ストーマの話。渇きとの戦い。

自分が約3ヶ月にわたってお世話になったストーマはイレオストミー(小腸ストーマ)と言われるタイプです。

小腸から大腸に繫がる部分をおへその右横から体外に出し排泄します。
若干グロいので画像をUPしませんが見た目のイメージとしてはおへその横5cmほどの所に梅干がくっついている感じでしょうか。

排泄物される物は大腸で水分を吸収する前のものになりますから液状で固形便のイメージからは遠く、匂いなどもさほど気になりませんでした。

同じストーマでもコロストミー(大腸ストーマ)や尿路ストーマの方に比べると匂いに対するケアで苦労はほとんどありませんでしたが、排泄時に通常経由されるべき大腸を通らないゆえに大きなデメリットがありました。

大腸で水分を吸収されなくなる為、のどの渇きが癒されないのです。

自分は6月に退院して10日ほどの自宅療養の後に仕事に復帰、9月にストーマ撤去手術を受けましたから重労働ではないとはいえ真夏の外仕事をワンシーズンストーマをつけたまま過ごす事になり、装着中は毎日がのどの渇きとの戦いでした。

比較的早い段階で仕事に復帰したい旨を主治医に告げた所「ストーマ装着中はいとも簡単に脱水症状になるからとにかく水分補給に気を使うように」と釘を刺されましたが、気を使う以前に体が常に飲み物を要求してくる状態なので逆に心配無用でした。

無理はしないよう気をつけてはいましたが、気温が30度を超える日などには午前中だけで500mlのペットボトルを6本ほど飲んでいた覚えがありますから仕事中はペットボトル片手に常にちびちび飲み続ける状態。

おまけに大腸をバイパスしていますから飲んだ水分を体が吸収する量が激小です。ぶっちゃけ飲んだ水分は体の中を右から左な感じでストーマから排泄されてしまいます。

パウチには結構な容量がありますが当然パンパンに膨らむ事になります。
おへその脇に装着したパウチは仕事中当然ズボンの中に忍ばせているのですが膨らんでくると存在感マシマシです。体感状態を判り易く形容すると
「ズボンのウエストから右足にかけてフランスパンを突っ込んだ」状態と言った所でしょうか。

当然パンパンに膨らんだパウチは中身を廃棄しなければなりません。
もちろん中身は水状なので汚物的なイメージは少ないものの、万が一接着面が外れたりすればそれなりに大惨事です。

扱いに慣れてくればトイレさえあれば和式様式を問わず中身の廃棄に苦労はしないのですが出来れば綺麗な公衆トイレで済ませたいもの。

ストーマを装着していた所為で自分の担当区域のより綺麗な公衆トイレの位置に異常に詳しくなったのも今では懐かしい思い出のひとつです。




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