見出し画像

主要栄養素と微量栄養素の欠乏と免疫機能(例えば、タンパク質の欠乏は免疫系の機能にも重大な影響を及ぼし、感染の可能性を高める)

主要栄養素と微量栄養素の欠乏


ある特定の主要栄養素と微量栄養素の欠乏は、アスリートの免疫機能障害に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

体重がパフォーマンスの抑制因子であると思われるスポーツや消耗の激しい持久系スポーツ、その他1日に何時間ものトレーニングを必要とする活動では、栄養不足が起こることも少なくありません。

アスリートは適切な水分補給を維持することを心掛け、また、パフォーマンスの向上をもたらし免疫機能障害を予防するために、十分な栄養とエネルギーを補給できるバランスのとれた食事を摂取する必要があります。

栄養素と免疫


主要栄養素の摂取量が不十分な場合には、免疫機能に有害な影響をもたらす危険があります。

例えば、タンパク質の欠乏は免疫系の機能にも重大な影響を及ぼし、感染の可能性を高め、感染が起こると抗体などの細胞や分子を合成する必要性が増加するため、基質に対する身体の要求が増加します。

しかし、欠乏症ではないアスリートにおけるタンパク質の補給に関しては、データは少数しかなく、またこれらのアスリートにおいて食事性タンパク質が免疫促進物質の役割を果たすことを示唆するデータもありません。

逆に、動物実験では、過剰なタンパク質の摂取(60%以上)が最適な免疫機能を損なう可能性もあります。

動物性タンパク質の摂取不足は、タンパク質不足による影響に加えて、鉄分、亜鉛、ビタミンB12などの濃度低下にも関連します。

鉄や亜鉛は、最適な免疫機能に必要ですが、食品以外の栄養源から鉄や亜鉛を過剰に摂取することは免疫系にマイナスの影響を及ぼすため、サプリメントの摂取は医師の監督下で行わなければなりません。

免疫機能障害とパフォーマンス

免疫機能障害はアスリートのパフォーマンス低下の主因となります。

現在、炎症および免疫反応に対するエクササイズの影響には、「ホルミシス効果」があると考えられています。

すなわち、中強度のエクササイズは有益であるのに対して、長期間の高強度エクササイズは有害となる可能性があることを意味しています。

非常に高強度で長期間のエクササイズは免疫抑制をもたらし、場合によってはオーバートレーニングを引き起こします。

多くのアスリートが多量/高強度のトレーニングを行っており、したがって、質の高いトレーニングを保証するためには、アスリートとコーチが免疫抑制の基礎理論を理解することが重要になります。

糖質補給の重要性

有酸素性運動でも無酸素性運動でも、運動中の適切な運動パフォーマンスを支えるためには、骨格筋内に十分なグリコーゲンが必要になります。

有酸素性運動でもレジスタンストレーニングでも、筋グリコーゲンが枯渇する可能性があることは明白な事実として確定されています。

筋グリコーゲンが枯渇すると、アデニンヌクレオチドが減少し、筋のホスホクレアチンの分解が促進されて、最終的に疲労が増大します。

したがって、運動を始める前にアスリートの筋グリコーゲンが枯渇した状態であると、運動パフォーマンスが低下する可能性は相当高まります。

つまり、アスリートにとって、筋グリコーゲンの補充能力は決定的に重要になります。

研究によると高強度の有酸素性エクササイズを実施した後に糖質を投与すると、筋グリコーゲンの合成速度が著しく高まることが明らかになっています。

続きをみるには

残り 1,822字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

ご覧になって頂き本当にありがとうございます。