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こういう女は騙されやすい!『嘘を愛する女』レビュー

今回レビューする『嘘を愛する女』を、ストーリーを忠実に表したタイトルにすると『愛する人にめっちゃ嘘をつかれていた女』である。

そこで今日は、小説『嘘を愛する女』に学ぶ、「嘘をつかれやすい状況」を解説する。

解説するのは、大学時代に付き合いそうになった人に「ごめん、実は嫁と子供がいるんだよね」と言われて「へーそうだったんだー☆」としか言えなかった、嘘に気づけないお人好しでおなじみのこの私。

その前に簡単にストーリーの説明をしよう。

大手食品メーカーに勤めるアラサー女子・由加利には、無口で優しい研究医の恋人・桔平がおり、同棲生活も5年目を迎えていた。ところがある日、桔平がくも膜下出血で倒れると、医師免許や運転免許証は全て偽造。名前も全くの嘘だと判明する。あなたは、誰……?

それでは、1つずつ解説をどうぞ。

【嘘をつかれやすい状況 その1】街で偶然知り合った

由加利と桔平が出会ったのは、東日本大震災の日。地下鉄が止まり、歩くことを余儀なくされる。それに加え、持病の過換気症候群の発作が出て座り込む由加利を、そこに偶然居合わせた桔平が助ける。

→うーん、いくらドラマチックな出会いでも、共通の知り合いがいない人は、一度疑ってかかるべき。今流行りの出会い系アプリだって、登録するのに身分証やFacebook連携が必要なのだから、慎重に判断を。

ちなみに私の大学時代の場合は終電無くして歩いていたら、「家まで車で送ってあげるよ」と言われたのが出会いでした(知らない人について行ってはいけません)


【嘘をつかれやすい状況 その2】優しくて、いい彼氏過ぎる

桔平が嘘をつかれていたと分かって思い出すのは、初デートで行った恵比寿の居酒屋、初めて家に来た時に囲んだ鍋、中目黒のお花見で飲んだ桜のシャンパン、いつも穏やかで包みこむような優しさがある彼のこと。

→これが「嘘をつかれやすい状況」にあたる理由は2つある。

1つ目は、そんな完璧な人はいないので、疑ってかかるべきだということ。

2つ目は、幸せだと嘘をついている側の人も居心地がよくなって、カミングアウトのタイミングを失ってしまうということ……。これは決して悪いことではないと思うのだが。

だから私は、優しくされると不安になる(こうしてダメンズウォーカーは生まれる)

【嘘をつかれやすい状況 その3】嘘をつかれる人がピュアでまっすぐ過ぎる


「本当の彼が知りたい」と思った由加利は、探偵事務所に依頼。すると彼の所持品の中から、単なるフィクションとは思えない長編小説のデータが見つかり、夫婦と幼い子供が仲睦まじく暮らす様子が描かれていた。小説の描写を頼りに、すぐさま瀬戸内へ。ひとりでレンタカーを借り、「日が暮れるまでに全部回るぞ」と意気込み、条件に合う灯台を一つずつ見て回る。

→嘘をつく人は屈折して疑り深い人が苦手。いろいろ考えを回して、探られたらばれてしまうからである。今まで騙されていたと分かっても、「本当の彼が知りたい」そう思ってしまう、そんなピュアな由加利だからこそ、嘘の発覚が遅れたのではないだろうか。

以上3つ、あなたに当てはまる状況はあっただろうか?

それにしても、「キャリアウーマンなめんなよ」くらいのバイタリティで「本当の彼」を探す由加利には、勇気をもらう。探偵が「調査してわかるのも、五年間騙していたっていう、そのことだけですよ」と言っても、まったく聞かない。走り出したら、もう止められないのである。

結末はぜひ、小説や映画でお楽しみいただきたい。

映画『嘘を愛する女』
小説『嘘を愛する女』

読んだ後に知ったのだが、これは実話をもとにした小説だそうだ。
……と言うことは、そうこれは現実! 単なる小説の中のお話ではないのだ!

あなたは今、嘘をつかれていないだろうか?

編集:円(えん)

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