小学生がポケモンをやりたがるように……
高校生が進路に迷うように……
おばさんがダイエットに励むように……

アラサーとなった私は、結婚がしたい。

結婚願望は、大学時代から人並み以上にあった。

一度付き合うと長く、
生まれながらの恋愛体質な自分は
きっとすぐに結婚できると内心思っていた。

だが、気が付けば友達にもどんどん先を越されている。

なぜ結婚したいのか。

親から課された結婚というタスクを片づけたい。
子どもが欲しい。
結婚や出産は、経験としてライター職に生きるんじゃないか。
好きな人とずっと一緒にいられるという確約が欲しい。
安定・安心したい……etc

女の幸せは人それぞれだが、
この欲望が叶うことが今の私が求める″幸せ”なのだ。

親孝行だったり、不純な動機だったり、
精神的な欲求があったりとなかなか忙しい。
もはや結婚願望がない人がうらやましく感じる今日この頃。

ただ、こうして並べてみると、
結婚することで得られるメリットが多いような気がする。
だからこそ結婚は、人生における人気のアクティビティなのではないか。

先日もそんなアクティビティへの参加を無事に決めた、
女友達の結婚式に行ってきた（言い方が悪い）。

友達の結婚相手は外国人。
外国人との結婚を猛反対する両親を
時間をかけて説得したという強者である。

男側は最初から結婚する気で、
相手方の両親のもとに通い詰めたというのだから、
何ともうらやましい限りである（このご時世でそんな恋愛もあるのか）。

披露宴も終わり、
いつもの仲良しメンバー4人で酒を酌み交わしていると、
それぞれが抱える悩みについて吐露する流れとなった。

メンバーは以下の通り。
大学卒業後早々に結婚し20代にして3児の母親、付き合ってすぐプロポーズされて受けるか悩んでいる女子、5年付き合って同棲中の女子（自分）、彼氏募集中の女子。

彼氏募集中の女子は言った。
「一人は寂しいから、彼氏が欲しい。」

5年付き合って同棲中の女子（自分）は言った。
「私は結婚してもらえるのだろうか。その気がないなら、早めに捨てて欲しい。じゃないと、需要がどんどん無くなるのではないか。」

付き合ってすぐプロポーズされて受けるか悩んでいる女子は言った。
「付き合ってすぐ、心の準備もできていない中でプロポーズされてびっくりした。『転勤で中国に行くからついてきて』と言われて、異国の地で生活をするのが不安。そんなすぐ決められないよー。ずっと178センチの人と結婚したいと思っていたのに、168センチだし。何なら、プロポーズ場所も変な公園で、何が言いたいのかわからなかった……！」

3児の母親は言った。
「夫の仕事が忙しくて、子育てを手伝う余裕がない。毎晩寝る時、両隣とお腹の上に子供がいて、寝返りもろくに打てない。一人が夜泣きしだすと、みんな起きちゃうから、『早く朝になれ』って毎晩思う。あと、こういうのに共感してくれる人がいないのも辛い。試しにネットの掲示板に書いてみたら、『幸せ者が何言ってるんだ』って袋叩きにあった。それに大学出てすぐ出産したから、もっと働きたかった。バリバリ仕事している女の人がうらやましいよ。」

ここまでで気がついた。

みんなはそれぞれ、望んで彼氏と付き合ったり、同棲したり、結婚・出産したりしているのに、一筋縄ではいかないことが多い。

むしろライフステージが進んだことで、闇が深くなる感覚すら覚える。

だから、結婚したとしても、“親から課されたタスクが片付く”だけで、
私が思う‟幸せ”は得られないかもしれない。

だとしたら、ちゃんと訪れるかわからない未来の幸せに期待しても仕方がない。
そうだ！　今をもっと楽しく生きようではないか！

……と理屈ではわかっていても、‟早く結婚したい“と思ってしまう。

‟ライター職に生かせる”とかそれらしいことを言っておきながら
もはや、結婚に憧れているだけなのではないだろうか。

そんな、しがないアラサー女なのであった。

編集：ホン サチ