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20,02,14。led zeppelin③

1990年初頭、既に時代はアナログレコードからCDに移り変わっていましたが、海賊版(ブートレッグ)にもその波が押し寄せてくることになります。

当時アナログレコードからCDへの移り変わりで言われていた「音源のデジタル化による音質の向上」という恩恵は基本的に音質が大した事の無いブートに関して当てはまることは無かったのですが、それとは違うCD化による大きなメリットがありました。

それは収録時間の大幅なUPです。

アナログレコードでは片面の最大収録時間が25分程度だったのに比べ、CDであれば一枚で70分以上の収録が可能でした。

zeppelinのように演奏時間の長い曲の多いライブを収録する際にアナログ時代には必須だったカット等の編集が不要になり、三時間程度のライブでもCD三枚組程度で完全収録する事が可能になったのです。

アナログブートをそのままCDに落としたものを別としてzeppelinのブートCD最初の新作は80年のチューリッヒ公演でした。

CD2枚組で発売されたのですがサウンドボードと呼ばれるライン収録されたその音質と多少のカットあるもののコンサート完全収録という売り文句はブートマニアに衝撃を与える事になります。

ブートにオリジナルもコピーも無いだろうと思うのですがいわゆる「オリジナル」とされるtwin eagleレーベルの「tour over europe」は発売と同時にすぐ完売して一時はかなりのプレミア価格で取引されていました。

ちなみにその公演、自分は観客が録音したテープを基にしたアナログブートを所持していましたが、のちに聞き比べた時にはライン音源との音質の差にびっくりしたものでした。

既に解散してから10年以上経過しているにもかかわらずzeppelinライブを愛好するマニアは相当数存在し、限定的な市場ではあるものの十分需要が見込まれた事から日本でも独自にブートCDが制作されていく事になります。

ちょうど自分がブートCDに興味を持ち、西新宿にあったブート専門店に足繁く通うようになり始める頃に後の伝説的なレーベルとなる「タランチュラレーベル」から最初のブートが発売になります。

それは71年初来日初日の武道館公演「front row」でした。

海外のブートCDに比べると凝ったデザインでのパッケージも印象的だったこのCD、確か200枚程度の制作枚数だった事で入手かなわず、そのことが逆に自分のマニア心を強烈に刺激してしまいブートCDコレクターデビューしてしまう事になるのでした。

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