見出し画像

20,02,25。ledzeppelin73年②。

5月5日タンパスタジアムを皮切りに全米ツアーがスタートします。

千秋楽となる7月29日のMSGまでほぼ毎回アリーナ&スタジアムクラスの会場で日程もタイトになっていたため驚異的な観客動員となる伝説のツアーとして語り継がれています。

Houses of the Holyの発表に合わせたツアーでもあった為、このツアーからNo Quarterが披露されJohn Paul Jonesはベース以外にキーボード奏者としての比重が高くなっていくきっかけになるツアーでもありました。

セットリストからはアコースティック曲が無くなりオープニングからアンコールまで多少の緩急はあるもののハードロックで押し通すスタイルに。

そしてこのツアーからWhole Lotta Loveで日替わりのようにオールディーズナンバーを演奏していたメドレーが定型化されて基本的にboogie chillunのみ(いくつかの会場では他の曲も演奏)で展開されています。

Whole Lotta Loveの定型化でインプロ展開を見せる曲がDazed and Confusedのみとなり、このツアーから徐々に演奏時間が長くなりはじめます。

自分の喉がかつての高域がを失っていることを自覚したRobert Plantはこのツアー中に「ならでは」な歌いまわしを確立していき、日によってコンディションの悪い記録も残っているものの、新たなスタイルによってふたたび輝きを手に入れた印象を受けます。

77年~80年及び解散後には「海より深い愛をもってしても庇いきれない」レベルのギターを披露する事になるJimmy Pageもこのツアーではそこまで酷い事ににはなっていません(笑)

このツアーでの目に余るラフなプレイはテクニックの劣化というよりは彼のトレードマークでもある「腰より下に構えたレスポール」とステージアクションによる弊害であろうと感じています。

彼のファンでギターを弾く方であれば一度はやっているであろうあのスタイル。実際あの高さでレスポールを構えるとローポジションでの開放弦を交えたバッキングやかきむしる様に弾くソロはともかく、丁寧に弾くのは困難というかほぼ不可能です。

また、以前のステージショットを見るとびっくりするくらい適当な衣装(?)でステージに立っていたりするJimmy Pageですが、このツアーからは黒のタイトな上下がメインの永遠の詩スタイルで申し分のないかっこよさです。

名演と言われるライブが多数音源として残っているこのツアー。
今回のリンクは少しRobertに残念さはあるものの個人的にベストなのではないかと感じている7月17日のシアトル公演です。
https://www.youtube.com/watch?v=W6esn0yTxjg

Ⅴ1/2のタイトルで有名なこのライブ、数種の音源を組み合わせる事で良い音でのほぼ完全収録が再現可能です。
冒頭の「ルールを守ってくれればzeppelinは3時間演奏するよ」のアナウンスで一気にレベルオーバーになる大歓声が特徴的なこのライブ。勝手に名演と形容してもさすがに怒られないと思います。

MSGで千秋楽を迎え、翌74年は、一休みとなるzeppelin。
ツアー再開となる75年は波乱の幕開けとなってしまうのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?