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本間龍氏講演会 報告レポート

2018年8月4日(土)開催
「本間龍氏講演会 in 高崎」
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1125442364271429&id=100004170274368

こちらは本間 龍さんの新刊「ブラックボランティア」について講演をしていただきました。そして東京五輪と電通等のメディアがどのよう関わっているのか、その内容についてご紹介致します。

本間龍氏著「ブラックボランティア」角川新書
http://amzn.asia/d/iEWjkmm

◆東京五輪ボランティアではどのような活動を行うのか?

ボランティア活動は多岐に渡りその中には
「案内、移動サポート、アテンド、運営サポート、ヘルスケア、テクノロジー、メディア、式典」などがあります。その中で特に人員が必要とされているのが「案内」です。こちらは約25,000人必要とされています。そしてこの案内サポートのボランティアは酷暑の中、屋外に立ち会場整理や道案内などを行います。実際に長野オリンピックで起きた事例のひとつとして極寒の中会場整理を行っていた学生が長時間待たされた観客から八つ当たりをされたということが起きていました。その様子が長野県の信濃毎日新聞に掲載されています。今回の東京五輪は酷暑の中行われようとしていますが同じようなことが再び起こってしまうのではないかと懸念されます。このように見ていくと、ボランティア活動の対象は主に大学生以上と思われがちですが、実はそうではありません。組織委員会のホームページには「東京2020ボランティア戦略」というものがあり、ここには小学生・中学生・高校生の全児童がボランティア活動の対象者とされています。
「東京2020大会に向けたボランティア戦略」の策定について
https://tokyo2020.org/jp/news/notice/20161215-01.html

◆小学生のボランティアはどのような活動を行うのか?

オリンピック聖火は平和や希望の象徴とされており聖火の光が多くの人々にとって希望の道を照らしだすものとされています。そのため、東京2020聖火リレーは2020年3月26日に福島県からスタートする予定です。
【東京2020オリンピック聖火リレー】
https://tokyo2020.org/jp/games/torch/

この聖火リレーの応援やマラソン競技の旗振り応援として子供たちが集められる可能性があります。選手が通過するところを子供たちが応援する様子がメディアでは報道されますがそれを再現するために、今後各家庭に回覧される通知(回覧板等)を通じて早朝や炎天下の中、召集されることが考えられます。

◆中学生・高校生のボランティア活動はどのようなものか?

主に部活動に参加されている方が動員される可能性があります。例えば、吹奏楽部。
選手が走っている横で演奏をしてほしいと依頼された場合、文部科学省から通知を受けた学校はそのまま引き受けてしまう可能性が高く、炎天下の中やりたくないと反対する生徒がいたとしても、部活動や授業の一環として参加を余儀なくされてしまいます。そして2018年3月には11万人ボランティア以外に「中学生・高校生枠」を新たに設けることが発表されました。例えば、テニス部やサッカー部に所属している子供たちが競技会場のボール拾いなどに参加をした場合、観客誘導も一緒に行うことがあると発表されています。そのような活動に従事させられてしまった場合、倒れてしまう子どもが出ることが懸念されます。

このように大学生ボランティアを集めようとしているだけではなく小学生・中学生・高校生を含めた全ての学生がボランティア候補生とされています。しかし、募集されている人員は約11万人。海外からボランティアに参加される方がいたとしてもこの人数を学生だけで賄うには無理があります。ではその他の方法としてどのように人員を集めようとしているのか?それは「社会人の動員」です。1日8時間、さらに10日間以上の参加なんて無理だよ、と言いたいところですがその部分に対しても様々な見解を本間龍さんが述べてくだったのでご紹介致します。

◆社会人が動員されるとき、そこにはどのような手段が取られるのか?

話は少し戻りますが、学徒動員として大学生を参加させるために大会期間と重ならないよう、授業や試験日程を繰り上げたり、祝日授業を提案する通知が文部科学省から出されました。
そしてこの通知を出すにあたって文科省が五輪担当大臣に要望を出したということは、このあと労働組合を管轄する厚生労働省や東証一部上場企業を中心に構成される日本経済団体連合会に対して同様の通知が出されることが考えられます。さらにボランティア保険というものが企業で導入されていますが、その導入率は現在10パーセント以下とされています。これをあと2年で20~30%に引き上げることで社会人を五輪ボランティアへ動員できないかと考えられています。このように学徒動員、社会人動員、家庭への応援要請など様々なかたちで参加者を増やそうとしています。しかし、ここには例外とされている世代がいます。それは「シニア世代」です。積極的に募集をかける対象として小学生まで明記されているのになぜかシニア世代は記載されていないのです。

◆なぜシニア世代はボランティア募集に明記されないのか?

東京五輪ボランティアに興味がある方は積極的な応募が可能となっていますが、酷暑の中開催される東京五輪にとって65歳以上の方々は熱中症で最も重篤になる危険性が高いためシニアを募集要項に入れたのち重篤者や死亡者が出てしまうと組織委員会の責任になります。
そのリスク回避のためにこの募集要項には明記されていないことが考えられます。そしてこれはシニアだけに限らず、子供から大人までのボランティア参加者は雇用関係を結んでいるわけではないため酷暑の中もしものことがあったとしてもボランティア保険で賄えるまでの範囲が保険対象であり、組織委員会が責任をとったりもしものときに守ってくれるような記述はどこにも明記されていません。それならばこの酷暑という時期を外せばこのような危険は回避できそうですが、なぜあえてこの時期に実施しようとしているのでしょうか。

◆なぜこの酷暑の時期に東京五輪は開催されようとしているのか?

東京五輪には様々なスポンサーがついていますが、その中でもIOC(国際オリンピック委員会)最大のスポンサーであるアメリカの4大ネットワーク「ABC・CBS・NBC・FOX」これらがIOCに何百億、何千億という単位で莫大な放映権料を支払っています。そしてこの真夏は野球やアメフトなどのスポーツ開催が行われず夏枯れ状態となっています。そのため上記テレビ局の要請により7月下旬~8月上旬にオリンピックが組まれることになっています。さらにこのような酷暑の状況では毎日のように不要な外出自粛を伝える熱中症警報が出されていますがこのオリンピック開催期間はその警報を見る機会がなくなる可能性があります。なぜならオリンピックを応援することと、外出を自粛する動きが同時に起こってしまったら矛盾が生じてしまうからです。このようなことを行うためにはお互いの民放テレビ局で調整していく必要があります。ではそのような活動を行うためにあらためてどのようなスポンサーが東京五輪と関わっているのかご紹介していきます。

◆東京五輪にはどのようなスポンサーがついているのか?

☆ワールドワイドパートナー
IOC(国際オリンピック委員会)に含まれ、現在世界各国で13社加盟。5年間で約500億円のスポンサー料を拠出すると言われ、トヨタ、パナソニック、ブリジストンの日本企業が含まれる

☆ゴールドパートナー
☆オフィシャルパートナー
☆オフィシャルサポーター
JOC(日本オリンピック委員会)に含まれ50社加盟、現在4000億円ほど集められていることが推測される

これらの組織委員会がスポンサー企業から受け取っている金額は明らかにされていません。なぜなら守秘義務だから・・と。
しかしオリンピック開催には多額の税金が投入され、さらに立候補時にはスポンサーシップから集める金額は920億円で足りるといっていたのに現在はその4倍以上の金額を集めています。しかもそれほど集めているにも関わらずボランティアは無償で働かせ、同じ場所で働くボランティア以外の人々は仕事となり当然給料が支払われるという仕組みになっています。たとえボランティア10万人に日当1万円を支払い20日間働いてもらったとしても200億円あれば足りる金額です。4000億円以上集めているにも関わらずこの200億円さえ支払うことを避けている状況です。この問題に対してほとんどのメディアは報道せず、真実を伝えようとしない現象が起きています。ではなぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか?

◆「メディアが報道しない」というその背景にはどのような事実が隠されているのか?

メディアは広告への依存率が非常に高く広告主を運んできてくれる電通や博報堂に対して発言力がとても弱くなります。さらに五輪スポンサーになったマスメディアは本質的な批判が出来ない状態になってしまいます。そして国家の三大権力である「司法・立法・行政」これらを監視するはずのメディアを遥かに凌駕する巨大な力をもっているのが電通です。この企業はほとんどの民放テレビ局の株主であり、さらにクロスオーナーシップとしてテレビ局と新聞社は繋がっているため、全国紙(朝日・読売・毎日・日経・産経)が全てスポンサーになってしまった今、資本関係にある新聞社は翼賛記事ばかりが増えていってしまいます。

◆なぜここまでして電通を含めたマスメディアは無償ボランティアこだわるのか?

東京五輪終了後、これから招致しようと考えられているイベントとして札幌オリンピックや大阪万博などがあります。そのほかにもラクビーワールドカップや国際陸上、国際水泳など国内で開催される多くの巨大イベントに電通は関わっています。そしてこのような巨大イベントを開催することで国民から新たな搾取システムを構築しようとしていることが考えられます。それは国民の反発を招かず聞こえの良い美辞麗句を並べることで働いていただこうとするものです。そしてそこで働く人々は有償ボランティアではなく無償ボランティアとしてタダで働いてもらいこれから新たな利潤を得る仕組みを築き上げようとしているのです。

このようにボランティア問題は大学生だけに限らず、お子様や社会人にも関わってくる問題です。そしていざそのようなことが起こってしまった場合、反論するのか、それとも仕方がないと従うのか・・その点について本間龍さんは今後ポータルサイトを設立する予定があるそうです。その主な内容は

・〇〇地区の◆◆学校にて召集がかかっている
・▲▲地区ではこんなことが起こっている

このような内容をTwitterではなく、サイトをつくることで永久掲示にしてしまおう。そしてそれらを掲載することでこれからこんな問題が起きるよ!ということを皆で共有することが可能となります。一人で戦えなくても同じ考えをもつ仲間が集まったならば、それは少しずつ広がっていき、やがて大きな力になっていくのではないかと思います。

【追伸】

私がnoteを書くきっかけになった方をご紹介致します。

このnoteを作成するにあたって参考にした方、それは出雲 智之さんです。

この方は2018年1月14日に烏賀陽弘道さんをお招きしてイベント開催を行った方です。

2018年1月14日開催 
第1回「音楽とリテラシー」
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1509482475796245&id=100002035223069

では、なぜ出雲智之さんが気になったのか。
それは考えや思いを直接本人から聞く機会があったからです。先日、都内にてお会いする機会がありその際に音楽に対する熱い思いを聞き、そこでとても真剣に向き合っていることが伝わってきてすごく応援したいな・・と思いました。そして音楽に携わる現状をnoteにて伝えて下さっていてその方法がまさに全文公開でした。

出雲智之さんnote
「音楽業界の市場規模について」
https://note.mu/todd/n/na09b496ed550

「チケットノルマ制度とは」
https://note.mu/todd/n/n0bf971a3da3b

「チケットノルマ制度の問題点」
https://note.mu/todd/n/nfa3944b84ce3

このnote冒頭には
「この記事は全文無料です。応援してくださる方は是非ご購入の程宜しくお願い致します。」と書かれておりました。
(出雲智之さんnoteより引用)

これを見たことで
「この方法なら私にもできるかも。
まずはこのやり方で公開してみようかな・・」
と思い、まさにこれが最初の一歩を踏み出すきっかけになっていました。さらに出雲智之さんは、今後のミュージシャンがよりよい活動ができるようにと当日開催したイベントを編集し、その販売活動をされております。

出雲智之さん主催イベント 
◆第1回「音楽とリテラシー」購入ページ
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1580124788732013&id=100002035223069

ぜひこちらも合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

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