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水分補給・脱水・熱中症

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水分補給・脱水・熱中症について生理学的、解剖学的に記事にしています。
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水分補給と脱水(長時間運動を行っているアスリートでは、1日に5lの体液、4,600~5,750mgのナトリウム、少量のカリウムを喪失する)

水分補給と脱水(長時間運動を行っているアスリートでは、1日に5lの体液、4,600~5,750mgのナトリウム、少量のカリウムを喪失する)

脱水とは脱水とは、体水分正常時の体重の2%が失われた状態と定義され、競技パフォーマンスに悪影響を及ぼします。

脱水はパフォーマンスに多大な影響を及ぼす可能性があり、特に暑熱環境下(熱中症)においてそれが懸念されます。

また、脱水は、筋力や持久力、コーディネーション、知力、および体温調節過程に減退効果や悪影響をもたらすと考えられています。

運動中の水/水分の喪失は、多くの変数の影響を受け、発汗

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水分補給が無酸素性運動に及ぼす影響(3%の体重減少によって、上下肢の無酸素性パワー発揮能力が低下、運動中の心拍数上昇、主観的運動強度の上昇、およびレップ数の低下がみられた)

水分補給が無酸素性運動に及ぼす影響(3%の体重減少によって、上下肢の無酸素性パワー発揮能力が低下、運動中の心拍数上昇、主観的運動強度の上昇、およびレップ数の低下がみられた)

水分補給が無酸素性運動に及ぼす影響
水分補給が無酸素性運動に及ぼす影響については、1~3%余りの体重減少を生じさせる水分欠乏によって、無酸素性パフォーマンスが低下したことが一部研究で明らかになりました。

その中には、水分欠乏によって、バスケットボールとサッカーのスキルパフォーマンスが低下したとする研究もあり、また、筋力とパワーが脱水の悪影響を受けたとする研究もあります。

運動パフォーマンスに水

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脱水と水分補給における競技パフォーマンスへの影響(口渇反応のメカニズムは、血漿浸透圧が280~295mOsm/kgH2Oの範囲に維持されるように作用する)

脱水と水分補給における競技パフォーマンスへの影響(口渇反応のメカニズムは、血漿浸透圧が280~295mOsm/kgH2Oの範囲に維持されるように作用する)

体水分とパフォーマンス最近の研究により、体水分が正常な状態で運動を開始することの重要性が明らかになっています。

脱水状態で運動を開始すると、心拍数と深部体温の上昇により、パフォーマンスと生理学的機能が低下することが明らかになっています。

研究の結果、若年者を含むアスリートは練習開始時、さらには競技イベントの開始時でさえ脱水状態であることが多いと複数の報告があります。

したがって、このようなア

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水分補給状態が生理学的機能と運動パフォーマンスに及ぼす影響(体重が3%減少すると、各セット前の心拍数が上昇し、心拍数の回復にも遅れが生じる)

水分補給状態が生理学的機能と運動パフォーマンスに及ぼす影響(体重が3%減少すると、各セット前の心拍数が上昇し、心拍数の回復にも遅れが生じる)

水分補給の決定因子とは運動実践者の水分補給は、臨床と研究の両分野で活発に議論されており、アスリートの水分需要決定に責任を負うコーチやヘルスケア専門職は、水分補給計画の作成にあたって様々な因子を考慮に入れる必要があります。

運動が行われるその時々によって、環境条件、運動強度、運動時間、休息時間、着衣の量、およびそのセッション、練習、または競技イベントの目的は異なります。

同様に、運動を行う人によ

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