第一話。

はじめまして。70seedsでインターンをしている北島紗希といいます。
農家さんが作る絵本「なかなおりのおまじない。」の作り手と、みなさまを繋ぐお手伝いをするために本プロジェクトに関わっています。

とうとう先日、クラウドファンディングが公開しました。
https://camp-fire.jp/projects/view/117973?fbclid=IwAR1qTDYjFSX07NqPFfx135VEWYgVMtAuVJH2DXQ3NlwDLOLldidrDoQ4o4w

(写真:生産者 荒木さん)

クラウドファンディングの公開ページで、発起人である荒木さんのアツイ思いは皆様に伝わったでしょう。しかし、作り手の思いを買い手が理解することは簡単ではないのが実際のところ。こだわって作られた野菜が店頭に並んだ時、そのこだわりは想像することでしか分かりません。良いモノとそうでないモノの違いを見分けることは難しいです。そこで第一話では生産者側である荒木さんの思いを、消費者の一人である私が考えていきたいと思います。

突然ですがみなさん、スーパーで買い物をするとき品物を選ぶ基準って、何ですか?私もそうですが、多くの方が”値段”。特に”安さ”だと思います。野菜だけでなく、お肉・卵・加工食品を選ぶとき、どれだけ安く買えるかは重要な問題ですよね。
目の前に432円のバナナと、198円のバナナがあったら迷わず後者を買います。分かります。2倍も値段が違うんですもん。
ここで皆様に知っていただきたいことが、値段が高い理由を意識される方は多くても、値段が安い理由を意識される方は少ないということです。どういうことか。「198円のバナナは必要な工程を経た一般的なもので、432円のバナナは必要以上に丁寧にこだわって作られたものだ。だから198円のバナナが普通のもので、432円のバナナはむしろ高級品なんだ。」という認識をしてしまっているということです。

でも本当に432円のバナナは必要以上にこだわった、高級品なのでしょうか。生産者の生産物に対するこだわりとは。どうしたらもっとおいしく作れるか色んな栽培方法を試したり、肥料の種類や使うタイミングを変えたり、様々な思考錯誤をすること。消費者の皆様に「おいしい!」と思ってもらえるように、さらに体にもいいモノになるように、と考え抜くことが生産者のこだわりではないでしょうか。こだわりとは、農作物に対する愛、消費者の皆様に対する愛です。そんな愛が溢れた品物は、本当に必要以上にこだわった、高級品でしょうか。

(写真:生産者 荒木さん)

値段だけにとらわれて、生産者からの愛を素通りしてしまうことは、消費者にとって幸せなことではないと私は思います。生産者がこだわった、心も体も満たしてれるものを口にする幸福は、安いモノを買えたという幸福を上回るのではないでしょうか。そんな幸福は、決して”必要以上のもの”ではないし、”贅沢な高級品”ではないのです。

・・・しかし、ここで皆様は思われるでしょう。「値段が高いからと言っていいモノだとは限らないし、安いモノに作り手の愛が全く無いわけではない。良いモノを見分けるにはどうすればいいのか。」と。値段以外の観点から良いモノを選びたい!と思ってくださる皆様が、その第一歩を踏み出すために作ったものがこの絵本なのです。

誰が作ったのか、農薬・化学薬品はどれくらい使われているのか、どんな栄養があるのか。良いモノを選ぶ基準は値段以外にも沢山あります。私たちの体をつくる食べ物を、値段だけではなくもっと大切な基準で選んでいただきたい。大人だけでなく、小さいうちから口にする食べ物に関心を持ってほしい。子供や家族が口にするものにこだわりをもつ方々が、親子で良いモノ学べるようにしたい。そんな願いから、絵本という形で皆様に作り手の思いが届くようにしました。

絵本でなにが学べるか、「よし!絵本を作ろう!」と決定してからどのようにして絵本が完成したのかは次回より紹介していきたいと思います。第一話をここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。私たちの作った絵本に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

それでは第二話でお会いしましょう。おやすみやさい。