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谷川岳・馬蹄形縦走⑤【完結編】 黄金の馬蹄

10月9日、火曜日。

4時50分、蓬ヒュッテ。

各々起床し、荷物をまとめたり、朝食を摂ったり始める。

 

1つ発見。

実は昨夜は、お一方、ブルドーザーのようなイビキの方がいらっしゃいました。

普段なら少しイラッとするかも知れないけど、いやー、山って不思議、山中孤独だからか一緒に夕食を囲んだからか、人に対して不快な気持ちがまるで涌かない。

道は違えど、歩みは違えど、同じ苦難を共有する仲間なんです、そこは。

「いや、なんか素敵やん。泣けるやん。」

そら、紳助兄やんのものまねもでるわ。

そんな、蓬ヒュッテ早朝の様子。

気温も寝心地も快適、がっつり7時間ほど熟睡。

各々、お気をつけてと声を掛け合って出ていく。 

一期一会。

 

 

5時15分。

昨夜、撮り忘れた蓬ヒュッテ入口。

気になる天気の方は、と。。。

 

 

・・・

 

 

快晴。

雲海のあまりの美しさに、同じ時間を共有する者たちが立ち尽くす。という。泣けるやん。

この景色だけでも、今回の縦走の価値あり。

 

さて、実は昨夕、武能岳を超えた辺りで所持していた水2.3リットルを使い切り、以降水を一滴も飲んでいない。

カレーは飲み物。

という格言がありますが、あえて言おう。

 

カレーは食べ物。

 

この蓬峠には、水場があるので汲みに行きます。

徒歩10分。

ドラクエの地名のような水場発見。

山の岩清水、マジでうまいっす。生き返る。

はい、復活。

大切に飲まねば。

 

 

6時。

お世話になった皆さんにご挨拶し出発。

今日はまず、あの朝日岳を目指す。

太陽が顔を出す。

朝日を受けて輝く稜線。美しすぎる。

山肌にも陽の光が降り注ぎ、黄金に輝く。

馬蹄の外側には雲海。

昨日とはうって変わって歩む道がくっきりと。

 

 

さて昨日、個人的に一番の難所だった武能岳。

そのピーク直前に不思議な出来事に遭遇しました。

登頂直前に2cmくらいのカエルが、急に何匹も現れて、まるで先導するようにピョンピョンと跳ねだしたんです。

そうこうしているとモヤモヤの中に武能岳のピークが現れて、無事登頂したという、小生はこれを『竜宮城現象』と勝手に名付けたのですが・・・

 

この時、まさに同じ種類のカエルが現れて、もてなし始めたのです。

するやいなや、登頂〜!

いや、なんなん、この現象(笑)

標高が高いところに生息するカエルか?🐸🐸🐸

 

まぁ、悪い気はしないのでこのまま進む。

馬蹄の内側。

昨日登った谷川岳山頂付近は依然モヤモヤ。

朝日岳山頂付近もモヤモヤ。

馬蹄の外側には、越後湯沢の町が見える。

朝はわりかし、30分に1回くらい人とすれ違う。

写真は年配の方5人組の登山者。

荷物からして2泊3日だろうか?スゴい!

見知らぬ人と挨拶をし、互いの無事とこの先の情報交換なども登山の醍醐味。人が暖かい。

 

そういえば、同じ頃トレイルランナーが追い抜いて行ったな。

ナップサックくらいの荷物しか持ってなかったが、何が入ってるんだろう?

替えのパンツとバナナかな。

 

なんて、思いながら進んでいると・・・ッッ!!

こ、コレはッッ!!

・・・竜宮城ジャックポットの予感・・・。

いやいや、カエル🐸じゃないし。🐌だし。

そうそうジャックポットが来るわけ・・・

キタァーーーーッッ!!!!!

いや、なんなん、ホンマ(笑)🐸🐌🐸

朝、8時。

朝日岳前のチェックポイント『清水峠』到着。

朝日岳まで2時間あるので、ここでしっかり休憩&腹ごしらえ。

しまった・・・またカレーや。

ドライやけどね。

 

 

と、食事をとっていると。。。

バタバタバタバタバタ・・・・・・!!

 

「カサッカ・・・!」(Ka-60戦闘ヘリ)

 

と、ソリッド・スネークばりに近づくヘリの音を察知。

救助ヘリでした。ですよねー。

 

実は清水峠には、先客がいらっしゃったのだが、どうやら足首を骨折されたらしい。

集中してても、事故はつきもの。

自分も気をつけて山行を続けよう。

珈琲飲みながらカサッカを見送るワシ。

 

さて、朝日岳に向けて先に進もう。

このあたりが一番紅葉していた。

1歩また1歩と風景が変わる。

景色が良いと疲労も感じない。

秋晴れ。空の青が濃い。

たまには際どい稜線もありけり。

む・・・。

いやいや、考えすぎ考えすぎ。🐸🐌🐸

たまに池や湿地帯もあり。

朝日岳山頂直前は、木道になって歩きやすい。

少し曇ってきた。

朝日岳登頂〜!

雲がかかっているが、景色はとてもよい!

さすがは三百名山が1座。

 

しかし、けっこう時間がかかった・・・。

この時点で予定より1時間以上遅れている。

少し休憩して先を急ぐ。

左側だけ雲がモクモクと湧き立つ。

本格的にガスってきた・・・。

笠ヶ岳登頂〜!

うぅ、午前の景色が見る影も無くしてしもうた。

ここは間髪入れずに先へ進もう!

 

この辺りまで来ると、もはやすれ違う人もなく。

再び孤独の山行。

『咳をしても一人』という、9文字の中にヒタヒタまで孤独感を詰め込んだ尾崎放哉の有名な句に肖り・・・

『屁をこいても一人』

と詠んでみたものの尾崎放哉には敵わず。

屁も出ず。

白毛門登頂〜!

依然、モヤモヤのなかで景色は撮れず。

しかし!

この白毛門で、今回の縦走の山という山は全て攻略した!

あとは安全に下山するのみ。

 

と思った矢先。

この先が今回の縦走最大の超難所・・・。

これ、越えたあとだけど、上の岩場が、足のふみ場が20cmくらいしかない鎖場で、ホント鎖に捕まりながら命カラガラでした。。。

登山開始から、滑落したら即死って場所ばっかりだったけど、流石にここは足がすくんだ。。。

それを過ぎれば・・・

いよいよ小高き山の向こうに建物(ロープウェイ乗り場など)が見えてきた・・・ッッ!

うおー、帰ってきたぁ!!

 

しかし、この下りの道程は余りにも長く、しかも思いのほかハードで、結果・・・

17時30分、山中にて日没を迎える。

いや、マジで不安になった・・・。夜山こあい。

ヘッ電の灯りを頼りに進むこと30分・・・。

なんとか土合駅到着。よかったぁ〜。

 

 

これにて、谷川岳・馬蹄形縦走コンプリート!

最後は半遭難状態でしたが、暖かい方々と出会い、素敵な景色に囲まれ、登山の奥深さを更に感じる素敵な冒険でした。

しかし、やはり自分の身の丈以上の登山だと痛感。

登山地図のタイムより2日間で4時間くらい遅れた。

もう少し難易度を下げた登山で修行を積んで、また挑戦したいな。

では。

お疲れ様でしたー!!

 

【Result】

・谷川岳(群馬/1963m/日本百名山)登頂

・朝日岳(群馬/1945m/日本三百名山)登頂

・谷川岳・馬蹄形縦走(時計回り)
 (ぐんま県境稜線トレイル谷川エリア)達成

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