野望は映画スター。LAのデータサイエンティスト男子:辛酸なめ子の「LAエンタメ修行 伝聞録」

異国で生きていくためには人間関係が大切です。それも、筋の良い人とつながらないとなりません。

MutsumiさんがLAで知り合った人の話で印象的だったのは、パキスタン人のデータサイエンティストとの偶然の出会いです。

「データサイエンティスト」という職業には漠然とした憧れを抱いていました。データサイエンティストはデータを分析し、マーケティングなどに活用し、ビジネスを発展させる仕事。

日本データサイエンティスト協会のサイトを見たら「スキルチェックリスト」があり、「グルーピング」「サンプリング」「データ加工」「データ可視化」「データの理解・検証」「時系列分析」「言語処理」「画像・動画処理」「パターン発見」といった多岐に渡るスキルが必要とされるらしいです。これは素人には無理です……。

日本よりも扱うデータが大きそうなアメリカでデータサイエンティストとしてやっていくには、かなりのスキルと知力が必要とされるのでしょう。ぜひ間接的にお話を伺いたいです。

運命的な出会い!?

Mutsumiさんと、そのデータサイエンティストのジェイさんとの出会いは運命的でした。

「数ヶ月前に、Uberのシェアライド(相乗り)でモールに行こうしたのですが、マッチングされた車がまったく動かずキャンセルしました。3回キャンセルしても同じ車になったので諦めて待つことに。先に1人乗客がいて、私と監督(夫)と3人で相乗りしました。モールに着くとその男性も一緒に降りたのですが、広いモールで向かった先も同じジェラート屋でした。さすがに盛り上がって番号交換し、ゆるい知り合いに」

たまたま暑くて皆がジェラート屋に行きたいという気候ではないと思われるので(3月のできごと)、それは単なる偶然ではないかもしれません。UberというのがまたLAっぽくて良いですね。

こうしてデータサイエンティストのジェイさんと知り合い、友人を交えて食事することになってレストランに向かう時、また同じUberに乗り合わせたそうです。家は離れているそうなのでこれもまた奇遇です。今は大手映画会社で働いているそうで「副業で一緒にビジネスしよう」と、持ちかけられたMutsumiさん。

「一緒に何かしましょう」というのは異業種交流会などで聞くようなセリフで、実はネットワークビジネス系だったりすることも。これまで何度かカモにされかけた身としては若干信用しづらいところがありますが……。

カルビの食べ方も紳士的

でも、そのジェイさんのスペックを聞くと、ちょっと見る目が変わりました。ストックホルム生まれでUCLAで修士号を取り、年齢は35歳くらい。映画会社では、データを分析し、お客さんの好みからおすすめ映画を表示したり、大ヒットする映画の法則(アクションとコメディを合体させるなど)を割り出したりしているようです。UCLAといえばアメリカの大学でもかなりの上位。

「LAで一緒に日本式の焼肉屋にいったら、カルビをナイフとフォークでちょっとずつ食べてたので、育ちが良さそうです」たしかに肉に対してがっついていないのは紳士的かもしれません。ジェイさんはイスラム教徒で豚肉は食べないけれど牛肉はOKだそうです。

でも、ジェイさんは仕事に対してはアグレッシブ。野望はなんと……「有名になってお金持ちになること」だそうです。LAにいる人のうちかなりの割合の人がこの願いを持っているように思います。それもアメリカ基準でのお金持ちなので、億ドル長者です。

よく日本人は円を基準に考えて、海外セレブの資産のニュースなどで数億円と数億ドルを混同しがちですが、その時点で100倍の差が。とにかくスターになると、桁外れの資産を得られるのがアメリカです。ジェイさんはMutsumiさんに「スターになりたいから映画に出してほしい」と言ってくるそうで「今準備してる作品は女性の役しないから……」と断ると「ジェンダーレイシストだ!」と責められたとか。

ジェイさんのデータサイエンティストとしてのスキルは高いと思われますが、もしかしたら高度なAI技術に今後置き換えられていくかもしれず、そのための保険というか安全策として映画俳優を視野に入れているのかもしれません。ルックスはそこそこイケメンのようです。

Mutsumiさんと監督とジェイさんが一緒にビジネスをするとしたら、具体的にどんなものになるのでしょう?

「例えば、アメリカに進出するためにアメリカ市場のデータマーケティングをしたい日本企業にサービスを提供できたらいいな〜と思ったりしてます。(もしこれを読んでいてご興味がある方はLanderのHPからご連絡ください) 業種は、エンタメ、旅行、コスメなどです」

アメリカ進出……ちょっと前にLAの物価や食生活の話題になりましたが、個人的には日本のおにぎりが高く売れるような気がします。

それにしてもLAはとにかく大きな夢を持ってそれをエネルギーの原動力にしないと生きていけない街のようですね。日本で特に夢もなく漫然と生きてしまっていますが、そうなるとLAでは覇気のないゾンビみたいな存在になってしまうのかもしれません。夢や野望にあふれたジェイさんは、シリコンバレー系の新興企業、UberやAirbnb、Googleなどで仕事したいとも思っているそうです。

ちなみに以前シリコンバレーについて原稿を書いた時に調べたのですが、LAよりも物価が高く、成功と失敗の格差が激しい街のようです。有名IT企業の社員が平均年収を押し上げていて、シリコンバレーでは年収4000万円でも中流だとか。ネットに現実逃避したくなる話です。そんな時、人が求めるのはリッチなセレブのえげつないゴシップ話……というのはデータサイエンティストじゃなくても容易に予測できます。
 

お読みいただきありがとうございました。次回の「LAエンタメ修行 伝聞録」は6月19日水曜日頃に公開予定です。

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