1エビデンスについて

3つのエビデンスについて知っておくべき事

テレビ、ラジオ、ネット、書籍、いたる所で「エビデンス」という単語を耳にするようになりましたね。これからもますます「エビデンス」という言葉は耳にするようになると思います。私の記事も「エビデンス」を重視して書いています。今回は私の記事の土台となる「エビデンス」の考え方について説明しておきます。
結論だけ読みたい人は最後の方の【まとめ】を読んでください。

まずは次の本当にあった恥ずかしい話を読んでください。エビデンスについて理解ある人がいたら、仮にも医療従事者である歯科医師がこんな話をしている事に戦慄を覚えるかもしれません。なにが恥ずかしいのか分からなければ、記事を最後まで頑張って読む価値は十分にあります!!

いやもう、ツッコミどころが多すぎて、なにからツッコんで良いのやら状態です(苦笑)この会話が本来どうあるべきだったのか、この記事の最後で分かるように順をおって説明します。

1:とにかくヒトは間違える

ヒトは、とにかく頻繁に間違えます。これは心理学的な話になりますが、科学的にも人間はものすごく間違えることが知られています。例えば、「バイアス」日本語に訳すと「偏見」となりますが、人間はたくさんの「バイアス」にひっかかります。たくさんありますが、有名なところを図にしました。

ああ!あるある!と思っていただけたと思います。まずは「ヒトは間違える生き物である」事を受け入れる事が大事だと思います。自分の経験や判断が「間違っている可能性」この事を頭に入れて置かなければ、それこそ大きな失敗や過ちを犯してしまいます。

2:「エビデンスに基づくこと」

「もっとも謙虚で誠実な姿勢」

ん!?「エビデンス」=「正しいこと」じゃないの?と思われた方もいるかもしれません。私はそうは考えていませんし、医療の世界には「EBM」=「エビデンス ベイスド メディスン」=「科学的根拠に基づく医療」という考え方がありますが、「EBM」でもそのようには考えていません。

「エビデンス」=「科学的根拠」は当たり前ですが、「科学」をベースにしています。その土台の「科学」も常に正しいわけではありません。「科学」を信じるという意味では、科学も一つの宗教と言えるかもしれません。
「じゃあ、だめじゃん」って思う人もいるかも知れませんが、私達が今この記事を空調のきいた環境で、ネットで読んだり、コメントしたりすることが出来るのも「科学」のおかげです。「科学」が「すべて」とは言えませんが、非常に有能なのは間違いありません。特に「科学的」という考え方の中には「再現性」というものがあります。「再現性」=「おんなじ条件なら同じことが起こること」はとても重要で、この性質のおかげで、他人の経験や他人で行った実験結果が参考になるわけです。

まとめると、「科学」は「かならず正しい」わけじゃないけれど、人がコミュニケーションをとる際に、「もっとも謙虚で誠実な姿勢」とは言えると思います。自分の考えや意見が間違っているかもしれないから、「科学」をよりどころに、相手との情報交換をするわけです。もっとも信じられている世界共通言語みたいなもんですね。

3:エビデンスにはレベルがある

エビデンスにはレベルがあります!一応色々なレベル分けがあるのですが、EBMの場合で話します。レベル1が最高で、レベル6が最低です。最低というと響きが悪いですが、「エビデンスレベルが高いね」「エビデンス低いね」という使い方をするので、最低と言ってしまいました(笑)レベル6でもないよりはマシだと思いますよ!レベル1の論文とレベル2の論文があったら、レベル1の論文の結果のほうが信頼性が高いわけです。私の勝手なイメージですがレベル1が「強く」て、レベル6が「弱い」イメージです。なぜかカードバトルのイメージがくっついて離れてくれないんです。
ということでレベル分類です。

テレビとかでよく見かけるのはエビデンスレベル6「専門家個人の意見」ですね。私の記事でも私の意見はエビデンスレベル6ということにしておいてください(笑)出来ればレベル1の論文ばかりを紹介したいのですが、レベル1の論文は論文を出す難易度が高いので、ポンポンは出てこないので、ご容赦を。

では以上をふまえて、最初の会話がどうだったら良かったのか見てみましょう。

情報の「でどころ」をちゃんと調べたら、AさんとBさんで意見の対立も起きませんでした。その上、根拠があるから、患者さんにも情報提供できますね。
もう一つ具体例を。まずは「恥ずかしい」会話から。
会話で出てくる「P検」=「歯ぐきの検査の一つ」と思っておいてください。

〇〇先生の経験 VS 〇〇先輩の経験 になってますね(笑)
ここまで読んでくださった方からすると、「うわぁ~残念だなぁ」と思っていただけると思いますが、本当に残念ながらこんな会話よくあるんです。
ではどうあるべきか。

このようにエビデンスの重要性がわかっていると、①論文を調べる②論文を読んで比較したり、本当か疑って考える③患者さんと話し合ってどうするか決めるという流れになります。せめて医療現場ではこうありたいと思います。

【まとめ】

1:とにかくヒトは間違える
2:「エビデンスに基づくこと」=「もっとも謙虚で誠実な姿勢」
3:エビデンスにはレベルがある
この3つが知っておいてほしいことでした。

私の記事が最後の例のように情報交換の足がかりになれば幸いです。

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