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張芸謀と北京五輪開会式

自分が初めて観た張芸謀の映画は「あの子を探して」か「初恋の来た道」だったか。どちらも発展前の中国が舞台で、素朴な生活を送る主人公の心情が描かれた良い映画だった。その頃(1999年)の自分は中国の旅が好きだった。
 
その後彼は有名になり、撮る映画の規模は大きくなった。内容も歴史ものの大作やSFチックな派手なものになっていった。自分は彼の映画を観なくなった。
 
前回の北京五輪(2008)で彼は開会式演出の総指揮となった。この開会式の規模は大きく、演出も派手なものだったが、国歌斉唱の女の子が口パクだった(本来歌う予定だった少女の歯並びが悪いという理由で外されて、その子の録音された歌だった)事が後日に判明するなど、後味が悪いものとなってしまった。

今回の北京五輪の開会式も張芸謀が指揮を執る。コロナ禍で前回より大幅に規模は縮小するらしい。自分は最近の張芸謀の映画より、20年前の作品の方が好きだ。今回はどんなものになるのだろう。
  
口パクの女の子は希望する大学への進学は適わず、別の大学に進み今は静かに暮らしている。役を外された方の女の子は理系の大学に進み、今は中国を出てアメリカで暮らす。「初恋のきた道」で主演を務めた素朴な女の子だった章子怡(チャン・ツィイー)は今や世界的な女優になった。

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