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陣痛促進を使うと、自然陣痛より痛くなる?


陣痛促進剤というと、
「痛みが強そう」
「なんとなく怖い」
といったネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
陣痛促進とはどのようなものなのか、どんな時に使うのかなど、出産前に基本的なことを学んでおくと安心です。
ここでは陣痛促進について詳しくご紹介します。


1.陣痛促進ってなに?

陣痛促進剤は陣痛を強くして、スムーズな出産をサポートするための薬で子宮収縮剤とも呼ばれています。
薬の効果により人工的に子宮の収縮を促し、安全に出産を目指します。
陣痛促進剤の使用には、産婦さん本人の同意が必要で、同意なしに使用されることはありません。


2.どんな時に使うの?

陣痛促進剤は、誰でもいつでも使うわけではありません。
どんな使われるのか、チェックしておきましょう。

①微弱陣痛が続く場合
もっとも使用されるのが、陣痛がきているのに微弱なものが続き、分娩が長引くと判断された場合です。
長時間にわたる分娩は、ママの体力はもちろん、赤ちゃんの体力も低下してしまい、心拍が弱くなってしまうことも考えられます。
そうなる前に陣痛促進剤を使用し、ママと赤ちゃんを守ります。

②予定日を超過した場合
出産予定日を超えても陣痛がこない場合にも、陣痛促進剤が使われます。
妊娠41週までは正期産のため、予定日を1週間過ぎた時点ではまだ正常の範囲内です。
妊娠42週を過ぎると過期産と呼ばれ、胎盤の状態が悪くなるリスクが高まります。
なるべく早く赤ちゃんをお腹の外に出すために、陣痛誘発の目的で促進剤を使います。

③前期破水した場合
通常、陣痛が始まってから破水しますが、中には陣痛の前に破水してしまう「前期破水」のケースも少なくありません。
破水をしてからしばらく時間が経過しても、陣痛が起こらない場合、陣痛促進剤を使用して分娩を促します。

④無痛分娩の場合
最近は無痛分娩を希望する人も増えています。
この場合、出産する日を前もって決めて出産をします。
計画分娩で陣痛を誘発するために、陣痛促進剤を使いながらお産を進めていきます。


3.促進剤にはどんな種類があるの?

陣痛促進剤には「プロスタグランジン」と「オキシトシン」の2種類があります。
どのような違いがあるのか、見ていきましょう。

プロスタグランジン

プロスタグランジンは、点滴と経口薬の2種類があります。
プロスタグランジンには、子宮頸管をやわらかく熟化させる働きがあるため、子宮口が硬い人に使われることが多いようです。

オキシトシン

オキシトシンは、「幸せホルモン」と呼ばれているホルモン。
このホルモンには子宮を収縮させる働きがあり、陣痛が始まると脳から出産を促すために、大量に分泌されます。
しかし、陣痛が始まってもお産が進む陣痛が起こらないこともあるため、子宮を収縮させてお産を進めるためにオキシトシンを投与します。

どちらを使うかは医師の判断

陣痛促進剤は、医師が使用したほうが良いと判断された場合、産婦さん本人の同意のもと、使用される薬です。
産婦さんや赤ちゃんの状態を見てどちらを使うか判断するため、産婦さん本人が薬の種類を指定することは難しいでしょう。
陣痛促進剤を使うことに不安がある人は、健診のときに詳しく話を聞いてみるといいでしょう。


4.促進剤を使うと痛みが増す?

陣痛促進剤を使うと、使わない場合よりも痛みが強いという話を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
「痛みが強いなら使いたくない」
と思ってしまいますが、実際はどうなのでしょう。
気になる陣痛促進剤の痛みについてご紹介します。

①医学的根拠はない

陣痛促進剤を使うと、自然分娩よりも痛みが強くなる、といわれることがありますが、実はこれには医学的根拠はありません。
陣痛促進剤は陣痛が弱いために使うものですから、促進剤を使って痛みが出てくるのは当然のことです。
痛みの感じ方は人それぞれのため、陣痛促進剤を使ったほうが痛い、とは言い切れないのです。

②痛みに慣れてないことが原因のことも

一般的な陣痛は、生理痛のような軽い痛みから始まり、徐々に痛みの間隔が狭くなると同時に痛みも強くなります。
しかし陣痛促進剤を使った場合は、比較的急激に強い痛みがくるといわれています。
徐々に痛みが増すのとは違い、急に強い痛みがくるのが陣痛促進剤の特徴でもあります。
陣痛の痛みに慣れる前に、本格的な陣痛がきてしまうため、
「陣痛促進剤を使ったほうが痛い」
といわれてしまうのかもしれませんね。


5.まとめ

「陣痛促進剤はできれば使いたくない」
と思っている人も少なくありません。
陣痛促進剤を使うと、陣痛が急激に進むため、痛みに弱い人にとってはちょっときついかもしれませんね。
しかし陣痛促進剤は、赤ちゃんはもちろん、ママの体も守ることができる大切なものです。
出産前に医師に確認するなど、陣痛促進剤の正しい知識を学んでおくと安心です。


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