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サッカーにおける間欠的運動能力(サッカーの試合におけるエネルギー需要のうち98%は有酸素的に賄われるが、 勝敗を決するのは、ゴール前の競り合いなどで行われるスプリントやジャンプといった、残り2%の高強度な無酸素的活動になる)

間欠的運動能力

サッカー選手は、1試合(90分間)を通して9~12km程度の距離を移動しますが、試合時間の70%以上はウォーキングやジョギング、あるいは静止に費やされ、それらを休息としながらスプリントやジャンプなどの高強度運動が繰り返されます。

したがって、サッカーの試合におけるエネルギー需要のうち98%は有酸素的に賄われます。

しかし、サッカーで勝敗を決するのは、ゴール前の競り合いなどで行われるスプリントやジャンプといった、残り2%の高強度な無酸素的活動になります。

つまり、ウォーキングやジョギングなどで疲労回復を図りながら、続く高強度運動をいかに強く、高く、早く繰り返し行なうことができるか、がサッカーで求められる持久力の特徴になります。

反復スプリントにおけるパフォーマンス

Meckelらによると、短時間の反復スプリントテスト:RST(12×20m、回復時間20秒)におけるPD(パフォーマンスの減衰)とVO2peakの間には有意な相関関係(r=-0.602、p<0.05)が存在しますが、長時間のRST(6×40m、回復時間30秒)においては存在しませんでした(r=-0.322、p<0.09)。

これは、レップ数の増加に伴って有酸素性機構の関与が増大したことを示しています。

Bangsboは、上記テストに類似したテストを開発し、7回のスプリントを回復時間25秒で行うものですが、10~20mの間に横へ5mの方向転換が含まれています。

Wraggらは、変動係数1.8%、信頼区間95%として、このテストを信頼性のあるものとみなしました。

この点をみると、このテストは妥当性のあるテストのように思われますが、横への動作にはアジリティの要素が組み込まれています。

高強度ランニングとサッカー選手

Bangsboらは、サッカーの試合における選手の活動のうち、時速15km以上のランニングを高強度ランニングと定義しています。

プロサッカー選手では、試合での高強度ランニングの量が競技レベルを反映することが知られています。

Mohrらは、欧州チャンピオンズリーグに参加する強豪チームにあって、各国代表の国際レベルにある選手は国内レベルの選手よりも1試合当たりの高強度ランニングの量が多いことを報告しています。

そして、この高強度ランニングの量の違いは、1本当たりの移動距離(多くは20m以下)ではなく、本数によって説明されます。

つまり、プロサッカー選手では、競技レベルが高い選手ほど試合中に高強度ランニングを数多く実施します。

一方、1試合を通しての総移動距離そのものは、競技レベルとあまり関係ないこともわかっており、サッカー選手として高い競技レベルに到達するには高強度ランニングを数多く繰り返すことができる能力が必要になります。

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