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週に一度、食材の宅配を頼んでいる。たいていは、牛乳や米など決まったものを注文するが、カタログを見ていて時折目にとまるものがある。スーパーでは見かけない野菜や、旬のものである。

先日買ったものは筍だ。紙に包まれて泥がついたものが夕方に届いた。筍は、掘った後できるだけ早くゆでる方がいいらしい。放っておくと、えぐみが出るからだという。
私は迷った。あまりにも疲れていたから早く寝たかった。今から1時間近くもゆでる気力があるかどうか。

先に風呂に入ることにする。湯につかりながら、ぼんやりと考える。今日一日あったこと、あの人の言葉、わたしの気持ち。いろいろなことが流れる。そして、届いた筍。小さいけれど、まっすぐに伸びそうな3本。
やはり今夜中にゆでてしまおう。そう決めて風呂から上がった。

筍の皮はしっかり巻きつき、包丁が刺さりにくかった。ぬかと唐辛子を入れて、ゆっくりとゆでていく。柔らかくなったところで、火を止める。深夜2時、このまま朝まで置いておく。夜は、筍ごはんにして食べよう。

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