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京都 東寺庵の思い出

 
土佐へ行こうかと調べ物をしていて思い出した。京都に有った伝説のゲストハウス東寺庵。

日本がバブルに踊っていた頃、"京都で一番安い宿"だった東寺庵。1泊2000円でロンプラに載っていた。宿泊者は酒が飲み放題で、ちゃぶ台を囲んで欧米人が盛り上がっていた。宿泊者じゃなくても紛れ込んで、酒を飲めた。泊まりもせずに遊びに行った。

2010年くらいに行くと移転していて静かな宿になっていた。そして京都への海外からの旅行者が急増した数年前、とうとう閉館になった。

で、東寺庵と土佐がどう関係あるのか。
東寺庵のオーナーである蜷川澄村さんは、選挙の泡沫候補として、京都ではちょっとした有名人だった。現在の東京での「マック赤坂」くらい。

蜷川家と言えば室町時代から続く名家。一休さんに出てくる蜷川新右衛門さんなら、誰でも知っているんじゃないだろうか(笑)。そんな由緒ある一族の末裔の蜷川澄村さんが、京都市内に代々持つ土地に開いた宿が東寺庵なのだが、彼は土佐にも土地を持っていて(蜷川氏は土佐国に多くの荘園を持っていた)、そこにも彼は遍路接待所を開いているのだ。

接待所とは、お遍路の人たちが無料で泊まれる施設なのだが、現代の世ではもうほとんど残っていない。

その希少な接待所の一つである土佐東寺庵は、今回の旅行の目的地、幡多の四万十市に有ることに気付いた。いや、住所は分かったのだが、ネット上では現在も有るのかが確認できなかった。

東寺は真言宗の総本山。真言宗は空海が開いた。空海の修行の足跡(四国八十八か所)をたどるのがお遍路だ。蜷川氏と東寺との関わりまでは書かない(歴史に詳しい人に聞いてください)が、その末裔が今も土佐で遍路を接待しているとは、考えただけでもムネアツじゃないか。

えぇ、どうでも良い話ですよね...今回の旅の参加者は興味ないと思うし、歴史書にもガイドブックにも載らない場所だけど自分は行ってみる。たぶんボロイ古民家で、僕は一人涙する。

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