Kenji Nakawaki

場とコトLAB。地域デザイン、コミュニティデザイン、アートプロデュース、ワークショップ…

Kenji Nakawaki

場とコトLAB。地域デザイン、コミュニティデザイン、アートプロデュース、ワークショップデザイン、ファシリテーションの手法をもちいて、地域とアートの間にいることが専門。野草、野宿、焚き火が趣味。

マガジン

  • ワークショップとファシリテーションAtoZ

    ワークショップとは何か?ファシリテーションとは何か?上達する方法はあるのか?経験と知識から体系的に書いています(連載中)

  • WSの記録集

    オリジナルWSの記録です。狙い、内容、所感など、自身の振り返りのために記録しています。

  • プロジェクトデザインAtoZ

    プロジェクトとは何か。立ち上げ方。拡げ方。チームの作り方。プロジェクトデザインのHOWTOに特化した内容です。(完結)

最近の記事

24-場を転じる力(その1 「気分」)

どんな領域のファシリテーターでも求められる最低条件的な必須スキルとして「場をみる力」「場を見える化する力」「場を転じる力」がある。 今まで「場をみる力」(FA17-20)、「場を見える化する力」(FA21-23)と述べてきたが、今回はファシリテーターにとって、最も重要な「場を転じる力」について言及していきたい。 「場をみる力」「場を見える化する力」は、ファシリテーションについて書かれた他の本でも言葉を変えながら語られてきているが、「場を転じる力」については自身の経験則であ

    • 23-「見える化する」人と「みる」人のセッションに必要なコト

      ファシリテーターにとって、必要スキルとして「場をみる力」「場を見える化する力」「場を転じる力」と紹介する中で、「場をみる」とは一体何か、何に気をつけなければいけないか、それを支える対人関係のスキルは何か。「場の見える化」についても、様々な手法の特徴紹介から、なんのためにやるのかといった目的、見える化以前の大前提を述べてきたが、「場をみる」ことと「場をみえる化」することを一人で手がけるのは相当に難しい。もちろん訓練や経験豊富なファシリテーターは二役を同時に手がけることができるが

      • 22-場を見える化する力(の大前提)

        前回のnoteで「場を見える化する」目的として、以下の4つを説明した。 ①問題意識や目標の共有 ②議論の空中分解を防ぐ (意見の構造化)(雰囲気の見える化) ③思考を対個人から対議論に ④議事録を補完する役割に 「どう書くか・描くか」はもちろん重要なのだが、結局は「場の何をみるか、声をどう聴くか」であり、もっと言えば「そこから何を見つけるか、気づくか、訊くか」という部分が重要だと理解をしておかないと、ただの会話の記録になりかねない。あくまでも「場を見える化する」ことは、場

        • 21-場を見える化する力(4つの手法)

          どんな領域のファシリテーターでも求められる最低条件的な必須スキルとして「場をみる力」「場を見える化する力」「場を転じる力」がある。 コラム(FA17-20)においては「場をみる力」として「一人一人の意見・反応・雰囲気を的確にキャッチする」ために必要な対人関係の方法(何を訊き、どう聴いて、どこを観る)について述べてきたわけだが、”複数人の人が同時多発的に意見や反応が出る”場を整え、無駄な衝突や対立を避けながら、問題意識や目標の共有をはかり、ゴールに向かって進めていくためには、

        24-場を転じる力(その1 「気分」)

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        • ワークショップとファシリテーションAtoZ
          25本
        • WSの記録集
          6本
        • プロジェクトデザインAtoZ
          9本

        記事

          WSプログラムデザインの記録「星の王子さま」(オンライン専用プログラム)

          実施日:2020.5.15(金) 20:00-22:00 場所:ZOOM 参加者数:21名(講師含む) 主催:電波工房 WSプログラム名:「星の王子さま」 カテゴリー区分: 他者と自分系 【ねらい】対面できない、オンラインのやり取りに頼る今だからこそ、「つながる・出会う」という言葉を見直そう。 対面の代替えがzoomなのだろうか?対面こそが全てなのだろうか? そもそも「人と知り合う/わかり合う」ということはなんだろう。 「はじめまして」「こんにちは」そこから続

          WSプログラムデザインの記録「星の王子さま」(オンライン専用プログラム)

          20-対人関係の基本スキル③「観る」

          「場をみる力」の前段である1対1の対人スキル「聴く・訊く・観る・応じる」。対人関係の基本スキルについて述べていると「カウンセリングやコーチングでも傾聴や訊き方はやっているが、大勢を一同にという場面ではどうするの?進行的に何を取捨して、一人も全体も同時に大事にするコツやポイントのようなものってあります?」と言われる。それに関していえば、圧倒的に「観る」から判断することが多くなる。5感の中でも視覚の情報処理は約80%を占めるとも言われるように、言語化が追いつかないほどのエッセンス

          20-対人関係の基本スキル③「観る」

          19-対人関係の基本スキル②「訊く」

          前回は「場をみる力」の前段である1対1の対人スキル「聴く」に関して述べたが、今回は「訊く」について触れたい。『ファシリテーション入門』で堀が「傾聴で話を受け止めたなら、質問を使って話を深めていきます」と述べるように「訊く=質問」と捉え直し、質問の力や、質問によってどのような言葉を引き出すのか、ということに触れていきたい。 ・質問の目的そもそも人は相手が語る言葉を「情報(コンテンツ)」レベルで受け止めて終わることが多い。「トマトが好き」と語る人がいたとしても、受け手の多くは「

          19-対人関係の基本スキル②「訊く」

          18-対人関係のスキル①「聴く」

          ファシリテーターがよく口にする「場をみる」とは何か。私は「同時多発的に出てくる一人一人の意見・反応・雰囲気を的確にキャッチすること」と理解している。ファシリテーターとして場に立っていると不思議と全体を包む空気感というか雰囲気が出てきたり変化することに気づける。それはきっと、一人一人の意見・反応・雰囲気の集合体が形成するのだと思う。個人的な所感であるが、数名であれば「場をみる」といった表現はしない。多分それは一人一人を細やかにキャッチしているからであろうが、10名以上になってく

          18-対人関係のスキル①「聴く」

          17-場をみる力(聴く・訊く・観る・応じる)

          どんな領域のファシリテーターでも求められる最低条件的な必須スキルを「場をみる力」「場を見える化する力」「場を転じる力」と説明した前回。 「場をみる力」とは「一人一人の意見・反応・雰囲気を的確にキャッチすること」と述べたが、「じゃあ、それってどうするの?何が必要なの?」ということを今回は語っていきたい。 ・ファシリテーターは場(全員・全体)をどうみている?「一人一人の意見・反応・雰囲気を的確にキャッチすること」としているが、「場」というのは、一人一人の意見や反応が順序だてて

          17-場をみる力(聴く・訊く・観る・応じる)

          16-ファシリテーターに求められる基本スキル

          今回からはファシリテーションにかかるHOWTOについて語っていきたいが、改めてこのマガジン「ワークショップデザイン・ファシリテーションAtoZ」の考え方をおさらいしたい。 ・おさらい(ワークショップデザイナーの役割と求められること)本マガジンではワークショップとファシリテーションを「学びと創造の両輪」として、双方が必要不可欠な役割とし、ワークショップを「場の領域」、ファシリテーションを「人の領域」と位置付けている。 コラム03「答えも道のりも不確定なところから」から引用す

          16-ファシリテーターに求められる基本スキル

          15-ワークショップの組み立て方

          ワークショップのプログラムを考えるにあたって構成要素を「コミュニケーションの関係・環境・構造・方法」として説明してきたが、そういえばワークショップの基本的なプログラムの組み立て方に触れていなかったため、今回、改めて述べる。 ・『ワークショップ―新しい学びと創造の場』(岩波新書) 中野 民夫(2001/1/19) ・『人やまちが元気になるファシリテーター入門講座―17日で学ぶスキルとマインド』ちょん せいこ (著)解放出版社 (2007/02) この2冊で語られていることを

          15-ワークショップの組み立て方

          14-コミュニケーションのデザイン(方法編)

          ワークショップにおける「いつもと(ちょっと)違うコミュニケーション」を誘発する仕掛けとして「関係・環境・構造・方法」の4点あり、今回はワークショップの狙いを効果的に実体験してもらう「コミュニケーションの方法のデザイン」について語っていきたい。 ・コミュニケーションの方法のデザインって?模造紙と付箋、ワールドカフェ、KP法といった道具や手法、アイスブレイクの紹介本に載っているようなアクティビティの数々が「方法」(以下、アクティビティという言葉は”方法”と同意義)に含まれる。

          14-コミュニケーションのデザイン(方法編)

          13-コミュニケーションのデザイン(構造編)。少人数の場合。

          「グループのカタチ、行動のカタチ、言葉の方向性」の3要素の組み合わせからバリエーションを作り、コミュニケーションの構造をいかに豊かにするか、という点を解説しているコミュニケーションのデザイン(構造編)。前回は大人数ワークショップの事例を元に、いかにテンポよくバラエティに富み、グルーヴを作っていくか、という視点であったが、では参加者が少人数の場合でのワークショップではどうしていくか、といったことを伝えていきたい。 ・小人数ワークショップの場合(かつ動きの少ない講座系) 旧来

          13-コミュニケーションのデザイン(構造編)。少人数の場合。

          12-コミュニケーションのデザイン(構造編)。大人数の場合。

          ワークショップ当日をどれだけ豊かにバリエーションを持ったふくらみのあるコミュニケーションするか、といった構造デザインの話をしたい。特に数時間〜1日のワークショップの場合は、作り込みの密度をかなり高めなければならないため、バリエーションを持って考えることが求められる。今回のコラムはそんなプログラムの流れを作り出す話題。 ・3つの構成要素 ワークショップには流れが重要だ。一番の狙いに向けて階段をのぼるよう段階的に構成し、頂きに到達すれば終わりに向かって徐々に降りていく。そんな

          12-コミュニケーションのデザイン(構造編)。大人数の場合。

          11-コミュニケーションのデザイン(環境編-準備ver)

          会場のレイアウトや机の配置などに前回は言及したが、”ワークショップ当日のコミュニケーションを促進させる環境づくり”は、打ち合わせやプログラムの決定、告知、直前準備、本番、クライアントとのふりかえりといったプロセスから気を配れて初めて適切な環境のデザインを達成できるものと考えている。 「コミュニケーションの環境のデザイン」という言葉において、かなり拡大解釈をしているが、こういったコーディネートの範疇もワークショップデザインに含まれていることは強調しておきたい。 (ただ、この

          11-コミュニケーションのデザイン(環境編-準備ver)

          10-コミュニケーションのデザイン(環境編-会場ver)

          ワークショップをデザインするには、いつもと(ちょっと)違うコミュニケーションをいかに誘発するか、という工夫が欠かせない。この”いつもと(ちょっと)違う”へ到達するにあたり、私は「関係・環境・構造・方法」という4つのデザインを心がけている。今回は当日のワークショップのコミュニケーションを促進させる「環境のデザイン」について言及していこうと思う。 ・そもそもコミュニケーションの環境のデザインって?頭を最初によぎったのは机や椅子の配置のことだ。同じ人数でも机や椅子によって感じ方は

          10-コミュニケーションのデザイン(環境編-会場ver)