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セレブハンターが一転。ハリウッド女性プロデューサーの転落人生:辛酸なめ子の「LAエンタメ修行 伝聞録」

「ソーシャルクライマー」という言葉を知ったのは、LAを舞台にした映画「ラ・ラ・ランド」がきっかけでした。アッパークラスを目指して成り上がろうとする上昇志向の持ち主。個人的には魂の上昇志向を持ちたいところですが、ともかくLAはそんなソーシャルクライマーが世界中から集結しているイメージです。毎晩のようにパーティが開かれ、人脈を求めて人々がやってくるのでしょう。

東京のファッション系のパーティではとくにそこまでギラギラしている人は見かけないです。単に華やかな場を楽しんでいる人、呼ばれて来たセレブ、そして必要以上に人と交流しない業界人が、DJによるおしゃれなBGMが流れる中、適度な距離感で存在しています。中には「オレは日本のレッドカーペットを仕切ってる」とあやしいことを言う業界人がいたりしますが、基本的に彼らも適切な距離で佇んでいます。

ただ、「異業種交流会」的なパーティでは、ちょっとギラギラしている人もいたりして油断できません。以前、知人の関係している「異業種交流会」に参加したところ、向こうから積極的に話しかけてきた人が3人、皆さんネットワークビジネスの方ということがありました(後日サプリや化粧品を勧められました……)。

とくに面識も縁もないのに相手からズカズカ来る場合は警戒した方が良いと学びました。セレブ御曹司の友人が「誰かの紹介でないと基本的に人と知り合いにならない」と言っていた言葉がよぎります。

LAのパーティなんてとても怖くて行けないですが、Mutsumiさんのご友人には、野心家でプロデューサーを目指している女性がいるそうです。

仮名はジェシカとしますと、見た目は迫力のあるアジア系の美女。彼女はパーティなどに出て有名人と一緒にセルフィーを撮るのは、神業のようにうまいそうです。SNSをちょっと見せてもらったら、NFLの選手とか、女性映画監督、男性俳優、U2のボノなどセレブと笑顔で写っている写真が何枚もありました。

プロデューサーになっていく上で、このように華やかな人脈を持っているとアピールするのは、インスタ映え以上に意味のあることなのでしょう。

応援していたジェシカの後日談

Mutsumiさんは、“セレブハンター”のジェシカと会って時々近況報告していたそうです。がんばっている彼女がキラキラしている姿を見て、応援していたというMutsumiさん。

「なんと、ジェシカは13億円の予算の映画のプロデューサーに決まったと言っていました」

と、ソーシャルクライミングが成功しつつあるようでした。13億円とはかなりの額(ハリウッドでは低予算の部類かもしれませんが……)。

でも、Mutsumiさんがつい最近会ったらキラキラしている彼女が一転、ダウナーな雰囲気に……。

「彼女は自分がプロデューサーとして働くのと同時に、作品をより良くするために有名なプロデューサーの男性をひとりスタッフに入れたんです。すると、なんと彼は監督と結託してジェシカをクビにしてしまったそうです!」

「そのプロデューサーを引き入れたのは彼女の実力でもあったのですが……。本当のこと(真実)はわかりませんが、ジェシカは自分がアジア系だから差別されたんだと怒っていました。プロデューサーは白人男性だったのですが、彼らの手口はひどい、と」

ジェシカさん、同じアジア人として同情します。アメリカの有名プロデューサーの男性たちの写真を見ると皆さん抜け目ない顔をしていらっしゃいます。笑顔でも目が笑っていないというか。

そもそも映画のプロデューサーについてちゃんと把握できていなかったのですが、調べると、映画監督の企画を考え、監督や脚本家、俳優やスタッフを決める権限を持っていたり、資金を調達したりという、責任重大なお仕事です。そして成功すれば名誉も地位もお金も得られます。

傲慢になって女性に対しセクハラするなど暴虐の限りを尽くしたハーヴェイ・ワインスタインのように醜態をさらしてしまうケースもありますが……。ハリウッドの俳優でプロデューサーになりたがる人が多いのも、俳優の上に君臨する存在だからだと思われます。

見た目は貫禄あってセレブの知り合いが多そうなジェシカでも、うまく立ち回れないほど、ハリウッドは生き馬の目を抜くような社会なのでしょうか。

「ハリウッドではこの手のことは日常茶飯事。だいたい、だまし合いが8割らしいです」と、Mutsumiさん。そんな恐ろしい修羅場だとは……。

「よく聞くのは、ほとんどが嘘つきばかりだから正しい人と繋がらないとダメだということ」

誰が正しい業界人なのか素人にはちょっとわからないです。というか最初は良い人でも途中からダークサイドに行く場合も多々あります。前に取材したアメリカ人のサイキック、ロン・バード氏(故人)は、ブラピなど、かなりの数のハリウッドセレブが顧客だそうでした。正しい人脈や正しい仕事がわからなくなったセレブが最後に頼るのはサイキックなのかもしれません。

Mustumiさんはこうもおっしゃいます。

「利権やお金が絡むと、人を蹴落とすことが普通になってしまいます。みんな自分を大きく見せるので、何が本当かわかりません。仲良しのジェシカでさえも口八丁みたいなところがありました。怖いので、私はまだ全く見ず知らずのプロデューサーには会っていません。夫がシナリオを作っていてそれができたら考えますが、やばい人には会わないようにしたいです」

やはり大金は人をおかしくさせるんですね。最初からおいしい話に近付かないのは懸命です。

Mutsumiさん夫婦の純粋なクリエイティビティが尊重されることを祈ります。サイキックや霊能者さんでしたら紹介できますので……。

お読みいただきありがとうございました。次回の「LAエンタメ修行 伝聞録」は6月5日水曜日頃に公開予定です。

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