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ノーベル賞も有望?!高校生が明かした、青い光がハエの細胞に作用する研究【読み出し無料】~「ハエ、青い光を当てるとなぜ死ぬ? 山梨の高校生が解明」(朝日デジタル)~

1.はじめに

 1-1.10月3日のノーベル物理学賞発表から

本日10月3日、日本時間19時前、各新聞紙のオンライン版を読むと、ノーベル物理学賞の発表がありまして、例えば日経新聞によると、医学・生理学賞に続き、物理学賞も米国の研究者3人が受賞したことが分かりました↓

重力波観測で3氏にノーベル物理学賞 日本人含まれず
2017/10/3 19:17日本経済新聞 電子版 

 スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、2つのブラックホールが合体して生じた「重力波」を世界で初めて観測した米国の研究者3人に授与すると発表した。アインシュタインが100年前に予言した重力波を捉えた業績が評価された。 

 真っ暗なため光などでは直接見られないブラックホールの観測など新たな天文学への道を開いた。従来難しかった宇宙誕生直後の様子の解明に役立つと期待される。受賞が決まったのは米マサチューセッツ工科大学名誉教授のレイナー・ワイス氏(85)、米カリフォルニア工科大学名誉教授のバリー・バリッシュ氏(81)、同大名誉教授のキップ・ソーン氏(77)の3人。重力波を初めて捉えた米国の観測施設「LIGO(ライゴ)」の研究チームだ。
(「重力波観測で3氏にノーベル物理学賞 日本人含まれず」、日本経済新聞、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21841330T01C17A0MM8000/)

「アインシュタインが100年前に予言した重力波」については、だいぶ前に「ものすごいことが分かったね」と、いうことは当時、色々と報道されていたように思います。そういうわけで、今年の物理学賞は重力波の研究が受賞するのでは?ということが、Twitter上の物理系の方々から指摘されていました。実際の業績としては、アインシュタインの予言を証明したことにことに加え、「従来難しかった宇宙誕生直後の様子の解明に役立つと期待される」ことが大きく評価されていたようです。


 1-2.受賞者の年齢と山梨県の韮崎高校生物研究部の研究

さて、受賞したアメリカの大学の先生方の年齢を拝見すると、皆さま70~80代。アインシュタインの予言を証明するために、生涯を捧げられた結果、今回、功績が称えられて物理学賞を受賞されたと思われます。受賞なさった研究者の方々の若かりし頃、どのような研究から始められたのか。とか、大学に入る前、中高の生徒時代から秀才として、アメリカの学術的なジュニアオリンピックで優勝なさっていたのか、など、各個人的の経歴が気になってしまいました。

前置きが長くなりましたが、今回、取り上げるのは、日本の高校生の生物学分野に関する研究のお話です。次の朝日新聞デジタルによれば、「宮城県で8月に開催された全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門のポスター発表部門で、「青い光による殺虫効果の仕組みを調べた成果を発表し」た、山梨県の韮崎高校生物研究部です:

「ハエ、青い光を当てるとなぜ死ぬ? 山梨の高校生が解明」(朝日新聞デジタル、2017年9月27日08時11分、 http://www.asahi.com/articles/ASK9G3F4MK9GUZOB001.html )

韮崎高校生物研究部の研究では、簡単に言うと、青い光がハエの細胞に作用の仕方によって、死亡させる生理学的なメカニズムを明らかにしたことが評価されたようです。朝日新聞デジタルの記事を一読した私は、将来的に韮崎高校生物研究部のメンバーは、優秀な研究者となり、将来的にはノーベル医学・生理学賞の候補者になるのではないか?と関心を寄せてしまいました。

以上のように、本記事では非常に個人的な関心に基づきまして、山梨県の高校生が明かした、青い光がハエの細胞に作用する研究について、取り上げさせて頂きます。

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