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指導者も親御さんも読むべき本「風姿花伝」

お稽古事で教える側、指導者が大切にすべきことは何でしょうか。
いろんな本があります。指導要領とか児童心理学とか…。

世阿弥の風姿花伝には、まさにそのことが書かれています。僕はこの風姿花伝はもっと教育者に読まれていい本だと思っています。
まとめられたのは15世紀。その時代から、子どもは変わらない。

子どもをとりまく環境はどんどん変わってきていますが、その結果教育の有り様を考えなおす、手立てを変える、言い方を変える。応用は効くはずです。

この本の冒頭は、稽古を始めてから、一生を終えるまでについて述べられています。冒頭を掻い摘んでみると、

「...その子の心のままにさせたほうがいい。むやみにイイよ!よくないよ!と言うべきじゃない。あまりひどく諌めると子供は気力が失せて、能に嫌気がさして、やがて能が止まってしまう...いいタイミングで得意とするような芸をさせるべきだ...」(七歳の部分の意訳です。能を音楽に置き換えてもなりたちますよね)

まさに「環境」による教育です。指導者も環境の一要素に過ぎない。そのときの表面的な技巧や完成度を求めないで、本人の内面で起こっていること(そのことをする喜びがあること)を認めること。

厳格な指導論かと思いきや案外面白く書いてあります。
「年をとったら踊らないに越したことはない(でも素直に取り組めば花は残る)」とか(笑)

キーワードが「花」なのですが、その種明かしは後半。

古い本ですが、書かれている内容は現代にも、能以外にも通用するという凄さ。(現代の教育界であれこれ言われていることがホントにすっきり書いてあります)

レッスンに行き詰まった生徒や親御さんが読めば、おおらかな気持ちでレッスンに臨めるかもしれません。

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■コンサート■
6/22(土)コンサート@新宿区立しなのまち子ども園
11/3(日)リサイタル@現代ギター社GGサロン
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