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最近読んだ本メモ

全く更新していなかったので、ここ数週間で読んだ本をまとめて。ほとんど備忘録メモ。

勤め先でインバスケット試験を受けなければいけなかった為手にとってみた。管理職として、意思決定する際に注意すべき考え方をケーススタディ的に学べる、といった内容。注意すべきはインバスケット試験のトレーニングにはならないということ(問題集ではないため)。短いのですぐ読み終わるし、なによりケースが簡単すぎて模範解答もありきたりなのであまり参考にならなかった。(★★☆☆☆)

今最も注目を浴びている組織設計手法、「ティール組織」。非常に興味深く参考になる。私の実感としても過度のKPI設定やパイプライン管理、それらの達成度に応じたインセンティブ、という競争原理を利用した管理手法は、働くことに対する志向の多様化した今の社会では機能しないように感じるのだ。

個人的には「ホールネス」の章がパラダイムシフトだった。「ライフ」と「ワーク」を切り離して考えてはいけない。働くことは成果を出すためにスタッフを抑圧してコントロールすることではない、と。個人のありのままを受け入れることが、長期的には成果を最大化することにもつながる可能性がある。

短期的なノルマ・KPI達成を目指していると会社自体がいつのまにかあらゆるステークホルダーから必要とされなくなってしまう…何のために働くのか、何のために生きるのか、そのために、組織で働く個人はどうあるべきか。個人の集合で成り立つ組織はどうあるべきか。様々な問いと気づきを与えてくれた。

ページ数は多いが、非常に読みやすく、まとめ本や漫画を読む必要性は感じられない。素直に本書を読むことをお勧めする。(★★★★★)

最近ハマっている赤松利一さんの作品。当たり前だが、自分というフィルターを通してしか、人は生きられない。そしてそのフィルターでさえも、実は漠然と、ぼんやりとしている。それなのに、人はそのフィルターだけを勝手に信じきって、思考することしかできない。

そしてそんなぼんやりが重なって世の中を動かしている。もとは、ただの「ぼんやり」や「勘違い」なのに。学歴、株価、給与、国際情勢・・・実は正しいプロセスも正しい理論もなく、ぼんやりと勘違いによって結果だけが積み上げられて出来上がっているのが「世の中」なのかもしれない。読者にそんな感情を抱かせる、冷めたような皮肉と人間への愛情が混ざり合った作品。これでKindleに出ているものはすべて読んでしまった。かくなる上はハードカバーを買うしかないか…(★★★★☆)

Unlimitedにあったので暇つぶし。いわゆる恋愛指南書。個別の内容は面白く、的を射ているのだが、本書の目的が「複数の異性から同時にモテている状態作り、かつそれを維持すること」をゴールにするのか、「彼女を作ること」をゴールにするのかを最初にはっきりさせてほしい。この二つは全く異なるゴールだ。

このゴール設定が甘いのは、恋愛指南書としては致命的だと思う。恋愛に関する経験や知識が平均を下回っている層が読者なのだ。彼らがその2つの違いを見極めながら読める保証など、どこにもないのである。例えば、彼女を作るために、部屋に入っていきなり玄関で逃げ道をなくさせてキスする必要はないし、デート直後にホテルに連れ込む必要もないはずだ。こうしたことが初心者にはわからない。彼女がほしいだけなのに、「大変だよね」を連呼してホテルに連れて行かなきゃと思うバカがたくさんいるのが現状だ。(だからこそこうした指南書が売れるのだが・・・)この本を読んで、付き合えたはずの女にフラれる男増えないことを祈る。(★★★☆☆)

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