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小比賀 品男の東京下段 #0(2017.4.16)

いまはただあなたひとりの真っ白なカーテンとして夕焼けを待つ

(穂崎 円)


 晴れた日の午後の慕情の部屋だろう。

窓の向こう側にいる恋人を待っている心が、いちまいのレース編みのカーテンのように繊細で麗しい。

やわらかな夕陽を透かす刻が訪れたら、いっそう神秘的にそれは煌めく。

キャンバスへと丁寧に配置された言葉が詩を超えて、耽美な絵画の世界を描き上げている。

 2017年4月16日 東京歌壇 東直子 選

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