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Bを救うためにAと走り回って、CとDとEとFなんならGも巻き込んだ話。

ちょっと長いです。
これは今日起こった話なんですが、びっくりしすぎて濃い1日だったので書くことにしました!ヘッダーはそんなBのイラスト…。

八重歯があってかわいいんだけど、今春歯科矯正を始めたB↓

そして今回一緒に奔走したA↓


わたしは3月に5年務めた場所を退職した。
入職当時は同期が5人いて、わたしより先に2人が辞め、わたしが辞めて、残り2人がいまもその場所で頑張って働いている。

わたしは同期らに苦楽を共にしたかけがえのない仲間感が強いので、基本は何かあったらすぐ駆けつけるね!みたいなモチベーションでいる。結構暑苦しくて。

わたしが退職した職場でいまも働いている2人をA,Bとする。

Aは割とかまってタイプなので、絶えず連絡を取っている相手なんだけど、朝Aから仕事終わりに『Bが珍しく仕事来てなくて、遅刻だと思うんだけど連絡つながらないんだよね』と心配そうにしてるLINEが来た。

『B,昨日遅くまで飲んでて遅刻とかじゃん?』とひとまず私は答えた。

職場は9時就業開始だったけど、10時をすぎても11時をすぎてもBから折り返しの連絡がないので、私とAは急に心配になって『え、、、何かあったわけじゃないよね〜???』と2人でハラハラし始めた。

でもこのご時世、一人暮らしで倒れててそのまま死…なんていうのもあり得る話で、私の元職場は管理者のマネジメント不足によって次々と離職者が増え、またたくまに人手不足になって今年度を迎えた部署なので(私が退職したのはまた別の理由です)、本来あるべき週休さえまともに消化できないようなシフトで皆疲弊しながら働いているらしいことを聞いていた。

週休さえまともに消化できていないんだ。
そりゃあ疲れから過労で倒れてる場合だって十分に考えられる。私は結構怒っていた。

職場を離れたいま、人手不足だから週休が十分に取れないという現象がありえないということにやっと気づいた。そこに今気づくのかなり遅いし、感覚が変だったんだなと今では思う。以前は大変だけどみんな頑張ろう…精神だったけど、今となってはそんな人手不足になるような場所は一度ぶっつぶして立て直しでもしたほうがいい!というくらい怒っている。退職した今は全く関係ない話だけど。

そういうことで、Aと話しているとBの音信不通の欠勤にはまさかがありえるのでは?という話になり、B宅が近いので自宅訪問することにした。

自宅訪問するにあたり、まず問題が発生。AもわたしもBの住んでいるエリアは知っているものの、部屋番号はおろか住所も知らなかったのだ。

『え…やばい』2人してそう言った。

私たちの職種は入職してある程度の年数までは職員寮に住んでいることが多く、AもBも職員寮に住んでいた。かつてのわたしもそうだった。だけど3人とも違う職員寮だったので、Bの住まいが分からず速攻で詰む。

その間にも時間は刻々と過ぎていき、時計は正午を迎えようとしていた。Bはマイペースなところがあるけど勤務態度自体は問題なくて、そんなBが就業開始の9時に出勤せず、連絡もつかなければコールバックさえない。それは異常事態なのでは?と私たち2人はいてもたってもおれずにいた。時間は10時を過ぎ、11時を迎え、12時に差し掛かっている。

Bになにかあったんじゃないか…。
わたしはAと凄く不安になっていた。
Aに至っては朝方に仕事を終えて、これから帰宅するところだったというのにBが心配でわたしに泣きついてきた。『Bに何かあったらどうしよう〜』って、すごくいいやつなんだ。
ちなみに私たちの職業は看護師です。


私はAと手分けして、ひとまずAは退勤した職場に逆戻りしてなんとかBの住所を手に入れようと走り、私はかたっぱしからBのことを知っていそうな友人・知人に連絡をし始めた。

まずBと仲がいい多部署のCに連絡。
Cは丁度きのうの夜Bと連絡を取ったという。先の遊ぶ約束をしてて、お互いに電話をし合いながら22時ごろにスケジュールを立てていたと話した。『だから、飲みに出かけてたとかじゃないと思うよ!きっと家に居ると思う。』と、Cも心配し、自分もBに連絡を入れ続けるのでなんとか自宅までたどり着いて欲しいと言われた。CもBの自宅には遊びに行ったことがないらしく、同じB宅に住む知り合いもいないということだったので、やはりBの職員寮は分からないままだった。

次に後輩のD・Eに連絡。
Dと私はもともと同じ寮、2つ隣の部屋に住んでいたとても仲がいい私の後輩だった。私と違ってパリピ気味で交友関係が広そうだったので、すぐに連絡してBの職員寮の住所を知らないか確認を取った。
ーーーー結論からいうと、Dは寝ぼけてて何を言ってるかわからなかった。Dは夕方に夜勤を控えており、まだ睡眠中といったところで寝起きのガッサガサの声を聞くと少し申し訳なくなった。

私たちは夜勤に備えて体内時計の調整をすることがよくあって、夜勤前の日は明朝3-4時ごろまで夜更かしをして、正午過ぎまで寝るということをする。これには個人差があって通常の睡眠サイクルで問題ないという人もいるけど、大半はそうしている。後輩のDと電話を切った後少しして、めちゃくちゃに乱れた文章で(たぶん眠いながらに打ったんだろう)、『きのう仕事終わってBさんと一緒に帰ったけど、具合悪そうとかこれから用事があって朝まで飲み明かす予定とかそういった様子はなかったです』という内容が送られてきた。Dごめん、寝てね。と思った。

また同じように連絡したEは、たまたま連絡先を知ってる後輩だったので連絡してみたのだった。Eもすぐに返事をくれて、おまけにBの住む職員寮に自分の後輩が住んでいる(!!)と教えてくれた。その情報に飛びつきたかったけど、その職員寮に住む後輩の連絡先を知らないのですぐに教えられません。との解答が送られてきた。その後輩Eも夜勤を控えているそうだったので、ごめん、寝てね。と話して連絡を終えた。

近くにBの職員寮の場所を知る人物がいるのにつながれない…もどかしさでいっぱいだった。

だけどBに何かあったら大変だし、なんだかミッション感もあってなぜかAも私もすこし生き生きしながらBの職員寮を探し出そうとしていた。

そして私は1年前ほどに退職した先輩Fに連絡、同じ学校出身のGにもHにも連絡した。だってBに何か大変なことがあったら、職員寮がわからなかったからってそのままにしていたことを後悔してたかもしれないので…。

だけど悲しいことに誰もBの職員寮の住所を知る人物が自分のコミュニティ内にはおらず、私は無力感を感じていた。私とB宅はすごく近く、『今度うち遊びにおいでよー!』とBに言われてたばっかりだったのに…。この前だって焼肉食べた後に一緒に途中まで歩いて帰ったんだ、『うちね、ここいったとこスグだよ!』とBが言っていてなんとなくの場所はわかるのに、肝心の建物の名前も、Bの部屋番号も手に入れられない…。同じ場所で苦楽を共にした同期なのに…。

B...ほんとに無事でいてよ…。と年柄にもなく半泣きになっていた。

B捜索大作戦のスケールが大きくなってきているところで、退勤後に再度職場へと引き返したAから電話がかかってきた。

『ねえ!!!Bの住所わかったよ!!!』

Aはやや夜勤を終えてのオールナイトのテンションでやや高揚していて、だけど私も同じように興奮していた。『マジで!?!?!』と。

どうやって手に入れたのかAに尋ねると、ばりばりに個人情報保護法を侵し、『うちに登録されてるBのカルテから自宅住所抜いた!!!』と誇らしげに答えてきた。

アカンやつやん、と私は思いながらも、でもBの身に何か起きてるのかもしれないんだからこんな時に手段云々言ってられない。でもまず何かあったときのために職員の住所を部署が控えていないのも大丈夫なものなのかあ〜…???と静かに思っていた。元職場には思うところが五万、十万とあったので。

ちなみに一緒にBを捜索していたAってやつは、すごくダウナー系のはたから見るとやる気がない他力本願系の同期で、考えてることとか思ってることあるのに『自分の考えとか言うのメンドイから』と言っていつも周りから『あいつはやる気がない』とか『社会人としての態度がなってない』と昔から言われてきたような子だった。

自分で損しちゃうタイプのAだったけど、Aは私には思ったことを嘘なしに話してくれるぶっきらぼうな喋り方をするところが私はすごく好きで、そんな風なのに友達のピンチなんていう場面になったら駆け回っちゃうようなところがまた特に好きだった。

そんな口数すくないAが『チャリぶっ飛ばしていくから、ナビして!!(方向音痴)』と大きい声で叫ぶので、私はB宅に近い場所で落ち合おうと電話でナビをした。

時計が正午を過ぎていた。Bからの返事も、既読もまだなかった。

『Bちゃん、大丈夫かな。』
Aが心配そうに私に言う。私はBが無事でいてくれたらそれでいいんだけど、もし何かがあったとしてもうちら大丈夫だよ!助けられるよって気持ちでもいた。そうでないと職業柄つとまんないでしょ!と自分を奮い立たせる。

2人とも電池がいつも10%とかなので、電池がなくなる前にはやくたどり着かなきゃ!と、急いでいた。私がチャリを後輩に貸していたので装備がなく、私は走り、Aはタイヤの小さいチャリを一生懸命漕ぎ、B宅を目指した。たどり着いたとき、カラスがめちゃくちゃ怖い声で私たちを威嚇してきたので、私たち2人は嫌な予兆なのではないかとビビりあがりながらエントランスに向かった。

ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
まずはエントランスでBを呼び出す。数回の呼び鈴にも反応がなくて、もういよいよ焦り始めた。あんまりやってはいけないのはわかっているけど、エントランスでBを呼び出してる最中にマンション内から外に出てくるお姉さんがいた。お姉さんが出てくるとエントランスが解錠され、私たちは入れ違いにエントランスをくぐることができたんだ。Bになにかあるんだったら、はやくBのところに行かなくちゃ!という思いが強かったから。

マンションの管理会社の番号を私が控え、Aと一緒にエレベーターに乗ってB宅のドアの前に辿りついた。

もし反応がなくて出てきてくれなかったら、管理会社に電話してドアを開けてもらおう。そう思っていた。

ピンポーン、
また何度も何度もインターホンを鳴らす。Aはそわそわしながら、『ヤバイ〜充電が切れるかも〜』と半泣きになってる。『ね、充電いけてる?救急車呼べる充電残ってる?』とAが私に尋ねるので、『大丈夫!7%あればいけるっしょ!』と私も半泣き気味で答えた。

いくらインターホンを鳴らしてもBが出てくる気配がないので、最終的にはAと私2人でB宅のドアを思いっきり叩いて『Bー!!!!!!大丈夫ー!!!?!?!お願い返事してー!!!』と2人で叫んだ。多分近隣住民は至極迷惑だったと思う音量だ。

2チャイム鳴らしては、ドアを暴力的に叩いてBの名前を呼ぶ。

だんだんこの行為筋トレみたいになってきて、2セット、3セットと同じことを繰り返す。

私は割とこれはマジでBやばいんだと思い、救急車を…と思ったけどそれより先に管理会社に電話してドアを開けてもらわないといけないよね?と思いながら管理会社に電話をかけはじめた。

隣でAが相変わらずインターホンを鳴らし、ドアを叩きまくりながらBの名前を呼ぶ、ということを繰り返していた。

多分7セット目かな?っていうくらいの時だった。

ガチャ、とインターホンを取る音がした。
きっと家の中で苦しみながらBがインターホンに出たんだと思った。

『え、、、、B!?!?!?』
『B、、、分かる!?!?!大丈夫!?!Aと私だよ!!!来たよ!!!!』と取り乱してインターホンに向かって私とAは叫んだ。

『......ごめん、、、
超寝てた…寝坊だなあ、こりゃ。』

インターホン越しにBのガッサガサな声が聞こえた。

おま…

私とAは泣きました。

B、生きてました。

管理会社の電話は切って脱力していると、さきほど協力を依頼していたC以下DEFGなどからBの職員寮の住所をなんとか手に入れたよ!というメッセージが続々と届いていて、きっとみんないろんな人に尋ねたりリサーチしてくれてBの捜索に協力してくれたのです。なんならGからは職員寮の住所と一緒に『子供生まれたわ!(タイムリー)』という報告も入っていた。

このタイミングで産んだの?子ども。

Gは子供を産みながらBの職員寮の住所を必死に探してくれていた。

私はAと泣きながら爆笑していました。

おまけにBときたら『うーん、とりま職場に連絡する…どしたん?2人とも』とインターホン越しに答えるだけで、めちゃくちゃ元気。

二つの区をまたいで走り回った私たちは家にあげられることもなく、汗だくなのに玄関越しのインターホンのみで会話をさせられていてそれがなんともいえないシュールさ。そう、Bは結構マイペースかつ、秘密・個人主義タイプであまり家とかに人をあげたくないタイプなのでした。だから私たち2人は家にもあげてもらえず、玄関先でへたってました。いやほんとに寝てただけでよかったけどさあ!

私たちもBのこの感じには慣れてて、インターホン越しに『エントランスで待ってるよ…』と一言残し、自宅を去る。わたしはGにお祝いのメールと巻き込んでごめんの複雑な文章を打ちながら、16時間働いた後爆チャリをして屍と化したAを介抱しながらリアルゴールドを一気した。

B,出勤までの準備に1時間かかり、颯爽とクロスバイクで登場すると疲弊している私たちを見て『まだおったんか!』とすごいいい笑顔。

何回も言うけど、
B、生きててよかったです。
Aと私はそんなBを小突きながらBを送り出す。

地図も読めない方向音痴のAはBの出勤と一緒に連れて帰って貰うように手配して、私はAとBと別れました。

とにかくBに何もなくてほんとによかったなと思った昼過ぎだった。迷惑をかけたC以下DEFG にはBの無事の事後報告をすると、みんなめちゃくちゃよかったねー!!!!って返事をくれて、いい人たちだなと思いました。あとこれはBの人徳なのかな?すごいやつです。

Gは令和元年の子にって意気込んでてめちゃくちゃニアミスだったけど、元気な子を産んでくれてありがとう!

そんな一日でした。
マジ疲れたー!!!
おわりです。


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