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アイドルファンの推しスタイル分類〜日向坂46などの大所帯アイドルに関して〜

日向坂46に限った話ではないですが、大所帯アイドルグループを応援する推し活において、推し方やスタンス(推しスタイル)には人によって違いがあるなと思います。

そんな推しスタイルについて、自分は以前こんな気持ちになった事がありました。

自分は以前から「そんなに熱量は高くなく、コアというよりはライト層だよなぁ」とおぼろげながらに考えていました。
しかしこの「コア」とか「ライト」とか「熱量が高い」とか「低い」とかって、なんだかよく分からない尺度ですし、そもそも比較不可能なものでもあるので(推しへの愛の強さとか)、何をもってそう感じているのか自分でもよく分かっていませんでした。

そんな中、2023年の日向坂の活動について飛び交っているいろんな言葉を見ているうちに、「推しスタイルはこんな感じで分類できて、その分類上で自分と正反対な人を『熱量が高い』と表現してたのかな?」と思い至りました。以下がその分類図です。

推しスタイル分類図

このように「奉仕的・功利的」軸と「人物志向・所属志向」軸で区切った時に、自分は「功利的・所属志向」なスタイルで、対角にある「奉仕的・人物志向」な人を見て特に(比較不可能な概念であるのに)「熱量が高いなぁ」と感じているようでした。

筆者の位置と、「熱量が高いな」と感じている人の位置

この記事では、それぞれの軸が何を意味するのかについて述べています。読んでみて、「自分はここだなぁ」とか「あの人はここっぽいな」とか「前はここだったけど、日向坂に出会ってここになったな」とか「こういう軸のほうがもっとキレイに整理できそう」などの、なんかしらの話題にでもなれば幸いです。もちろん、どのタイプの人が偉いとかいう優劣の話ではありませんし、どのタイプの人は熱量が高いとか低いとかいう話でもありません。


奉仕的・功利的

まずは「奉仕的・功利的」軸について説明します。これは、メンバーやグループが活動した「結果」に対してどれくらい貢献したいかの程度を表す軸になります。

奉仕的な人

奉仕的な人のイメージ

メンバーやグループの「結果」に積極的に貢献したいタイプの人です。たとえば以下のようなマインドセットを持つように思います。

  • ミーグリを完売させてあげたい

  • ライブの席を埋めてあげたい

  • ペンライトカラーを揃えてあげたい

  • いいポジションに立たせてあげたい

  • MVやストリーミングの再生回数を増やしてあげたい

  • ファンが頑張れば結果は変えられる。そのためにお金も工面する。

  • 「ヲタクがんばれ」

表現活動やサービスを楽しむだけでなく、一消費者という立場を超えて、「支える気持ち」を強く持って関与していくようなスタイルですね。サッカーでいうと「12人目の選手」みたいなイメージだったり、日常生活でいうと「あの個人経営の定食屋はオレが買い支える!」みたいなイメージだったりが近いでしょうか。

第三者から見ると、その推し活は能動的な姿勢に見えると思います。

功利的な人

功利的な人のイメージ

メンバーやグループの「結果」への関与は緩やかなタイプの人です。たとえば以下のようなマインドセットを持つように思います。

  • ミーグリやライブの完売状況は運営やメンバーの頑張り次第

  • ペンライトカラーは原則自由でいい

  • ポジションはそのメンバーの頑張りと運営の方針次第

  • MVやストリーミングは個々人が自由に楽しめばいい

  • ファンが結果に及ぼす影響はそれほど大きくない。あっても長続きはしない。

  • 楽しめるものが提供されているからお金を払っている

  • 「メンバー・運営がんばれ」

あくまでいち消費者として、その表現活動やサービスを楽しんでいる、というようなスタイルですね。「楽しいものが出てくる限りはお金を払うよ」というイメージです。
第三者から見ると、その推し活は受動的な姿勢に見えると思います。

そして自分はというと、完全に功利的なスタイルです。

人物志向・所属志向

つづいて、「人物志向・所属志向」軸は、推し活の動機の源泉がどこにあるか?を表す軸です。卒業等でメンバーがグループを抜けたあとの態度も含めた概念になります。

人物志向な人

人物志向な人のイメージ

メンバー自身に強い興味を持っているタイプの人です。もしそのメンバーがグループを離れても、その人への興味は薄れません。しかしそうなった時に、グループや他の現役メンバーに興味を持ち続けるとは限りません

サッカーで例えると、「とにかくメッシが好き」というような人はこちらになるかと思います。メッシがバルセロナにいれば贔屓のチームはバルセロナになるしバルサの選手も愛します。しかしPSGに移籍すれば贔屓のチームはPSGになり、さらにインテル・マイアミに移籍すれば贔屓のチームはインテル・マイアミになる、という感じです。

所属志向な人

所属志向な人のイメージ

メンバーがグループにいるからこそ強い興味を持っているタイプの人です。アイドルであること、あるいはグループの一員であることが大事なタイプですね。アイドルとしての、あるいはグループの一員としての振る舞いに魅力を感じている人です。なのであるメンバーがグループを離れた場合、その人に興味を持ち続けるとは限りません

サッカーで例えると、特定の選手というより特定のチームが好き、というタイプの人はこちらになるかと思います。仮にバルセロナのサポーターだとして、バルサから移籍していったメッシのことはリスペクトを持ちつつも、あくまで一番大事で一番好きなのはバルサでありバルサの選手、みたいなイメージになります。

自分は2010年にAKBにハマってからアイドルを推すようになり、一推しのグループがいろいろ変遷してきたのですが、これまでは完全に所属志向でした。メンバーがグループを卒業したら、たとえ推しメンでも追いかけることはほぼしなくなっていたんです。

しかし日向坂では、渡邉美穂さんのファンクラブ会員になっていたり、影山優佳さんのかげさぽのお席に参加していたりと、ちょっと様子が変わってきています。卒業生の有料ファンクラブに入るなんて、今まで一度もしたことがありませんでした。なのでちょっと、人物志向度も高くなっているのかもしれません。しかし原則は今も所属志向だと思います。

単推し(複数推し)、箱推しとは違う概念

念のため補足しておくと、僕が言っている人物志向・所属志向という概念は、単推し(複数推し)・箱推しとは別の概念になります。

単推し・箱推しは「自認する推しメンの範囲」を表す概念だと思います。一方、人物志向・所属志向は「推し活の動機の源泉がどこにあるか?」を表す概念なので、「自認する推しメンをどういう動機で推しているのか?」ということを表します。なので以下の通り、2 x 2の四象限を作ることも当然できます。

自認する推しメンの範囲と、推し活の動機の源泉の組み合わせ図

それぞれを簡単に説明すると、理屈では以下のようになるかと思います。

  • 人物志向の単推し(複数推し)

    • 推しメンバー自体に強い興味がある

    • そのメンバーがグループを抜けてもその人に興味を持ち続ける

    • 推しメンが全員抜けたら、グループに興味を持ち続けるとは限らない

  • 人物志向の箱推し

    • グループのメンバーみんなに強い興味がある

    • あるメンバーがグループを抜けてもその人に興味を持ち続ける

    • 新加入したメンバーに既存メンバーと同じ強さで興味が持てるとは限らない

  • 所属志向の単推し(複数推し)

    • 「グループに居る推しメン」に強い興味がある

    • 推しメンがグループを抜けたら、その人にもグループにも同時に興味を失う可能性がある

  • 所属志向の箱推し

    • 「グループにいるメンバーみんな」に強い興味を持つ

    • 新加入したメンバーも既存メンバーと同じ強さで興味を持てる

    • あるメンバーがグループを抜けた後、その人に興味を持ち続けるとは限らないが、グループへの興味は変わらない

現実にはこんなにばっちり分かれるかは不明ですが、なんとなくの傾向はそれぞれのファンにあると思います。ちなみに僕は原則「所属志向の箱推し」だと思います。

2軸の四象限

ということで、ここまで述べた「奉仕的・功利的」軸と「人物志向・所属志向」軸を図にして、各象限にそれっぽい名前をつけてみました。

推しスタイル分類図

以下、簡単に内容を補足します。

メンバー忠誠型(奉仕的・人物志向)

メンバー忠誠型

奉仕的なので、ミーグリやグッズ購入など結果への関与に積極的です。人物志向なのでグループを離れた後も追いかけ続けます。

いわゆるタニマチっぽさがあるかもしれません。

ゴール裏サポーター型(奉仕的・所属志向)

ゴール裏サポーター型

奉仕的なのは忠誠型と同じですが、所属志向なのであくまで一番大事なのはメンバーがグループに所属していることです。それゆえ、運営に強い気持ちをぶつけることもありそうです。

サッカースタジアムのゴール裏にいる、「オレたちの応援でクラブを勝たせるんだ!」「私たちの声をフロントに届ける!」というような気持ちを持ったクラブサポーターに近いようなイメージです。

メインスタンド双眼鏡型(功利的・人物志向)

メインスタンド双眼鏡型

功利的なので結果への関与は緩やかです。人物志向なので原則推しメンに注目して楽しんでいて、そのメンバーがグループを離れても追いかけ続けます。

サッカースタジアムのメインスタンドは、ゴール裏よりは落ち着いた場所で、試合前のセレモニーや記念撮影などがある際に選手の顔が見える位置であり、また双眼鏡は個人に注目する定番アイテムなので、こんな名前にしてみました。

バックスタンド俯瞰型(功利的・所属志向)

バックスタンド俯瞰型

メインスタンド双眼鏡型とは違い所属志向なので、メンバーがグループにいることが大事なタイプです。それゆえに、メンバーだけでなくグループ運営の動きに興味がある人も多いかもしれません。「メンバーはよく知らんけど楽曲は好き」みたいなタイプもここに入る気がします。

サッカースタジアムのバックスタンドは、ピッチ全体を俯瞰できつつ、ベンチの監督や控え選手の様子(≒グループ運営の動き)も確認できるので、こんな名前にしてみました。

単推し(複数推し)・箱推しも加味すると8分類

以上、4分類を見てきましたが、もちろん先述した通り「単推し(複数推し)・箱推し」という概念も存在します。なので各4分類においてもそれぞれ「単推し(複数推し)か箱推しか」で2分割できます。なので合計では8分類できることになります。

「じゃあその8分類も図示しろよ」っていう話なんですが、8種となると名前をつけるのも大変なので、サボって4分類までにしました。

筆者は「バックスタンド俯瞰型・箱推し」

そして自分はどこかというと、左下(バックスタンド俯瞰型)で、かつ「箱推し」になるかと思います。

筆者の位置(左下)

記事冒頭で述べましたが、僕が感じていた「熱量」みたいな話は、おそらくメンバー忠誠型とかゴール裏サポーター型といった奉仕的なタイプの人を見て感じたことをそう表現していたんだと思います。なぜなら自分が功利的なタイプだからです。特に「メンバー忠誠型・単推し」の人は自分とは真逆になるので、シンプルに「すごいな」と思いますね。あの能動的な姿勢は自分には出せないです。

もちろん、誤解のないように補足しておくと、「奉仕的な人の方が熱量が高い」とか「人物志向な人の方が熱量が高い」というように一般化したいわけではなく、「自分と対極にいる人には自分とは違う種類の熱量を(主観的に)感じる」というだけのことなんだと思います。
「熱量」とか「推しへの愛の強さ」みたいな概念は比較不可能であり、どちらが高いとか低いとかを定量的に言えるものではありません。しかし、この記事で述べた分類の観点などから、自分とは異なるタイプの人を見て、あくまで主観的に「熱量の種類の違い」を感じ、その感覚を「あの人は熱量が高い」などのように主観的に表現する、ということはあるのかなと思います。

まとめ

一案として、大所帯アイドルグループの推しスタイルを「奉仕的・功利的」軸と「人物志向・所属志向」軸に切って分類してみました。

おそらく実際はベクトル量で、奉仕的度数・功利的度数、所属志向度数・人物志向度数とそれぞれに量がある気がしますが、四象限が直感的で分かりやすいのと、大まかな傾向としては分類可能だと思うので、そうしてみてます。

さて、あなたはどのスタイルに当てはまるでしょうか?

ご意見・ご感想などあればお気軽にコメント等までお寄せください!お待ちしています!

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