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ひなフェス、灰toダイヤモンド、そして山﨑夢羽さんにまつわる一連の感情【BEYOOOOONDS】

去る3月30日、私は幕張メッセ国際展示場第9ホールにいた。
ひなフェス。ハロプロ全メンバー総動員で行われる年に一度のお祭りだ。
ハロオタになって5年目、現場に行き始めて1年半、私にとっては初のひなフェス現地参戦ということで、期待に胸を膨らませていた。


筆者はまあ一般的なハロプロDDオタクだ。このグループが特別好き!というのも時と場合による。
いや、一昨年の秋ツアーから昨年春の武道館公演にかけてはDDながらに「自分、ビヨーンズのことめちゃくちゃ好きだな…」と思っていた。
のにここに来てのビヨ秋ツアーなし。ということでライブ至上主義オタクはあっさり浮気してモーニングやらアンジュやらの公演へ遊びに行っていたのだ。楽しかったね。
昨年の桃々姫(推し)バーイベは私生活との兼ね合いがつかず行けなかったり、冬のハロコンのチケを取っておらずその期間で地下アイドルに浮気しまくっていたこともあり、自分の中でビヨーンズのことは数ある好きなグループのうちの一つ、くらいになっていた。


話をひなフェスへ戻すと。
私が参加したのは3月30日の夜公演、アンジュルムプレミアムだ。私はどの公演でもよかったので、同行者である学校の後輩(ライブ初参戦)のリクエストでアンジュ回になった。

夜公演なので、当然開演前に昼公演の様々な情報が流れてきた。その中の一つに「ビヨーンズ、ニューシングル発売!」というニュースがあった。
その知らせを見たときの私の反応は「お!やっとか!よかったね~」というくらいのもので、曲名をちらっと見て今回はどんな寸劇なのかな~なんて思っていた。

公演が始まり、アンジュルム、研修生、オチャノーマと曲を披露していく。
そしていよいよビヨーンズのターン。登場の演出映像が流れ、メンバーがメインステージへと上がってくるシルエットが見える。
メンバーが位置につき、映像が終わるとともに暗闇の中で流れ始めたのが、新曲『灰toダイヤモンド』だ。

初披露時の映像(3:24~)

何もかもが最高だった。
桃々姫のトークボックスが聞こえ、「Diamond Diamond…」と美しいハーモニーが響き、始まったのは小気味いいファンクナンバーだ。
そこには彼女らがデビューからずっと続けてきた寸劇要素は一切なかった。
代わりと言っては何だが、寸劇のインパクトに隠れがちであった彼女たちの歌唱力やダンススキルの高さがそのまま、ありのまま詰め込まれていた。
なんか全員歌がうめぇ。なんか皆めちゃくちゃ踊ってる。ハモりもフェイクもえぐい。平井美葉さんがかっこよすぎる。
圧倒されすぎて、感動しすぎて、そんな単純な感想しか出てこなかった。横にいるのが後輩じゃなかったら泣き崩れていたと思う。

メンバーのスキルもさることながら、曲そのものがめちゃくちゃ自分にウケた。ノリやすくて明るくてキラキラしてて。
ハロプロのファンクなんて挙げきれないほど名曲があるわけで、その系譜の中にビヨがいることが嬉しい。
一年も待たされたことは許せないけど、一年待った甲斐はあったと思う。

このステージを見て、アイドルを応援するってこういうことだよな、って久しぶりに思った。
年が明けてから3か月くらい通い詰めていた地下アイドル現場では、ライブ中はいい感じの立ち位置を確保してレス乞食をし、特典会ではアイドルと他愛のない会話を楽しむ。それももちろん楽しいし、アイドルの活動に貴賤はないことは強調しておきたい。
でも私が初めて好きになったアイドルはハロプロだし、初めて行ったアイドルのライブもハロプロだし、私にとってはアイドルを応援するという行為における全ての原体験がハロプロなのだ。
大好きなハロプロの音楽、しかも素晴らしい新曲を大音量で浴びて、メンバーのハイクオリティなパフォーマンスに圧倒されることの楽しさと喜びを思い出した。

とまあそんな感じで魂をすっぽ抜かれたので、公演中はずっとビヨのことを考えていた。アンジュプレミアムなのにね。ごめんね。


そしてこの『灰toダイヤモンド』、略して灰ダイのMVが公演当日の21時に公開ということで、帰りの電車の中で時刻ピッタリに見た。

事実をありのまま言うと、電車内で泣いた。あふれ出る涙を止められなかった。車両で私以外に2人くらいしか客がいなかったのが不幸中の幸いだった。

失礼ながらハロプロのMVとは思えないほどオシャレ。鏡張りの電話ボックス、良すぎる。紙吹雪が舞う白黒の空間でメンバーがニッコニコで踊ってるのを見ると、こっちもなんか笑顔になる。
メンバー、美しすぎる。「ハロプロはスキル売りだから顔は…」みたいな定説、元よりへぇへぇさいですかと思っていたが、全員にこのMV見せてやるよ。

そしてやっぱり曲が良すぎる。
公演中は頭の中がいっぱいいっぱいで歌割とかあんまり意識できなかったけど、それぞれのいいところが際立っててめちゃめちゃいい感じに割り振られてる。
比較的歌に苦手意識のあったうーたんがラストのフェイクを任され、更にラップという新たな自分の武器を身につけているのを見ると、推しじゃなくても涙を禁じ得ない。
適材適所というか、一つの曲で全員が自分らしく輝けるのが最高にビヨーンズだ。「もっと君らしさ 遠慮せず輝きな」ってこういうことなんだ、って自分たちで体現してくれてる。

最寄り駅に着くまで何度も何度も繰り返しMVを見た。あらゆるSNSのアカウントでMVのリンクを載せた。私の好きなアイドル、こんなにかっこいいんだよ、って全員に知ってほしかった。


ビヨーンズは3月1日にメンバーの一岡伶奈さんが卒業したばかりだ。
序盤にビヨのことは数ある好きなグループのうちの一つ程度だった、と書いたが、この時ばかりは一晩枕を濡らした。
昨年末ごろからずっと体調不良で休んでいたいっちゃん。UFにしては珍しく病状や病名などを何も明かしていなかったのでなんとなく心がざわついてはいたが、それでもいつか帰ってくると思っていた。私もビヨ12人神話の信者だったから。
でもそれは叶わなかった。卒コンもなく、文面一つで、もしかしたら永遠にもなるかもしれない別れが告げられてしまった。
いっちゃんの書いた文章はとても誠実でいっちゃんらしくて、彼女の思いは十分伝わってきた。それを尊重したいとは思った。でもどうしてもすぐには受け入れられなかった。
ビヨーンズは12人でずっと活動していくんだ、もし終わる時が来ても12人一緒だ、4年間ずっとそう思っていた。そんな幻想はあっさり崩れてしまった。

ビヨオタたちに大きな衝撃を与えたいっちゃんの卒業発表から約1ヶ月。心の整理ができた人とまだできていない人とが混ざり合っているだろう時期に、11人体制初の新曲として披露された灰ダイ。

いける、と思った。
不本意な形でメンバーは減ってしまったけど、彼女らは最高の曲と最高のパフォーマンスを引っ提げてきてくれた。「ビヨーンズ、まだまだやれるぜ!」って全力で伝えにきてくれた。
このひなフェスを通じて、新たなビヨーンズの幕開けに純粋にワクワクすることができた。
ビヨーンズならこの星を未来未来(ミラミラ)にしてくれるに違いない。少なくとも私の心を未来未来(ミラミラ)にしてくれたのだ。ミラーボール。

春ツアーは横浜だけ申し込んでいて、当然のように落ちたし今季は入らないかな~と思っていたが、これは絶対にどこか行かばならないという思いが芽生えたので急遽遠征を決めてチケットを取った。
これからのビヨーンズの活躍が楽しみで仕方がなかった。


そうして私が勢いに任せてチケットを取ったのが4月4日。
チケ取ったど~!と呟くためにXを開くと、ある衝撃的な一文が目に飛び込んできた。

「BEYOOOOONDS 山﨑夢羽の卒業に関するお知らせ」


…………………………ん?


いやいやいやまさかね。

とりあえず一旦アプリをタスキルし、再度開いてビヨーンズ公式アカウントを覗いてみた。

「BEYOOOOONDS 山﨑夢羽の卒業に関するお知らせ」

うん、あるね。


えーーーーーーーっと、え?

あまりの急展開に理解が追いつかなかった。
卒業?ビヨから?しかも夢羽が?

だってついこの間いっちゃんが卒業しちゃったところで。
11人にはなっちゃったけど、久しぶりの新曲で、ちょっと趣向も今までとは変えて、名曲もらって再スタート!ってところだと思ってたんだけど。

ビヨーンズは一生12人で続くわけじゃない、って短期間で二回も思い知らされるとは思わなかった。夢羽は去年から卒業を話し合っていたと書かれているものの、こちらからすれば一人減ったのがきっかけになって全てが崩れていくような感覚にどうしても多少なってしまう。
精神面での功労者であったいっちゃんに続き、パフォーマンス面で大きく貢献している夢羽までいなくなるなんて。正直軽く絶望した。
アイドルは、ビヨーンズは、全員が主役だけど、その中でも彼女はビヨーンズの核だと思っていたから。

初めてビヨの単独に入ったのが一昨年の秋ツアー。
立川ステージガーデンで行われた公演で、なんと私は2列目を引いてしまった。しかもかなりセンター寄り。
文字通り目の前にメンバーがいて目が足りなかった。基本的には推しである桃々姫を追っていたが、それでも度々私の視線を奪ったのが、アイドル山﨑夢羽だった。
多分夢羽を実際に見たことある人ならわかるんだが、マジで夢羽って輝いてるんだよ。比喩とかじゃなくて。多分発光してる。
歌がバカ上手いとかそれ以前の話で、なんかもう人の視線を惹きつけるオーラがあるというか、何もなくても思わず夢羽の方を見てしまうのだ。何かしらの引力を発しているに違いない。
今もずっと、立川の2列目で見た夢羽の輝きが忘れられずにいる。

そんなスーパーアイドル山﨑夢羽だが、ただの王道アイドル枠には収まらず、動きや表情がコミカルな点が印象的だ。
ビヨ楽曲がそうだからというのはもちろんあるが、パフォーマンス以外の場面でもそうした様子はたくさん見られる。

アイドルのこんな表情を載せる罪悪感はある

むしろ夢羽のこうした一面がビヨの個性的な楽曲に繋がっているんじゃないかと思っている。
それだけ山﨑夢羽というのはビヨーンズにとってキーパーソンなのだ。

そんな夢羽が卒業。今まで経験したどのアイドルの卒業よりもショックを受けたし、SNSでの反応を見てても大きな波紋を呼んだのがわかる。

夢羽はもっともっと羽ばたける人だ。あの日、立川で彼女を見た日からずっとそう思っている。
可愛くて、歌もダンスも上手くて、面白くて、輝いてて、でも謙虚で。ナゴヤドームで5万人の歓声を浴びるべき人だと思う。決して豊洲PITで収まる人材ではない。
だから夢羽がもっと広い世界を目指すなら、それは純粋に応援したい。心からそう思っている。

でもオタクというのはやっぱりわがままなもので、どうしてもハロプロという箱が、ハロプロの楽曲が、そしてハロプロのアイドルが大好きなのだ。
ハロプロのメンバーとして歌い踊り自己を表現する彼女らが大好きで、ハロプロのメンバーとして輝く姿をずっと見ていたいと思ってしまう。ハロプロのアイドルとしてもっともっと大きな舞台に立ってほしいと思ってしまう。
まだまだビヨーンズとして上を目指す彼女を見ていたかった。これもまた私の抱える本音の一つであることは否定できない。

そんな葛藤を抱えながら、発表があった日の夜は明け方5時頃までSNSを漁っていた。眠れるわけがなかった。自分と同じような感情を抱えている人たちを見て、一人で勝手に共感していた。後輩から「生きてますか、、、、」と連絡がきていたが、「生きてません」としか返せなかった。


苦しみながらも一晩(もはや一朝)寝た。起きて唐突に思った。
とりあえず今のうちに11人のビヨーンズを目に焼き付けておこう。

12人から11人になる時は、あまりにも突然で、別れを惜しむ機会すらなかった。短いとはいえ、今回はまだ猶予がある。ツアーは今週(今日)からだし、2ヶ月以上続く。JAPAN JAMもビヨフォニもある。
今のビヨーンズを、私がもう一回惹きつけられたビヨーンズを、希望を感じさせてくれたビヨーンズを、少しでも多く自分の記憶に留めたい。

今後のことは今後考える。こんなクソみたいな自分の座右の銘に今は救われる。
というか残る10人のメンバーだってこんな精鋭だらけなんだから、きっとまた私たちのことを魅了してくれるに違いない。
とにかく今は、今しか見れないビヨーンズについていくのみだ。


人生でこんなに応援したいと思える、ワクワクさせてくれるアイドルに出会えたこと、一生の宝だと思う。
やっぱり俺、BEYOOOOONDSのことが好きだよ。

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