エモクロア単発動画投稿記念の備忘録
△スチルの顏だけ切り取ってロゴと並べると映画のポスターぽい気がする
伊織弓鶴のエモクロアを公開しました。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm39112595
単発のTRPG動画を作ったのは初めてだったので四苦八苦した。反省が多い。
これは今後同じ苦しみを味わわないための個人的な反省会および感想の殴り書きです。4000文字弱あるから気をつけてね。
・初コンテスト参加作品だった
aiコンテスト2021応募作品だったので、琴葉姉妹と弓鶴しか使えない、金銭が発生する可能性があるので使用素材が限られるといった制約があった。
その上発表されたのがかなり遅く、制作時間が足りなかった。
ボイロTRPGと琴葉姉妹から始まった動画投稿だったので、どうしてもTRPG動画で参加したかった。
推しシステムを広めるにはTRPG自体を知らしめるのが先だということにやっと気づいたのである。
それにはこういう機会に積極的に顔を出さないといけないなと思った。
(あと、ボイロTRPGをコンテストに投稿したという実績が欲しかった。
実績解除、したいじゃん? 俺はしたい)
というわけで、超特急でシナリオとPCを用意しセッションをして動画UIと立ち絵を作って動画をこしらえ投稿した。
・気をつけたこと
1、期限に間に合わせること。
2、動画時間を抑えること。
3、VOICEROID3人分しか使えないので、NPCを極力出さないこと。
4、コンテストの規約に違反しないこと。
5、人をあまりにも選ぶ表現(エログロナンセンス)は避けること。
・気をつけなかったこと
1、ルール説明(してると動画時間足りないので)
2、調声
3、冒頭のスピード感(最初15秒でひきつけるのがセオリーだろうけど、どうしてもあのノベルゲーム風の演出をしたかった)
・システム選択
エモクロアを選んだのは、コンテストに出せそうなのがエモクロアだけだったから。
それ以上の理由はないんだけど、エモクロア自体は触ってみたらけっこうおもしろかったので普通におすすめしたい。
エモクロア、実はずっと食わず嫌いでなんとなく避けていたシステムだった。
最初期にルルブざっくり読んで「……で? 何するゲームなんだ?」ってなってしまったのが食わず嫌いの要因の一つなんだけど、
陽キャがみんな君の名は。を見ているからまあいいかと思ってしまうアレでもあった。
下心と打算満載で触ったシステムだったけど、思いの他上手いシステムでこれはいいなと思った。
ココフォリアを併用すれば、ルールパートを読む必要がないレベルで簡単だ。サポートがしっかりしていて、サイトの構成も素晴らしい。
CoCを嗜んでいる人は触ってみて損しないと思う。
・収録方法
今回、GM(DL)が情景描写をした後、PLがPC目線で描写し直すという方法でセッションを収録した。
これによりセッションログはPC目線の物語となっている。
△収録も編集も大変すぎるし大変すぎるので、この方法はおすすめできない。
変わった方法で収録を行ったのは、名倉特有の「よし! できるからやろう!」って急にトチ狂って暴走してしまったやつではなくて、それなりにちゃんとした考えがあった。
1つは、動画時間をできるだけ短くするため。
コンテストに参加するなら前後編に分けることはできない。
できれば15分以内、長くても20分以内にすることは最初から決めていた。
そのためにやり取りをできるだけ抑える必要があった。DLとPLのやり取りなんか映している暇はない。
もう1つは、劇場感を強めるため。劇場感を強めることでTRPG知らない人にも楽しめるようになるのではないかと思った
しかしこれには失敗している(後述)。
・動画のコンセプト
以前こんなツイートをしたことがあるんだけど、今回のコンセプトはまさにこれ。
何の能力も持たない、一人の一般人が主役の動画を一度作りたいと思っていた。
フタリソウサの探偵は言わずもがな助手も一人ではないし、ブラッドパス世界の人間は吸血鬼の存在を知っているだけで選ばれし者と言えなくもない。
CoCの探索者も実は一定の素質/才能が必要だよみたいなことがルルブに書いてある(あったはず。確認してない)なので、本当にただの一般人なのはエモクロアの共鳴者だけなんだ。
怪異と遭って帰ってきても事情や状況が変わるわけじゃない。
今回のPC矢鶴くんが最後に救われたように見えるのは、彼自身が変わったおかげであって、彼が置かれている環境自体は基本的に変わっていない。
「セッションはPCのささやかな成長譚である」と言ったのは誰だったか。とにかく、今回の動画はすべては日常の延長にあるという前提の上に成り立っている。
・PCについて
いつもの収録でPCについて俺から属性を指定することはあまりない(かぶらないようにしてくれと頼むことはある)んだけど、今回は別。
がっつり動画用に「こういう子が欲しい」と発注した。
人外系伊織と守りたい可愛い系伊織は別の人がやるだろうと思っていたので、かぶらないようにただの男の子(ただし彫刻技能は巨匠レベル)にしてもらった。
△ステータス画面。デザイン気に入ってるけど、よく見るとHPとMP欄がない。
譲(伊織と水奈瀬のフタリソウサ探偵PC)の中の人に人外やらせると確実に動画時間が延びるので、それを避ける狙いもあった。
伊織の人間PCいつも金なくて世知辛いな。なんでだろうな。
矢鶴くん見てると苦労してる知り合いの息子を見ている気分になる。可愛いと思います。
一見優秀な共鳴者に見えるがそうでもない性能をしているのが気に入っている。
セッション直前まで、伊織をGMにして琴葉姉妹をPCにするか悩んだ。
琴葉姉妹が2人で危機を乗り越える方がみんな好きだろうなと思ったし、俺もそれはそれで見たいと思った。
が、登場人物が増えると会話が増えるので、動画時間を考えるとPCを一人にせざるをえなかった。
他のVOICEROIDでNPCを出せないという制約もあった。
自由にNPCが出せないのは予想以上にキツかった。失って初めてわかる君(NPC)の大切さ。
・画面構成、UIについて
嘘を吐くな。
……とにかく時間がなかったから軽めの編集にしたかった。
だからノベルゲーム風にしたけど、ぜんぜん編集コストは下がってない。
途中から「これ面白いのか症候群」に陥って崩壊し、急に画面を動かし始めたせいだ。
△序盤はわりとノベルゲームしているのだが。
とくにシリアスな場面は画面が単調になりがちで……。
だめだね。一回決めたことは貫き通せ、名倉よ。
制作中もコンセプトがぶれていることには気づいていて、どうにか違和感をなくすためにノベルゲームのアニメ化を意識して作ったつもりでいる。
そういうアニメもゲームも触ったことないけど。
……やはりシルエットや小物を多用する編集スタイルのほうが楽だ。
今見返すとアニメ風の編集でレベルの低さが露呈している。時間がなかったとはいえもう少し凝れただろと思うところもある。
雰囲気だけでゴリ押そうとするな。悪い癖だ。
・一体どこ向けの動画なんだ
ノベルゲーム風にしたのはいいけど、結果として劇場としてもボイロTRPGとしても中途半端になってしまい、誰得な動画になってしまった。
ただでさえしっとりシリアスは難しいというのに……。
これは俺の料理の仕方が悪かった。
地の文を省いて劇場一直線にするか、地の文をDLの葵ちゃんに読ませるor文章の表示のみにしてボイロTRPGにするか、どちらかにするべきだったかもしれない。
地の文はもう少し削っても良かったなと終盤で思ったんだけど、修正が間に合わなかった。いい塩梅に地の文残すのは難しい。
もっとざっくり削るべき、と動画を作るたびに言っている。全体的にもっとテンポあげていい。
・全体の雰囲気作り
月夜の晩、海辺で美しい少女と出会うというのが決まっていたので、全体的に暗めの青い画面にしてある。
具体的には、いつもの円グラデーションで画面端ほど暗くなっていくようにしてあるのと、人魚ちゃんには強めのライト(逆光)をかけている。
途中からは埃みたいなもよもよも画面全体に入れてある。
△エロゲのスチルっぽいと言われた。わかる。
それから、むやみやたらとBGMをかけず、矢鶴くんと視聴者が海の音が共有できるよう気をつけた。
矢鶴くんの共鳴レベルが上がるにつれてだんだん画面が青く、ぼやけたようになっていくのがお気にいり。
妹に心配されている時、心配かけないように、あるいは夢見心地でへらっと笑うところは、矢鶴くんの”らしさ”が出せたのではないかと思っている。
△妹に怒られてぺよぺよしてる矢鶴くん。周囲に心配かけないよう振る舞うのが癖になってそう
《怪異》の影響を受けて意識がぼんやりしてしまっているので、数字や時間もだんだんわからなくなっていく。もう少し丁寧に描く(動画)時間があれば、妹と人魚の見分けがつかなくなるような演出もしたかった。
この辺りはもう少し長い動画の方が映えただろうから、いつか使いまわしたい。
・反省会終わり
反省すべき点もあるし、だいぶ出来が甘いけど、とりあえず間に合ったことはとてもえらい。
実績は解除されました。たぶんレベルもあがりました。次の名倉はもっとうまくやるでしょう。
やっぱりTRPG動画作るのは楽しいな。
お借りしたVOICEROID立ち絵:のくな△様 柳結晶様 ユメのオワリ様
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