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スカイ島で「1.6億年前の恐竜の足跡、空白の時代知るヒント」(ナショナルジオグラフォック)~「影の国」の女王と「時空を超える」ゆかりの地~

1.はじめに~Fateシリーズのスカサハ~

2018年に3周年を迎えた、人気スマホRPG『Fate/Grand Order』(FGO)。Fateシリーズの歴代の登場人物に加え、新規参戦のサーヴァントも多くいます。新たな槍兵の中で、最も人気があるのでは?と私が捉えているサーヴァントがいます。それは、「影の国」の女王・スカサハです。

色々と調べたところ、一応、FGOでは、『Fate/stay night』の第五次聖杯戦争のランサーで、アイルランドの伝説の戦士クー・フーリンの師匠とされています。弟子たちを厳しく鍛え上げ、たぐいまれな才能を持つ人物に出会えば、教えずにいられない教師気質を持っています。一方で、他のケルト戦士に劣らず、戦闘狂なところがあるようです。この弟子によれば、再会するまで、彼女は異界を治めながら、人外や怪異的な存在を退治していたらしく、地味に強くなっていました。ちなみに宝具は、弟子とは違うタイプのゲイボルクだそう。

スカサハ師匠は、今年6月に発売された、新作『Fate/EXTELLA LINK』にも参戦しています。こちらの作品の宝具は、自分の住む異界「影の国」への門「死溢るる魔境への門」(ゲート・オブ・スカイ)が採用されました。門番の彼女は、異界に通じるこの門を開くことで、敵を吸い込む攻撃を行います。

ざっとネット上で調べたられた設定は、以上のようなものでした。このような理解でよろしいでしょうか。私自身、これらのゲームで遊んだことはないため、どういった戦略で、スカサハを使えばよいのか、また詳しい設定は、分かりません。

さて、彼女のことを調べる過程で、実在するゆかりの深い土地があることを知りました。その土地とは、スコットランド西岸(アイルランド側)に位置するインナー・ヘブリディーズ諸島のスカイ島です。島の名前は、スカサハとの関連が指摘されることもあるようです。FGO設定で、弟子たちを鍛えた「影の国」とは、現実世界のアイルランドの「アルスター神話」と合わせると、彼女の登場する話の一部では、スカイ島に当たるようです[注1]。

このスカイ島、近年、恐竜の足跡化石が発見されました。Fateシリーズで異界とされる「影の国」の性質と、島での発見を重ねてみると、面白いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、スカサハと縁の深いスカイ島について、恐竜の足跡発見のニュースを紹介させて頂き、自然環境による島のイメージと、女王のいた異界「影の国」とを比較し、色々と考えてみたいと思います。


[注1] Wikipediaの「スカアハ」(スカサハのこと)によれば、彼女が登場する「エメルへの求婚」等のエピソードの複数ある写本のうち、住まいについては、Wikipediaの同ページ[注釈 3] によると、
 ・スコットランドに残る16世紀の写本『ディーン・オブ・リズモアの書(英語版)』ではスカイ島のダンスキー城(Maclauchlan, p. 51)
 ・18世紀の写本に残る物語「The Training of Cúchulainn」ではスカイ島であることが記されている(Stokes, Preamble)
そうです(スハアハ、Wikipedia、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A2%E3%83%8F)。同[注釈 3] によると、これより古い「6〜9世紀ごろに書かれたと考えられる「エメルへの求婚」最古のバージョン」と、「11世紀の写本に残る「エメルへの求婚」」では、「アルヴァ」(現在のスコットランド)の東方とされているようです。


2.スカイ島で「1.6億年前の恐竜の足跡、空白の時代知るヒント」(ナショナルジオグラフォック)を読む

 

 2-1.恐竜の足跡発見とその古生物学的重要性 

紹介するオンラインニュースの掲載元・ナショナルジオグラフォック(以下、ナショジオ)の名前は、日本語に訳された字幕を見た時、「米国地理学協会」だったと思います。もとは、地理学の普及を目指して1888年に設立された団体で、フィールド研究者に助成金を出して、調査や論文執筆の活動支援を行っています。サポートしたプロジェクトは地理学にとどまらず、歴史学・宗教学的な福音書の復元や翻訳、南極の探検調査、インカ帝国の空中都市マチュ・ピチュの発見まで、多岐にわたります。かつての発行元だった同名の雑誌、またドキュメンタリーの映像作品の放映チャンネルでは、ノンフィクション・コンテンツが多く掲載され、放送されてきました。日本でも定期購読や、契約することで視聴できます。私は、ディスカバリー・チャンネルより、ナショジオチャンネルのほうが好きでした。

それはさておき、本記事で取り上げるのは、ナショジオのオンライン版の本項タイトルのニュースです:

 ●「1.6億年前の恐竜の足跡、空白の時代知るヒント」( ナショナルジオグラフィック日本版サイト、2018/04/05、
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/040400149/h )

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