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国際学会IEEE CCNC2024 ラスベガス レポート①

 修士1年の樋口 綾乃さん、学部4年生 名取 夏輝さんが、2024年1月にアメリカ・ラスベガスで開催された国際学会「IEEE CCNC 2024」に参加しました。第1弾として、樋口さんの体験記からご紹介させていただきます。

まずはじめに、IEEE CCNCとは

 「IEEE CCNC」とは「IEEE Consumer Communications & Networking Conference」の略称であり、コンシューマ向けのネットワークや情報通信技術を扱う国際会議です。近年は1月にCESと合わせてラスベガスで開催されています。

CCNC2024 面白かった!勉強になった!発表はありますか?

 私が面白いと感じたプログラムの一つは、「KEYNOTE FROM INDUSTRY: DESIGNED TO PERFORM」でした。

 この発表では、デバイスが急速に進化しているのに対し、デバイスの評価を行う計測機器の進化が追いついていないことについて話されていました。6Gへの対応など、ますますデバイスが進化することが見込まれている中、計測機器のハードウェア・ソフトウェアをどのように設計し、デバイスの評価にどのように用いるのかが課題となっているそうです。この設計と評価にAIを利用する検討が進められています。

 AIを利用することで、コーディングなどの作業が高速化される利点があるのに対し、AIによる作業は確実に信頼できるものではなく、その作業の信頼性を検証する必要が生じます。この信頼性を検証する手法のうち、最も単純であると挙げられていたのが、起こりうる全てのシナリオに対し正しく動作するかを確認するというものでした。ここで、起こりうる全てのシナリオの検出にもAIを用いることが検討されているそうです。

 しかし、現状、AIが全てのシナリオを抽出することは成功しておらず、AIを用いたシナリオ抽出アルゴリズムの改善が行われているそうです。ここで、AIの信頼性を検証するために、AIを用い、さらにその検証のためにAIを用いる、といったことが繰り返されています。どこかで人間が確認する必要があり、どの粒度で、どこを人間が確認するかといったことが現在検討されているというお話しでした。

 近年、AIは急速に進化を遂げ、普及しています。AIを用いることで、作業が楽になる面もある一方で、動作の確認などは自分で行うといったことが必要です。個人で利用する分には、自身での確認作業も多くなく、大きな手間はありません。しかし、発表で挙げられていたような大きなシステムになると、どこまでをAIに任せるかというのは大きな問題になると感じました。今後、100%AIに任せるのではなく、AIを適切に活用したシステムの普及に期待するとともに、そのようなシステムの内情がどうなっているのかにも興味を持つきっかけとなりました。
発表者:CHARLES SCHROEDER (ナショナルインスツルメンツ)

国際学会の手応えはどうでしたか?

 20人弱の人が発表を聞いてくださいました。人前での英語発表は初めてであったため、大変緊張しましたが、質問内容にも回答することができました。また発表後に、発表を聞いてくださった方に話しかけていただき、その方の研究内容についてお伺いしました。加えて、私の研究内容へのアドバイスもいただきました。

発表時の様子

国際学会の雰囲気はどうでしたか?

 日本人が非常に多く、驚きました。また、各々が聞きたいセッションに参加する形式であったため、人気のあるセッションが顕著に出ていたのが印象的でした。普段の研究会では、近しい分野の発表を聞くことが多いため、ポスターを含め、幅広い分野の研究を聞くことができ、興味深かったです。

キーノート開始時の様子

 ポスターセッションでは、ポスターが複数設置された会場を自由に巡回し、発表者に質問をする形式でした。活発に話し合いが行われていたのが印象的でした。私自身も興味のあったポスターを複数回り、勉強しました。またデモでは、一つ一つ体験をしました。実際に動くものを目の前で見ることで、何が行われているのか分かりやすく、興味深かったです。
 Social Dinner では、会議参加者が自由に着席可能な円卓が用意されており、ステーキなどの料理をいただきました。会議の参加者全員が揃っている場はおそらくこの時のみであったため、参加者の量にも圧倒されました。この場でAwards Ceremonyも行われていました。会場全体が、受賞者を祝福していました。

Social Dinner

ラスベガスで心に残ったことは?

 ラスベガスは街全体が昼も夜も煌めいており、人が常に多かったのが印象的でした。

ラスベガスの空港の様子
べラージオホテル前の噴水

 ラスベガスのホテルはそれぞれテーマがあるようでした。今回の会場兼宿泊したホテルは、フラミンゴホテルという名称で、実際にホテル内にフラミンゴがいました。

ホテルにいたフラミンゴ

 ホテルベネチアンでは、ホテル内にベネチアをイメージした川や建物が立っていました。

ホテルベネチアン内の風景

 ホテルパリスでは、凱旋門とエッフェル塔が立っていました。一つ一つのホテルがテーマパークのようで、大変大きく、ホテルが集まった都市となっていました。今までに訪れた街とは全く異なり、興味深かったです。

パリスホテルのエッフェル塔
パリスホテルの凱旋門

樋口さん、レポートありがとうございました。また、最後までお読みいただきありがとうございます。次回は、第2弾 名取 夏輝さんのレポートをお楽しみに!!



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