20,02,13。led zeppelin②
永遠の詩で衝撃を受けた当時はインターネットも無く、海外アーティストの情報はもっぱら音楽誌中心。数少ない情報を基に口コミを介して伝播する話というものは尾ひれがついて大げさになりがちです。
zeppelinに関する噂で代表的だったのは71年の初来日時のエピソード。
自分が耳にして印象的だったのは「大阪公演はものすごいライブで演奏時間が五時間に及んだ(正確には三時間四十分程度というのが通説です)というものでした。
そんなものすごいライブなら一度は聞いてみたいものだと思い、いわゆる「海賊版」と言われるLPに強く興味を持つきっかけになります。
既にKISSの海賊版は聞いたことがありましたから(裕福な家の友人が通販で購入した物をテープに落としてもらってました)その音質的なクオリティは知っていましたが71年大阪公演にはもう一つの噂があったのです。
「関係者が秘かに録音したものが存在しており、それはオフィシャル級の音質らしい」と言われていたのです。
実際大阪公演は正式に発売を前提にした録音をレコード会社から申し入れており、8トラック程度の機材で録音された事実があったそうですがzeppelin側の希望するクオリティではなかったとの事でテープは持ち帰られてしまった事がマネージャーのPeter Grant他の証言で明らかになっています。
海賊版として市場に出回っていた音源はその持ち帰られたテープでは無く、関係者がステージ袖でテープを回した物が基になっていると言われていましたが、最近になって明らかにライン収録(ステージ機材の卓を通して録音された物)が発掘され、長い長い時を経て噂が真実になるのですが自分がだいぶ後に初めて聞く事になる大阪公演はそこそこのレベルの音質の物。
当時から伝説の海賊版扱いだった大阪公演は十代だった自分に簡単に入手できる物ではなく「いつか聞いてみたい」レベルの音源だったのです。
二十歳になるころにはzeppelinの海賊版を数枚入手してオフィシャルでは聞く事の出来ないライブに接してはいましたが大阪公演に関しては未聴のままでした。
趣味の割合としてはまだギターを弾く事のほうが比重が大きかったのですが、30代を迎えた1990年代初頭に西新宿を舞台に発生した「ブートCDバブル」によって一番の趣味がライブ音源収集になっていきます。
それはまさに冥府魔道の深い深い底なし沼でした(笑)
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