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【イベントレポ】人生とキャリアの両立と、マネジメントへの向き合い方【IWS#4】

#IWS トークセッションはまだまだ続く。
4部は女性管理職として活躍されるお二人のお話。

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正直、自分が女性管理職になる未来を想像したことは今までなかった。
「なれるわけがない」「向いてるはずがない」と決めつけて、真剣に向き合ったこともなかったように思う。

しかしお二人のお話を聞いて、管理職へのイメージが変わったような気がした。
そんな私の気持ちの変化を、みなさんにもシェアできたらと思う。

管理職という選択肢

今回のトークセッションのゲストはお二人。
株式会社GENDA代表取締役社長で、雑誌『VERY』の専属モデルとしてもご活躍中の申真衣さんと、株式会社DECENCIA代表取締役社長の山口裕絵さんだ。

アメリカの大手金融機関と、新卒で入社した大手化粧品メーカー。
それぞれの場所でキャリアを積み上げてきたお二人は、どのような経緯で女性管理職という働き方を選択をするようになったのか。

★チャンスを掴み、一歩踏み出す

35歳というタイミングで、課長への承認試験へ挑戦する機会を得たという山口さん。
キャリアと家庭の両立に心理的ハードルを感じ、当初は昇進したいという気持ちはなかったという。
しかし、パートナーの方から「子どもがいない今だから、自由に挑戦できるという幸せもある」と後押しされ、女性管理職としてのキャリアをスタートさせた。

一方申さんは、日系企業ほど昇進ルートがはっきり見えないアメリカの企業文化に、自身のキャリアパスを描けずにいたという。
そんなときに、信頼している先輩から「この先のキャリアをどう考えてる?」と声をかけてもらい、今がチャンスだと感じ取って昇進意欲を伝えたという。

それぞれの背景は異なるけれど、一つのきっかけを前にして一歩踏み出した経験が、管理職としての一歩につながったのだ。

★メンバーとのコミュニケーション

管理職として部下とコミュニケーションをする際、山口さんが心がけているのは、一人ひとりの人となりを観察し、指示を自分ごとに消化してもらった上で動いてもらうことだと語った。
また、「なんでも相談してね!」と伝えたとしても、なかなかその人の心を開くのは難しいと感じており、心理的距離を埋めることを心がけているという。
社長という役職以前に、メンバーの延長線上にいる存在として、自身の失敗談をシェアしながら、信頼関係をより強固にできるようにしていると話した。

申さんは、指示をタスクやTO DO化させず、部下自身が考えながら仕事を進められるように意識しているそう。
コミュニケーションにおいては、YES/NOでは答えられないようなクエスチョンを提示したり、皆で仮説を立てて検証していくなど、それぞれの自主性を大切にしていると話した。

加えて山口さんは、部下と円滑なコミュニケーションを取るために、まずは自分の意見を伝えて相手からも広く意見を聞く姿勢を大切にしているという。
あちこちで多様性というものが叫ばれ、組織のあり方も多様化している昨今。
会話の中でお互いの意見を積極的に交換しあい、自分と相手の意見の立ち位置を確認しあうことで、信頼関係を築き建設的な議論ができるようになると話した。

★管理職も失敗することはある

ご自身が上司として立つことを快く思わなかったメンバーとの関係性について、申さんは頭を悩ませたことがあったという。
適切なコニュニケーションを模索しながら、「北風と太陽」をキーワードに、反発するメンバーが活躍できるようにどうすればいいか考えたり、トラブルのフォローをしっかり行うなど、心を開いてもらえるよう尽力された。
うまくいかないこともあり、周囲が羨ましいと感じることもあったが、キャリアは長距離走、長期的な目で向き合っていこうと自分に言い聞かせ、キャリア形成に努められたという。

山口さんは、自身が中間管理職として、上と下に挟まれる立場だった頃のことを振り返り、「上からの指示だから」「数字を取らないといけないから」というコミュニケーションの仕方が失敗だったと振り返る。
立場が上がることでたくさんの情報に触れることになるが、なぜ今これをしなければならないのか、自分の言葉で咀嚼してわかりやすい目標に置き換えることで、部下のモチベーションアップにつなげたという。

★お二人の思う女性管理職とは?

お二人のお話を伺いながら、「敏腕社長!ってイメージがあった方でも、最初の一歩があって試行錯誤を繰り返しながら今の姿を手にしているんだ」と理解が深まっていった。

そんな私の気持ちを後押しするように、申さんは「起業も職業選択のうちの一つ」だと、とても心強いメッセージをくださった。
今の日本においては、キャリアにおける女性の活躍はまだスポットライトを当てなければならない段階。
そのため管理職としてのロールモデルを、「女性」に絞って探してしまう方が多いが、性別は関係なく、仕事のスタイルでロールモデルを探すことを教えてくださった。

重ねて、山口さんも「あんなふうになりたい!」と思う姿の人物が実在しなくても、架空の存在でもいいから描ければOK!と背中を押してくださった。
さらに、社長の業務内容に定義はなく、なんにでも挑戦できる立場だからこそ、専門分野も増え、さらに人と出会う機会も格段に増えるため、成長実感を強く感じることができると熱弁された。

女性管理職、実は楽しい……?!

最後に、「ビールを美味しくするのが仕事!」と明るく申さんは語られ、それがものすごく印象に残った。

会社員としてお仕事をしていたときの自分を振り返ってみる。
責任感やプレッシャー、ストレスなどに常に追い回されて、退勤後も明日の仕事のことを考えて憂鬱なまま夜を過ごし、朝を迎える。
週末を待ち焦がれながらなんとか平日の仕事をこなし、日曜日には夕方のアニメを見ながらまた明日へのストレスに悩まされる。
これが社会人なのだと思っていた。

確かに大変なこともある。
トラブルも往々にして発生するし、その度に緊張感で額に汗が滲むような瞬間もあるだろう。
でも、そんな要素があってこそ、人生って面白いんじゃないだろうか?

私は今、細々とだがフリーランスとしてのキャリアを歩んでいる。
サラリーマンだとしても、個人事業主だとしても、あるいは会社のオーナーだとしても、自分の人生をより楽しいものにするために、どんな働き方をするか?
もっと気軽に多くの道を選択できるような認識が世の中に広がっていったら、日本社会はさらに活発になるのではないか。
そしてその中の選択肢の一つとして、女性管理職がより身近なものに感じられる日は、そう遠くはないと実感したのだった。




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