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連続起業家の見切り力

新しい事業を複数回立ち上げる起業家「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」の資金調達が活況だ。今週発表のあったKnowledge Workはじめ、ジョーシス、LayerXなどが今年大きな資金調達を実施している。

連続起業家のスタートアップには多額の資金が集まり、メディアも華々しく取り上げる。通常の起業家は資金調達で四苦八苦する事も多いので、そうした起業家からすると別世界と感じるに違いない。また、投資家としても、投資検討したが時価総額が高いと見送った時に後ろ髪を引かれる思いでそれを見つめる事がある。

連続起業家は何がすごいのか?彼・彼女らは新規事業の立ち上げを何度も行った経験があるから再現性が高いというのが通説だ。投資家とも既に信頼関係があるということも調達がうまくいく理由になる。仮に事業が想定通りに進まなかったとしても、経験と人脈を駆使してなんとか着地させる力があるから損はしないという考え方もあるかもしれない。

私は連続起業家と一括りにしてしまい盲目的に投資に賛同するという考えには疑問を持つ。スタートアップでの成功には起業家の力量によるものも多数存在するが、一部には時流などの要素が多分に作用していて、本当は苦労していたけども世間的には成功に見えていたものなど、運も実力の内といえばその通りだが様々なパターンがあるからだ。

そうした中で、連続起業家の能力で私が注目している再現性の源は「見切り力」である。
「見切り力」は諦めないことが美徳とされている日本において共感されづらい考え方だと思う。しかし、優れた起業家であり経営者ほど、失敗は失敗と早めに認めて見切りをつけて次の挑戦をする事で成功確率を高めている。

SmartHR宮田氏も連続起業家的な「見切り力」を備えた一人だ。SmartHRの前身であるクフを立ち上げた直後はどこにでもいる二十八歳の起業家だった。ただ彼が違ったのは複数の新規事業の失敗を経ていまの事業にたどり着いた点だろう。もし宮田氏が諦めない人だったら今も創業当時の別事業を粛々とやっていたのかもしれない。

大きなビジョンを諦めないことは重要であるが、事業は手段でもあるので「見切り力」を発揮する対象と考えると受け入れ易いかもしれない。多くの起業家が「見切り力」を発揮して、大胆なトライ&エラーの数を増やすことができれば、より大きなイノベーションが生まれるのではないだろうか。そんな良い失敗、良い見切りができる自分に真摯な起業家とご一緒していきたい。

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