが、万引きや暴行、薬物など犯罪に手を染めてしまった人もいた。幸い僕は「俺たちと同じように悪いことをしろ」という同調圧力に対し、「不良でも認めざるを得ない学力」で対抗することができた。常に学年で一番の成績だったから、「中島はすごいやつだ」と不良たちも一目置いていたのだ。そんなわけで僕はどうにか同調圧力から逃れ、地元で一番頭の良い高校に進むことができ、浪人を経て大学に進むことができた。ただコミュニティの偏差値が上がったところで、同調圧力がなくなるわけではなかった。

大学という場所は各々が自分のやりたいことを自由に追求できる場所だと勝手に想像していたのだけど、実情はだいぶ違っていた。体育会にも入ってないしインターンにも行かなかった僕は時間が有り余っていた。「最強になりたい」という野望だけはずっと持っていたから、有り余った時間を有意義に使おうと、本を読んだりプログラミングを勉強してみたり、会ってみたい人に面識がなくてもアポを取ったりと、自由に時間を使っていた。このブログもその一つで、幸運にも始めてすぐに上手くいったおかげで仕事になった。ただこうやって自由に好きなことをする僕の姿は、一部の人から反感を買っていたようで、サークルやクラスの友達には「あいつはイタいやつだ」と陰口を叩かれたこともあった。まさに同調圧力。「お前は俺たちと同じコミュニティにいるんだから、出過ぎた真似をするな」というわけだ。幸いその頃には執筆のおかげで新しい居場所ができていたし、そんなしょうもないことをいう人間は無視すれば良いと割り切れるくらいメンタルも強くなっていたから、何も影響はなかった。しかし同調圧力というものは頭の良さ、偏差値の高さには関係ないのだなと学んだのを覚えている。

近頃「副業」が話題だが、副業が全面的に認められているのはまだ一部の企業にすぎない。認めていたとしても「年間100万円まで」とか「副業の内容を全て会社に報告すること」など面倒な制約を設けている場合が多い。これも「同じ会社で働いているんだから一人だけ収入が高いのはおかしい」という同調圧力だ。副業で収入を得られるのは本人の努力の結果であるにも関わらず、その努力を真っ向から否定するわけだ。つまり「頑張らなくていいから、みんなと同じように社畜してくれ」という同調圧力がかけられている。結局、社会のどの階層に移行したとしても、そこに組織がある限り、人間がたくさんいる限り、大多数に合わせろという同調圧力が働いてしまう。

ここまでは負の同調圧力の話で、これは自分を押し下げる方向に働く。

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今回話したいのはその反対、正の同調圧力についてだ。つまり自分を引き上げる方向に働く同調圧力である。

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冒頭で述べたように、「身近な5人の平均年収が自分の年収」という言葉を知ったとき、僕は地元の塾でただバイトしてだけだったからこの言葉の意味が分からなかった。ところが21歳になって転機が訪れる。趣味で書いていたブログの読者がどんどん増え、いつの間にかバイトをしなくてもいいようになった。絶望的につまらない人たちしかいない絶望的につまらない塾のバイトを速攻でやめ、自由な時間が増えた。そんなある日、Twitterに一件のDMが届いた。

「はじめまして。ブログ読んでます。東京大学経済学部3年の〇〇です。今、起業してWEBサービスを作ってます。よかったら今度会いませんか。」

これは僕のTwitterに初めて来た「会いたい」という誘いのDMで、なんか面白そうだなと思った僕は渋谷まで会いに行った。その日はDMをくれた彼と、彼と同じく東大で起業している仲間たちと飲みに行った。僕はそこで初めて起業している大学生と会話をしたのだけど、はっきり言って何を言ってるのか分からなかった。

「VCがさ〜」「イグジット目指してる〜」「エクイティが〜」

僕の知らない言葉ばかりで、全くついていけなかった。幸いにもその東大生たちは僕のブログのファンということで詳しく教えてくれたのだが、当たり前のように話す彼らを見て悔しさを覚えた。何より彼らの会話に出てくる額の大きさにビックリした。

「今月の売り上げが100万円で〜」「3億で売却して〜」

正直僕は自分がイケてると思っていた。自由に執筆して、それがお金になって、バイトをしなくても遊べるようになって。そんな大学生、なかなかいないだろう。僕って、すごくない?そんな慢心があった。「井の中の蛙、大海を知らず」とはまさにこのこと。蛙だった21歳の僕は初めて海の広さを知り、自分の小ささを思い知ったのだった。

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世の中の広さを知ったおかげで、僕はそこからいろんなことに手を出した。その過程でもっともっとすごい人たちに出会えた。幸運にも。

そこではじめて「身近な5人の平均年収が自分の年収」の意味が分かった。自分よりも次元が上の人たちと、ちょっと背伸びして一緒にいると、正の同調圧力が働くのだ。

「え、そんなことも知らないの?」「え、まだそんなもんなの?」

直接言われるわけじゃないけど、一緒にいると、こう囁かれているような気がしてくる。すると、「チキショウ」と悔しい気持ちになる。どうにか追いつきたい、追い抜きたい、同じ景色が見たいと、前向きな気持ちになってくる。これが正の同調圧力だ。

例えば、今現在、僕の身近にいる5人の年収を平均すると、確実に3000万円は超えている。もしかしたら億を超えているかもしれない。きちんと聞いたことがないし、彼らはサラリーマンではなくて経営者だから年収という概念をそのまま適用できないけど、それくらいあることは間違いない。歳は僕より上の人がほとんど、10歳以上年上の人も多い。でも、年齢は関係ない。僕は彼らの平均からは大きく離れている。つまり、負けている。負けているというのは客観的な事実で、僕を平均の式に入れてしまったら、彼らの平均を大幅に下げてしまうことはハッキリしている。

さて、ここで働くのが正の同調圧力だ。こんな感じで僕よりも数次元上の世界で生きている人が身近にいると、「俺は何をしているんだ」と尻を叩かれる思いがする。「このままじゃダメだ」と、悔しさをバネに頑張る活力が湧いてくる。同調圧力のおかげで、自然と上に引き上げる方向にエネルギーが生まれるのだ。

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しかし同じ属性の人たちと一緒にいたらそうはいかない。サラリーマンの場合、給料はみんな同じだ。9時-18時で会社で働き、残業する時間も含めれば一番身近にいる人間は確実に会社の人間になる。つまり、身近な5人は全員同じ会社の人たちで、平均をとる必要すらなく、みんな同じ年収なのだ。これは大学生も同じ。サークルやバイト先の友達は、みんな扶養の範囲内で働いてるから、平均をとるまでもなく同じ収入になる。もちろん大学生のうちから年収なんて気にしなくていいけど、4年間同じコミュニティで生きていたら新しい発見はない、ということを僕は伝えたい。同じ人間とばかりつるんでいると、ずっと同調圧力が働き続ける。したがって4年経っても属するコミュニティの平均にしかなれない。それはちょっと物足りないのではと僕は思う。

というわけで、同調圧力を逆手に取ることを僕はおすすめしたい。要するに、自分よりも次元が高い人たちと行動を共にして、正の同調圧力を受けるのだ。一緒にいれば、自然と「上がってこいよ」という圧力を受ける。これは当然、大変かつ苦痛を伴うものだけど、人生、頑張らなきゃいけないポイントというのが確実にある。そこは歯を食いしばって頑張るしかない。根性論は嫌いだけど、こればっかりは仕方がない。

「そんなこと言っても僕の周りに次元が上の人なんていないよ」と思う人もいるだろう。そんなの言い訳で、失うものなんてないんだから自分から飛び込め、というのが僕の意見だが、もっとハードルが低い方法がある。

それが読書だ。本をたくさん読もうと口酸っぱく言ってるけど、その理由の一つは手軽に正の同調圧力を受けられるからだ。例えば、僕たちが孫正義や柳井正に会いたいと思っても、直接話が聴ける可能性はかなり低い。不可能ではないけど、それを達成するにはまず実績を積まなくてはいけない。つまり、無のままでは不可能だ。しかし、読書なら彼らの頭の中を1000円ちょっとで覗くことができる。実績も何もいらない。ただお金を払えば、それだけで彼らの話が聞ける。このとき大切なのは、一冊だけで終わりにしないことだ。「身近な5人の平均年収が自分の年収」の法則の、「身近」という部分が大切で、仮に合計で10時間かけて1冊読んだとしても、それは身近とは言えない。彼らのような上の次元に生きる人間の思考を、常日頃身近に感じていると言えるためには圧倒的な量を読まなくてはいけない。だから僕は多読を勧めている。特定の個人の著作に限らなくていい。5人に絞らなくてもいい。自分より上の次元の人間が書いた本を、ひたすら読みまくる。暇さえあればページをめくりまくる。ここまですればようやく「身近」と言うことができる。こうして上の次元の思考に常日頃触れ続ければ、正の同調圧力が働くようになる。どうしても対面で正の同調圧力を受けられない場合は、読書をぜひおすすめしたい。

補足で、次元が上の人が集まる場所に行ってみるというのも一つの手だ。僕はよくホテルに泊まりにいくのだけど、ランクが上であるほど洗練された空気を感じるし、もっと頑張ろうという気持ちになれる。だから僕はマリオット系列のホテルに特典やポイントで無料で泊まれるSPG AMEXを愛用している。本題から逸れるからこれ以上説明はしないけど、これのおかげでリッツ・カールトンに泊まって世界の広さを知ることができたので、ぜひ皆さんにもおすすめしたい。

同調圧力は、自分がいる場所次第で上にも下にも働く。「身近な5人の平均年収が自分の年収」という法則は、この世の真理の一つだ。正の同調圧力を受けられるよう、属するコミュニティや普段接する人たちについて、今一度熟慮してみてはどうだろうか。友達を切り捨てろと言いたいわけじゃない。ただ、同じ場所に居続けても発展はないという事実だけは、知っておいた方がいいと僕は思う。少しでも向上心があるのなら、同調圧力が正の方向に働くよう、居場所を変えてみてはいかがだろうか。

それでは素敵な1日を。




最強になるために生きています。大学4年生です。年間400万PVのブログからnoteに移行しました。InstagramもTwitterも毎日更新中!