コミュニケーションの勘違い。ベクトルは自分か相手か。
「コミュニケーションは自分アピール」という勘違い
幼稚園の頃から小学生時代まで、とてもおとなしかった私。今思えば、ジーっと人々を観察しながら、「コミュニケーションとは?」について考えてきたのです。
コミュニケーション上手と聞くと、多くの人は「自分のことを上手に伝えられる」「話がうまい」「場を盛り上げられる」などをイメージするようです。
そして、コミュニケーション上手になろうと、がんばる。
必死で自分のことを伝えようとする。
自分の興味を、シェアしようとする。
自分の意見を主張しようとする。
でも、なんとなく空回りしているような気がして、疲れる。そして「今度こそは」とがんばる。
自分が投げたいボールは受けてもらえない
このように、自分にベクトルが向いている限り、コミュニケーションは上手くいかないようです。
人は、自分が聞きたい、見たい情報だけを受け入れる生き物だそうです。なので、相手が聞きたくないこと、見たいくないこと、読みたくないことは、いくら投げかけても伝わりません。
コミュニケーションはキャッチボールだと言われますが、自分が投げたいボールだけを、必死で投げつけているイメージ。
投げれば投げるほど、伝わらないし、嫌われる。それでも投げつけるのは、もはや暴力。
コミュニケーション上手になるには、ベクトルを相手に向ける意識が大事です。相手を観察して、受け取りやすいボールを投げること。つまり、自分が言いたいことよりも、相手が聞きたいことを投げかける。一個投げるごとに、注意深く反応を見て、臨機応変に次に投げるボールを調整すること。
聴くことも立派なコミュニケーション
それが難しければ、相手が投げたボールを、とにかく丁寧に受け取ること。つまり、聞き役に徹すること。質問を返すときは、肩の力を抜いて、フワッと。
「聴くだけの自分には、価値がないのでは」という心配は不要です。世の中の8割が話したい人なので、聴き役不足なのです。
内気だった私も、今では話すことも好きになりましたが、ライターとしてインタビューするときは、聞き役に徹します。そして、インタビューが終わると、「気持ちよかった」「楽しかった」と言われることも多いです。そう、みんな話したい。だから、自分が言いたいことを話す代わりに、相手が聞いてほしいことを聞くと、うまくいく。
「コミュニケーションがうまくいかない」という自覚がある人は、一度ベクトルを確認してみてくださいね。
なまず美紀でした。
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