「かーえーちゃーん」
「なーあーにー」
「あーそぼっ」
「いいよ〜」
　香恵ちゃんはいつもニコニコしてる。誰に何言われてもニコニコしてて、たまに心配になるくらい。でも香恵ちゃんは頭良いし成績良いし強いから喧嘩売られることもないし。でも私はかなりの馬鹿だし親がお金持ちだからそれ理由にいじめられる事もあるし。
「何して遊ぶ？」
「んー、香恵ちゃんのしたい事でいいよ！」
　四月に初めて話したのも香恵ちゃんだし1番仲良いのも香恵ちゃんだし。大事にしなきゃ。
「…夏葉」
「んー？」
「悩んでる事あるなら言いなさい」
「香恵ちゃんお母さんみたい」
　ニヘッて笑って誤魔化してみる。
「はぁ？いいから、何か悩んでるでしょ」
　まあ香恵ちゃん余計怒っちゃったんだけどね。
「えー？そうだなぁ…香恵ちゃんについて！」
　ニッてしてるけど、ちゃんと笑えてるかな。香恵ちゃんみたいに、笑顔になれてるかな。
「私について？何かしたっけ…？」
「んーん！何もしてない！」
「…じゃあ何」
「好きすぎて困ってる！」
　怒るかな…怒っちゃうかな…。でも本当に大好きだし…。
「…っ、夏葉の馬鹿ーー！！」
「えっ、なんで？」
　どうしよう…怒らせちゃった…。
「なんでも何も、嬉しすぎて泣くだろ馬鹿ーー！！！」
「じゃあもっと言ってやるー！」
　良かった。怒ってなかったや。私も、香恵ちゃんみたいに笑えるようになりたいなぁ…。

#短し #夏香 #夏葉 #香恵