9月29日 木曜日 曇り、1|箱庭日記

ごきげんよう
ゆにちゃんが一歳になりました!
厳密に言うと21:34生まれなのでまだあともう少し
わたしは丁度手術台に載って麻酔を打たれている頃だろうか……いや、そろそろ切っていたかも

全身麻酔ではないので手術中も意識は普通でした。
麻酔が効いていくのってどんなもんなんだろうと興味があったけど、なんというか、少しずつ全身がぴりぴり(全く痛くない)と痺れてそれと同時に感覚がなくなっていく感じ
死ぬのってこういうかんじなのかも

そして麻酔が効いていくのと同時に陣痛が収まった(のか、麻酔で感じていないのかはわかんないけど)のも不思議でした。
Twitterではたまに、帝王切開は楽というかんじの話が流れては炎上しますが、出産シーンのみで言えば寝ていれば終わるので楽だと思います
陣痛が始まってからの緊急帝王切開だったので、一応陣痛も体験したのですが、本陣痛ではなかったらしくてお医者さんからも「陣痛のようなものはきてるけど」と言われて、え、これまだ序盤なんですか?もう無理なんですけど!てかこっから、え、う、産むの?無理です!絶対無理!と思っており、緊急帝王切開と聞いて「やったーー!!!」って思っておりました
緊急帝王切開っていうのは、そのまま出産すると母子の命に危険がある状態に行われるのでぜんぜん「やったーー!!!」な状況ではなかったのですが、
それでも「やったーー!!!」ってなるくらいに、じぶんには普通分娩は無理……だと思ったので、この一年は道端で子供を連れているお母さんを見ては(この人は……産んだのか……すごい……分娩のあの瞬間があったのか……)と思っておりました。世の中にはきょうだいなんて当たり前のように存在するけれど、出産をもう一度やろうと思えるのもすごいです。
帝王切開は楽……みたいに言ってしまいましたが、じゃあ楽勝出産だったかというとそうでもなく、
夜中の麻酔が解けない時間帯がすごいきもちわるかったです  じぶんの意識ははっきりしているのに、身体の感覚がない、動かせない  なんだか無性に寝返り返りがうちたくなる。看護師さんが身体を動かしてくれると、全く意図しない方向に足がごろんと動く
それがすごい不気味でした。麻酔が抜けてからは、薬を打っているにも関わらず激痛です。わたしはお医者さんたちもドン引きの驚異の回復力だったので次の日には歩いておりましたが、普通はしばらく寝たきり、一ヶ月動けない人もざらだそうです。そこは普通分娩の方も同じかもしれませんが……。
あとは何日か身体に管が五本くらいついていた、笑

個人の感想だけれど、「産んだ」という感覚がなくて、それだからか「母親」というカテゴリにじぶんがいるという自覚もない。一年間暮らしてみたけれど、やっぱり母親というイメージとじぶんが重ならない
でも、じぶんにはそれがちょうどいいなと思っておる。これは手術じゃなくてもそう感じていたのだろうか?

近くの大きな総合病院で生まれたので、家のベランダに出るとその病院が夜でも煌々としているのが見える
たまに外に出てゆにちゃんと夜風にあたりながらそれを眺める。夜中も当たり前のように仕事をしてくれていた看護師さんたちのことをよく思い出す。わたしにとっては特別な一週間だったけれど、看護師さんたちはこれを毎日やっているのだ。赤ちゃんと二人暮らし、夜中にミルクをあげているときも、ここには二人しかいないけれど、すぐ近くではあの看護師さんたちも起きて仕事をしているなあ、と、心強かった。あの頃はじぶんも不規則な生活だったから、夜中に起きているのも平気で、とても楽しかった。
ここに引っ越してきたときには、家から見える場所でじぶんのこどもを生むなんて想像できなかったな
これからの未来も想像がつかないこのかんじでいきたい

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