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ネットワークビジネスに勧誘された思い出~真相に気づいた編~

前回の投稿からかなり時間がたってしまって申し訳ありません。
過去のネットワークビジネスに勧誘された話もこれにて完結でございます。

A美との連絡もすっかり途絶えて数年がたった。
私の中ではA美には悪い印象はなく、またいつか会えたらいいなと思っていた。

◆あるツイッターの投稿

2020年5月、あるツイートとその詳細をまとめたnote投稿が話題になった。
ツイートとnoteの投稿内容にあった出来事をざっくりまとめるとこうだ。

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ツイ主さんが都内某所にいたところ、女性2人組から「このあと友人宅でパーティーをするのだが、この辺に手土産を買うのに良いケーキ屋はないか?」と聞かれた。
ツイ主さんは親切に自分の知っているケーキ屋を教えた。
すると、女性2人組は上京した理由や上京してどのくらいか、職業などを矢継ぎ早に聞いてきた。
ツイ主さんの職業を知ると彼らはお礼を言い、去っていった。

その後、5分もしないうちに別の男女2人組に声をかけられ、同じように「友人宅でパーティーをするので、手土産を買うのに良いケーキ屋をしらないか?」と聞かれた。
ツイ主さんはいぶかしく思いつつ、ケーキ屋のことを教えるとやはり上京してどのくらいかとか職業を聞いてくる。
怪しく思い、会社員とぼかして答えたところ、何かの縁と一緒にご飯行きませんか?と女性がハイテンションで誘ってきた。
ツイ主さんが「先ほども同じようなことを聞かれた。何かの企画か研修か?」と聞くと、テンションが目に見えて下がって煙に巻くようなことを言い去っていった。

さらに再度、男性2人組から「このあと友人宅で(略)」と声をかけられたツイ主さんは、意を決してその2人組についていくと、権利収入ビジネスの勧誘を受けた。

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私はこの投稿を読んで愕然とした。

A美とB太との出会いとそっくりだったからだ。

◆そういうヤカラはほかにもいる

このツイートは大きな反響を呼んだし、私もびっくりしたので同様の勧誘手口がないか調べてみた。
すると、マルチ商法や悪徳ビジネスに詳しい方々が「環境」「事業家集団」とよばれる集団も同様の手口で勧誘していると注意喚起情報をあげていた。

奴らはもともとは「モデー〇」というマルチ商法で商品を売っている会社の販売チームだったが、そこから独立し、「環境」「事業家集団」という組織名でマルチ商法をやっている集団だという。(以下、「環境」と呼ぶ)
奴らの勧誘手口を調べてみたところ以下のような感じだった。
※環境はランクが下の構成員にはシステムの全貌を教えないそうで、時期によって状況も異なるようだ。よって、参考程度と考えてほしい。

①環境の構成員は街コン、路上、飲食店内で会った人に声をかけ、連絡先を交換する(朝活、異業種交流会、オフ会などでも勧誘されることがあるそうだ)

②ターゲットをサシで食事に誘ったり、パーティ、飲み会、フットサルなどに誘い、距離を縮める
 
 →ここで現在の不満や将来の夢、経済状況を聞かれ、組織の上層部に報告される。(カモになるかの選定)

③起業願望がある、現状を変えたいと強く願っている、一発逆転願望があると思われると「ビジネスの師匠」に紹介される。
 
 →ここでマルチ商法に染まりやすくするため、自己啓発本を読まされたり「雇われていてはダメ、起業しなければ」という思考を植え付けられる

④師匠と何度か会って、「起業して儲けるぞ!」とその気になったらめでたく「弟子入り」となる。
 
 →有料セミナーに参加したり、「ビジネスのためのチーム作り」と称して勧誘活動をさせられる。
 また、投資名目で月十数万円分の商品を師匠から買わされる。
 時間も金銭も師匠たちに支配され、借金漬けになったり、今まで住んでいた家を引き払ってタコ部屋シェアハウスに住まわされることも多々ある。

⑤基準となる人数の会員を勧誘できると起業を許可される…が、大半の人が借金漬けになりぼろぼろになって脱落する


え・・・
まさにA美とB太との出会いではないか。
さらに私、②の段階まで行ってしまってたってこと…???

ショックだった。
本当にショックだった。

◆幸運にも勧誘されなかった理由

私は幸運にもカモ認定はされず、勧誘されることはなかった。
その理由は、A美とサシで食事をした際に、

「結構なブラック企業に勤めており、心身は疲弊し、なかなかに貧乏」
「実家とも仲がそれほど良くなく、貯金もゼロ」
「新しい挑戦をしようにも先立つものもない」
「そもそも私は誰かに雇われないとやってけないくらいだらしない人間」
「端的に言ってヤバい」

上記の事を包み隠さず話していた。
カモは起業志向が強く、挑戦心が旺盛な人が選ばれる。
また、「ビジネスの師匠」から月十数万円の商品を買わせたり、のちのち引っ越しさせるためにはある程度の貯蓄がないといけない。(あるいは太い実家からお金を引き出させる。)

私はどれも満たしていない!!!!!

だが、初対面の人に話しかけられても物おじせずに話して快く連絡先を交換し、サシの食事でも盛り上がったことから、飲み会の場で初対面の人と打ち解け、参加者の警戒心を解く役としてあの飲み会に投入されたのだろう。

◆気を付けよう、警戒しよう

幸か不幸か、当時の私は大規模オフ会にも行き慣れていたし、大規模な集まりを開くこと自体がステイタスと考えていた。(ばか)
だから、新宿のハワイアンなお店での大規模な飲み会も純粋に「すごい!」としか思わなかった。
さらには、「道に迷っている外国人を道案内する」という趣味があるため、知らない人に話しかける・話しかけられることや、そこから意気投合する事に全く抵抗がなかった。

現在はコロナで人の集まりが少なくなったとはいえ、デジタルネイティブ世代の人はSNSでメンバーを募って同好の士とオフ会を開くことに抵抗が少ないことも多いだろう。
オフ会で初対面の人と出会い、そこから友人関係を作ることも多々あるだろう。

それが落とし穴になる。

私がA美・B太と出会ったのは路上だったが、奴らはオフ会に潜んでいることもあるだろう。
初対面の人と会って打ち解けることや、道でお店を聞かれて快く教えること自体は何も悪いことではない。

でも、それを悪用する奴らがいる。

出会う人すべてを警戒する必要はないが、それでも自分の事を根掘り葉掘り聞いてくる人や、やたらと人間関係の距離感を詰めてくる人には警戒心を持った方がいい。
「あれ、この関係性でここまで私の事を聞く必要あるかな?」と違和感を感じたら、その感覚は正しい。
そもそも、自分の仕事や夢、悩みは仲良くなって信頼関係ができてから自分から話すものだろう。
お互いの気が合って意気投合したならいざ知らず、一方的にあれこれ聞いてきたり「お友達になりましょう」と言ってくる人は変な商売を勧誘しようとたくらんでるか、あたおかな人だ。

きっぱり断るのは難しくても、警戒心をもって対応したほうが後々のためだと思う。
どうか皆さんは自身の善意や厚意を悪用されることが無いよう、気を付けてほしいと思う。

そしてA美は変な商売から足を洗って、まっとうに生きていてほしいと思う。
少なくともA美と過ごした時間は私にとって楽しいものだったから、私は彼女の事を憎んではいない。
彼女の持っている良い部分が、周りの人や社会に良い影響を与えていてほしいと願っている。

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