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シャイな人が、一番傷つく言葉は!?

母子とも、シャイに生まれて 

息子(12)はシャイだ。とりあえず、「間違える」ということに異様に臆病だ。だから、自分の立ち位置が定まっていない人間関係では、輪の中に入らず、外から様子をうかがうだけで終わるし、自分の行動や答えが100%正しいという確信がないと、発言もできなくなる。
3年間のニューヨーク生活で、彼のこの性格が、少しは変化することを期待したけれど、その点に関しては、あまり変わらなかった。

娘(8)も人見知りで、おとなしいタイプ。ただ、天真爛漫で、自分ワールドがあるので、自分をハッピーな気分にもっていくのが、比較的うまい。

そして私。今では信じてもらえないけれど、小さい頃は極度にシャイだった。間違えることが恥ずかしいとか、そういうこと以前に、存在自体を消し去りたいと思っていたほどだから、息子より重症だった。

むしろ、「自分の存在自体が間違え」だと感じていたので、知人が正面から歩いて来たら、電柱の影に隠れたし、母が立ち話をしている間は、母のスカートを広げて隠れていた。そして、チラチラ見られる視線を感じながら、「早くサヨナラして」と願っていた。

そして、だいたいサヨナラの瞬間に、「美紀ちゃんはシャイね」「本当におとなしいよね」という一言を受ける。私にとっては爆弾ほどの破壊力がある一言だった。

特に英語の世界では、シャイの評価は低い

この数週間、息子(12)と娘(8)は、都内の英語スクールをいくつもめぐり、レベルチェックと体験レッスンを重ねている。

すると、おもしろいことが見えてきた。

息子は、だいたい上のクラスになる。「英語力は高いと思うんですよね」と。

娘は、多くの先生が、「She is great!」「お嬢さん、優秀ですね」と言う。「英語力的には一番上でいいと思うのですが、ただ年齢的に、高度なトピックは難しいと思うので」と、その下のクラスになる。

以前、日本にいた頃、息子は「優秀」という言葉をもらうことが多かったけれど、天真爛漫な娘と「優秀」という言葉は、あまりリンクしないと思っていた。
どうやら、特に英語の世界においては、娘のように、おとなしいながらに度胸がある、クリエイティビティがある、というタイプが評価されるようだ。

あるネイティブの先生は、面接のあと、私と息子と娘を前にして、こう評価した。(すべて英語でしたが、日本語に訳すと、こんな感じ↓)

「娘さんは、たとえば、人が寝ている絵を見せて、『What is he doing?』と聞いたときに、『He's sleeping, because he is tired.』と、一文を足して答える。想像力と表現力が豊かですね」。

「息子さんは、こちらの質問に、単語だけで答えて、文章を作ってくれないので。英語力はあるのに、シャイだからですかね」。

先生は、これでもか、というほど、「He is shy. 」を繰り返した。「彼に必要なのは、confidence=自信だ」と。

「うんうん、そのとおりなんです」とうなずく私。息子も黙って「うん、うん」と。

先生が挙げた上の例で言えば、想像することが大好きな娘にとって、"because he is sleeping. "を伝えることは、楽しい。
息子も"He is sleeping"の理由の可能性として、それぐらいは考えていても、質問の答えとしては余計だと判断する。シャイな人は、できるだけ余計なことは言いたくない。

その違いが、評価の差になる。

帰宅して、娘が放った一言は!? 

先生が、「He is shy.」を連発する気持ちは、すごくよくわかる。「英語力があるのに、もったいない」という意味を込めているわけで、私も同感。

親としては、本当にもったいないと思う。息子は思慮深いし、リラックスした雰囲気の中なら、論理的に話せることを、私は知っている。でも、無言でいる限り、それを伝えるすべはない。だから、私も、「とりあえず、何でも発言すればいいのに。もったいない!」と言ってしまう。

同時に、シャイな子を前にした大人が、「シャイだね」と言ってしまう気持ちもわかる。黙っている子に、どんな話題をふったらいいのかわからないので、とりあえず、沈黙を破るために「シャイだね」と言いたくなるもんね。

一方で、元シャイだった私としては、「He is shy.」を本人の前で繰り返す先生には、「デリカシーがないな」と思ってしまう。
小さくてシャイだった私は、そう言われたとき、真っ赤になりながら、内心「だまれー」と思っていたことを思い出す。笑

帰宅したら、突然、娘が言った。

If I was a teacher I wouldn't say he is shy, because he will feel uncomfortable.(私が先生だったら、本人に「シャイだね」とか言わないかな。だって、いやな気持ちになるじゃん)

びっくりした。
娘には、「シャイだ」と言われた息子の気持ちがわかり、「先生はデリカシーがない」と言っているのだ。

悪気はなくとも、傷となる言葉がある

経験した人にしか、わからない気持ちがある。

シャイな人が一番傷つく言葉は、「シャイだね」の一言なのだ。
ネガティブな意味はないとか、悪気はないとか。そんなことは関係ない。
発する人の意図には関係なく、受け手が傷つく言葉がある。

「シャイだね」の烙印を押されると、シャイから抜け出そうとする自分の姿すら恥ずかしくなり、なかなか、そこから抜け出せなくなるというデメリットもある。

「シャイ」に限らず、事実であり、自覚があるからこそ、傷つき、縛られる言葉が、この世界には、たくさんあふれている。


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【プロフィールも進化する】 花の仕事を始めて6年。 インテリアの仕事をはじめて3年。 インテリアの仕事は ホームページもないのに お仕事をしてきましたが 野村絵美子がなにをコンセプトに どんなことをしているかがわかる 総合的なサイトを作...

Posted by 野村絵美子 on Tuesday, August 10, 2021



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