見出し画像

国際学会IEEE CCNC2024 ラスベガス レポート②

 前回の記事(https://note.com/nakayama_lab/n/n58c88d743eb1)の第2弾をご紹介させていただきます。第2弾は、学部4年生 名取 夏輝さんの体験記になります。

CCNC2024 面白かった!勉強になった!発表はありますか?

 私は自分の研究で3次元点群を使っています。そのため、3次元点群を使っている研究は、別の3次元点群の使用方法の具体例として勉強になりました。今回の学会では、自動運転の技術に3次元点群を使っている研究がいくつかありました。

 特に覚えているのは、自動運転車に使われるLiDAR(光を使って物体の距離を測るセンサー、3次元点群を取得可能)の視認性を向上させる研究です。事前に作った3次元のモデルとLiDARのデータを合わせることで、リアルタイムにデータの調整ができるようになるとのことです。こちらの発表は、ポスター発表でしたが、ポスター部門の最優秀賞を獲得していました。
タイトル:Calibration of real-time LIDAR data with static 3D image
著者:Yuta Sone, Katsuki Teraoka, Kenta Azuma, Ryoichi Shinkuma, Gabriele Trovato, Koichi Nihei, Takanori Iwai

 今回の論文を書くにあたって参考にした研究では、3次元点群だけを使って物体を検出する論文をいくつか読みました。しかし、今回の学会で見たように、実際に使う場合は3次元モデルと組み合わせることで精度を上げる方法もあることがわかり、とても勉強になりました。また、最近の傾向として、3次元点群だけでなく、3次元モデルも同時に使うことで精度を向上させる取り組みが行われていることも知りました。

 自動運転を実用化した際に発生する可能性がある事故(例えば、人が運転していれば運転手とのアイコンタクトにより歩行者は道路を渡れるか判断できるが、自動運転車ではできないなど)をどのように防ぐのかといったようなことが話されていました。この例では、自動運転車が認識した人のスマートフォンに対して通知を送信するという解決方法が提案されていました。全体を通して、自動運転車と何かの通信に焦点を当て、実用化に向け必要になると考えられる通信についての話を聞くことができました。自動運転に関して、LiDARなどを用いて物体検知をするような論文は、今回の論文を書く際にいくつか読み、知識を少しつけることができました。しかし、今回の公演のように実際に自動運転を実用化した際にどのような問題が発生するのか?といった観点で読んだことはなく、限られた視野のみでしか考えていなかったことを実感しました。今後、実用化した後のことなどいろいろな観点から物事を考えられるようにしたいと思います。
セッション:チュートリアル(TUT-01 THE COOPERATIVE, CONNECTED AND AUTOMATED VEHICLE: DAY-2-AND-BEYOND SERVICES AND THEIR TECHNOLOGIES)
発表者:Claudio Casetti

国際学会の手応えはどうでしたか?

 メインセッションではなく、「work in progress」というセッションに参加しました。(このセッションは、「潜在的な突破口」「業界プロジェクト」「未解決の問題」「新たな課題」「先見の明があるアイデア」「完全な論文にはまだ到達していない研究」「最近の成果」をカバーする内容です。)

 初めての学会参加であったため、非常に緊張しました。また、私の発表のタイミングで会場のプロジェクターが壊れてしまい、急遽ノートPCをお借りして発表を行うこととなり本当に焦りました。参加していた方はとてもフレンドリーで、プロジェクターが壊れて焦っている僕を英語で励ましてくれたことが印象的でした。セッションに参加している人数はメインセッションと比べて少数ではありましたが、発表後には質問とアドバイスをくださいました。大学教授の方からの質問は、私の提案したものへの性能面への深堀りでした。企業の方からの質問は、実用面での課題の深堀りでした。質問してくださった方の所属によって、目をつけるところが変わることを実感し、今後どのような資料を作るべきか大変勉強になりました。

発表時の様子
発表の会場
一番下のWiP 5参加しました

国際学会の雰囲気はどうでしたか?

 驚くほど日本人が多く、いたるところで日本語が聞こえたのが印象的でした。日本の学生も何名か参加していました。休憩時間中は和やかな雰囲気が漂っていましたが、いざセッションが開始されると真剣な雰囲気になり、身が引き締まる思いでした。セッション後は、「質問時間が足りなかった!もっと話を聞きたい!!」とばかりに、むしろセッション中よりも熱く議論されている方たちもいらっしゃったのが印象的でした。

キーノートの様子

ラスベガスで心に残ったことは?

 私は初めての海外渡航でとても緊張しましたが、非常に頼りになる先輩が一緒だったため、無事に帰国することができました。英語は学会参加中の質疑応答は問題なかったのですが、街中の店員さんの英語は速い上になまっていたのか苦戦しました…。また、アメリカの方はものすごく礼儀正しく、例えばエレベーターのドアを開けて先を譲ると「Thank you」、ぶつかったら「Sorry」と必ず言ってくれました。そのため、滞在中で”Thank you” ”You’re welcome” “Sorry”の発音だけはやたらと上達しました。

 コカ・コーラストアに行きました。世界各国のご当地コカ・コーラを飲める” Around the World Tray Flight of 16 Drinks”というメニューを頼みました。いろいろな味があり、飲むたびに驚きましたが、個人的にはベリー系などフルーツフレーバーの味はおいしく感じました。変わり種では、キュウリ味がとても印象的でした。

お土産コーナーに並んでいた色とりどりのコーラ
Around the World Tray Flight of 16 Drinks

 名取さん、レポートありがとうございました。お二人の体験記を読むと、国際学会や開催地ラスベガスの様子が伝わったのではないかと思います。今回の国際学会での体験が、また次の研究に繋がっていくのですね!応援しています!




 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?