坂本 那香子

10代でアメリカに留学、20代で経営コンサルティング会社に勤務、30代で多国籍企業にお…

坂本 那香子

10代でアメリカに留学、20代で経営コンサルティング会社に勤務、30代で多国籍企業における国内外でマネジメントを経験、40代で生き方の大きな変更といういくつもの節目で私を支えてくれたのは、いつでも人と本でした。

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  • シンガポール子連れ赴任

    シンガポール赴任前のいきさつから、日本に帰国後の心境までをまとめました。

  • 閑話休題

    特定の場所にまつわるとても個人的な思い出に関する文章です。

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麻の葉Book倶楽部への参加感想

*ライター* 岡本 聡子 大学卒業後、戦略系コンサルティング会社に勤務。MBA留学後、株式会社アルクより「上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔」を上梓。得意分野はビジネス、法律、社会、中国、防災。 これまでに外国機関広報誌など執筆多数。 NPO団体「赤ちゃんとママの防災講座」代表、5歳児ママ。中国・広州に駐在帯同しているが、日本に一時退避帰国。中国の教育事情やコロナ経緯を「HanakoママWeb」に連載中。 麻の葉Book倶楽部 〜本を読んでこなくてもいいオン

    • 再生

      坂本那香子_六月の村_自己紹介動画

      新しいチャレンジに向けた動画を作成しました! 初めての動画編集です。ドキドキしたぁ!!

      • グローバル・チームの中で

        (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) シンガポールでは6人の部下がいました。全員国籍の違うメンバーでした。シンガポール、台湾、マレーシア、タイ、フランス。上司はオーストリア人でした。150人近く働くシンガポール拠点の中で、日本人は私だけでした。 その環境は、私にとって居心地の良いものでした。奇妙なことに、私は日本にいた時のほうが自分を外国人のように感じていました。経営コンサ

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        • 息子にとってのシンガポール

          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) 息子はすぐにシンガポールに馴染みました。私が選んだコンドミニアムには、敷地にプールがありました。遊歩道に隣接していて、3分も歩けば大きな公園がありました。木陰に子供用の遊具が置いてあり、朝夕の涼しい時間にはたくさんの子どもたちが遊んでいました。子どもたちは、たいていメイドさんに連れられていました。 会社からの帰ると、住み込みのメイドさん

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        • 閑話休題
          3本
        • シンガポール子連れ赴任
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        記事

          私、怒られる

          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) 私のシンガポールでの上司は、優秀でした。大局を読み、勘所を押さえるのに長けていました。 私は、日本で、彼のようなタイプを見たことがありません。日本で「あの人は優秀だ」と言う場合、そこには多分に官僚的優秀さが含まれているように思います。官僚的優秀さとは、会議には絶対遅刻しないとか、議事録を取らせたらピカイチだとか、誰かと誰かの意見が異なる

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          私、怒られる

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          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) シンガポールで働き始めて1ヶ月が経つ頃でした。中国の担当者(注:中国人ではありません)に私は激怒しました。 その頃、私は、アジア・パシフィック地域のITサポート・チームの取りまとめをしていました。各国の病院の検査室に導入されているソフトウェアに不具合が出た際、まず各国の担当者が対応します。それが難しい場合、私のところに連絡が入ります。そ

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          出勤初日、机にパソコンがない

          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) シンガポール出勤初日、私は母に息子を託してオフィスに向かいました。緊張のあまり、心臓がいつもより早く動悸しているのが自分で分かりました。 それは、シンガポール拠点における2泊3日の社員旅行の翌日でした。社員を2つのグループに分け、別々の日程でベトナムに行ったそうです。私の上司になる人は、後半グループに属していました。そして、そのグループ

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          シンガポールの陣:夫を説得する

          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) 夫の説得は難航しました。 結局きちんと説得できず、私が押し切ったように思います。その時の反省を込めて、どうすればより良くコミュニケーションを取ることが出来たのかを考察します。 彼と私のお付き合いは、ミレニアムと呼ばれた西暦2000年までさかのぼります。シンガポール赴任の話が持ち上がってきたのは2009年ですから、その時点でお付き合いの

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          妊娠中の海外出張、行く?行かない?

          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) シンガポール拠点での仕事のオファーを出してくれた人との出会いは、私の妊娠中にさかのぼります。 私はとても元気な妊婦でした。つわりらしいつわりは感じたことがなく、お腹だけが順調に膨らんでいきました。産婦人科に定期検診に行くと、毎回「問題ありません」としか言われないので、会社を早退してまで行く価値があるのかを迷っていたぐらいです。初めて妊娠

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          それは一通のメールから始まった

          (この記事は無料で全文が公開されています。もし面白いと感じたら、投げ銭をいただけると、私がとても嬉しくなります。よろしくお願いします。) 子どもを保育園に送り届けた後に、ヒールの靴で必死にダッシュし、何とかいつもの時間の満員電車に滑り込んで、今日は遅刻せずに済んだぞと誰にともなく胸を張って出社したある日、私はそのメールを受け取りました。 1年間の育児休暇から復帰して、まだ1ヶ月未満、2009年12月の出来事でした。 「Are you Back?」という題のそのメールは、

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          ベネチアのサン・マルコ広場

          ベネチアには一人で行った。ロンドンのサマー・スクール履修後の気ままな旅だった。 車両の立ち入りが禁止されているベネチアの町は静かだ。船が車に代わるベネチアの主な交通手段だ。正面が海に向かっているサン・マルコ広場は、船から見るのが最も美しい。ルノアールがサン・マルコ広場を描いている。私の好きな絵だ。だが、実際のサン・マルコ広場は、やはり絵よりも美しい。 私は夜行列車でベネチアからロンドンに戻るつもりだった。当日、列車の出発時間よりもずっと早くサンタ・ルチア駅に着いた私は、ど

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          国立駅大学通りのパン屋さん

          国立駅前からまっすぐ伸びる大学通りを15分ほど行ったところ、駅を背にして左側にそのパン屋さんはある。今から10年以上前、まだ学生だった私と夫は、よく学校から散歩がてら、一緒にその店までパンを買いに行った。一番お気に入りだったのは、バターがふんだんに使われた生地に、アーモンドと粉砂糖が掛けられたパンだ。名前は覚えていない。 パン屋の前の街路樹の下に、ベンチがいくつか置かれている。そこに座って、買ったばかりのパンを二人で食べた。あれは確か3月の末だった。早春の陽気に誘われて、私

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          新宿御苑の池

          新宿御苑の日本庭園の池にいる黒い鯉に5歳の息子は餌をやりたがった。岸辺に人が立つと、鯉たちは餌を期待して口をパクパクさせる。何もあげられるものはないと私が首を振ると、息子は近くに咲いていたタンポポの花をちぎって池に投げ込んだ。鯉はタンポポにまったく興味を示さない。 次に、息子は大きな蟻を水の中に落し入れた。蟻が水面で足を必死にバタバタさせる。20センチほど先にある岸辺は、蟻にとってあまりに遠く、一向に近づいてこない。その様子を見て蟻が可哀想になったのか、息子は急に慌て出す。

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