見出し画像

ラノベが打ち切りになる寸前、作家が「助けて!」と呟くことの是非

どうも、波摘です。

先日、Twitterを見ていたところ、

『ラノベが打ち切りになりそうな時、「売れないと打ち切りになるので買ってください!」と作家自身が呟いているのをたびたび見かけるけど、それって、自らネガティブキャンペーンしてるだけじゃない?』

というような内容の呟きをしているシナリオライターの方がいて、僕はそれをRTし、少し過剰に反応してしまいました。

そのこと自体は、頭を冷やした自分がすぐにタイムライン上、またRT先の方に直接謝罪して穏便に解決しているのですが。

冷静になって、きちんと考えてみると、作家が「このままでは打ち切りになる! 続きを書きたいので買ってください!」と助けを求めることの是非が気になってきたので、自分なりに分析していこうと思います。

この記事はみなさんにもご意見を求めたいです。
どの立場から見るかによっても、印象の変わる難しい問題だと思います。

ぜひ、noteのコメント欄ご自身のTwitterなどで、自分のご意見を発信してみてください。エゴサーチできる範囲で、僕はそれを拾おうと思います。

それでは本題へ。
(※今回の記事は、どの意見の、どの立場の方も傷つけないよう、配慮して書きました。ご安心してお読みください!)

1. 『助けて!』より、『ここが面白いから買って!』と宣伝すべき?
2. 人々は『他人の不幸』を拡散する。
3. 拡散された、その後

1. 『助けて!』より、『ここが売りだから買って!』と宣伝すべき?


Twitterを眺めていると、たまにライトノベル作家の方が、

売れなくて困っています! このままでは打ち切りです! 読者の皆様にもっと届いてほしいです!

と、いうような呟きが拡散されてくることがあります。

そういう場合、僕は何の迷いもなく「売れるといいね」と応援の意味を込めてRTボタンを押していました。

ですが、それを自らネガティブキャンペーンをしているのと変わらないのではないか、と指摘する呟きも以前からたびたび、お見かけしていました。

体感的に、そういう意見をお持ちになる方はラノベ作家ではなく、シナリオライターの方など、その他の文筆業の方の場合が多いように感じます。

印税と報酬で受け取り方法が異なるためかな、とも思いましたが、これはあくまで僕の主観ですので、聞き流してもらって大丈夫です。

そして、この前僕が反応した呟きをされた方は、

『売れてないから買って!』ではなく、

【ご報告】ラノベ読みの方々へ。このままでは打ち切りになってしまいそうです。この作品の売りはこういう部分です。絶対に面白いので、ぜひお手に取ってみてください!

というように、『ポジティブ』にその作品の売りを説明してくれれば、購入する読者が増えるのではないかという意味合いで、『売れない! 助けて!』という類の呟きに否定的だったようです。

ようは、自作の購入のお願いをすることについての否定ではなく、

『ネガティブ』ではない、『ポジティブ』な宣伝ツイートをすべきだ。

という考えを持った方でした。

ネガティブ』な宣伝ツイートはその作品に『売れていないもの』というレッテルを自分から貼り付けているようなものだ、ということですね。

こういう風に考える方がたくさんいるのは、正直理解できます。

読者としては、『売れていなくて打ち切りになりそうな作品』よりも『売れていて、安定的な続刊が保証されている作品』を読みたいですもんね。

ですが、作家側に立って考えると、一概にそうとも言い切れない部分もあるので、そこが難しいところなのです。


それは「そもそもなぜ、打ち切りになりそうな作品の『助けて!』というツイート」が拡散されたのか?」という理由にも繋がってきます。

本来であれば、応援する読者自体が少ないのだから、フォローしていないたくさんの人々の層にまで拡散されないはずですよね?

しかし、この類のツイートは1000RT以上、場合によってはもっとRTされることがあります。

これはいったいなぜなのか?

その理由について、自分が考えていることをこれから説明したいと思います。


2. 人々は『不幸』を拡散する。


先ほどの章では、『作品の売りをポジティブに説明すべき』という意見を取りあげましたが、僕はその意見に完全に同意することはできません

(そういう意見を持つ方々を否定する意図は全くございません。これは立場によって感じ方の異なる問題です。皆さんのご意見もぜひSNS上などで発信してください)

なぜなら、ほとんどの作家さんは『作品の売り』を丁寧に説明しつつ宣伝を兼ねたツイートを、すでに発売前にしているケースがほとんどだからです。

ですが、フォローをしていない作家さんのそんなツイートが何千リツイートも拡散されて自身のタイムラインに流れてきた経験が、みなさんにはありますか?

少なくとも、僕はありません。
そうしたツイートは、初めから応援しているファンの間での拡散の枠を越えることはほとんどありません。

ものすごく勢いのある作家さんなら別ですが、その場合はそもそも、打ち切りとは無縁です。

だとしたらなぜ、『助けて!』ツイートは拡散されるのか?


――それは、人間が本能的に興味を持つのは『ポジティブ』ではなく、『ネガティブ』な物事だからです。


『打ち切りになって続きが書けない。そんなのは嫌だ!』という作家の呟きから溢れる『不幸感』や、それを見た人々の『同情』や『好奇心』こそが、ファンの間だけでの拡散という枠を超え、新たな読者となりえる層にまで、その呟きを届けることを可能としているのです。

嫌な話ですよね。僕も書いていて嫌になります。
でも、この事実と向き合わない限り、この問題については語れないのです。

これが、僕が『ネガティブ』な『助けて!』ツイートを否定しきれない理由となっています。

初めは『同情』や『好奇心』からのRTかもしれない。
でも、そうやって拡散されていくごとに、その作品に興味を持って買ってくれる可能性がある、新しい読者さんのもとに届くと思うと、どうしても否定し切れないのです。


3. 拡散された、その後


拡散されたその後については、普通に考えると、二つのパターンがあるでしょう。

・新しく興味を持ってくれた読者さんのもとに届き、無事続刊が行われたケース

・拡散されても、打ち切りとなってしまったケース

これはまあ、どちらかになるのが普通として、こういうケースで続刊が行われたその後のデメリットについて、最後に考えてみたいと思います。

気をつけなければならないのは、大々的に『売れていない作品』であるというレッテルを自分で貼りつつも宣伝を重ねて続刊を成し遂げた場合、そのレッテルは続刊後も貼られ続けるという点です。

ああ、あの打ち切りになりそうだった作品ね」と、多数の人に作品名とネガティブイメージだけを持たれる可能性もあるでしょう。


――それでも、『助けて! このままじゃ打ち切りになる!』と声を上げる意味は確かにあると、僕は信じています。


結果的に続刊がされたのであれば、それだけ支持をしてくれた読者の方がいたということ。

ならば、あと作者にできるのは、

続刊という、その作品の魅力をさらに引き出すチャンスを上手く使って、支持してくれる読者さんをさらに増やしていくことだけです。

作品の魅力を伝えるチャンスがもう一度与えられるというだけでも、僕には非常に価値があることに思えます。

だから僕は今日も、『助けて!』と叫ぶ作家さんの呟きをRTするのです。


4. ということで。


現在、僕が直近でやっている仕事はマンガ原作です!!

『獣耳ロリ勇者はえっちな修正に困っている』という、なかなか刺激的なタイトルで連載しております。

この作品の売りは「お色気」×「小説文章添削」というなかなか目にしない組み合わせ!

中学時代に書いた自分の小説の世界に入ってしまったプロ作家の主人公が、未熟だった頃の自身の文章によって再現されるおかしな世界を、添削魔法にて修正していくというストーリーになっています!

閲覧は以下の三サイトさまから! もちろん無料で見られます。

たくさんの方に読んで頂き、お気に入り登録やいいねをしてもらえると、単行本になった際、発行部数も多くなり、打ち切りの心配もなくなると思います!

ぜひ、応援をよろしくお願い致します!!!



……と、こういう感じで単行本になる前から、作品の売りはみんな宣伝しているのですよ。

そして、最後にどうにもならなくなった時に行き着く『助けて!』ツイートとその拡散。

今までの経緯を考慮せず、拡散されたツイートだけを見た人がその作家さんを否定することを、作家の立場の僕は肯定できません。

ですが、自分が読者の立場になって考えた場合は、逆の結論に辿り着くこともあるでしょう。

非常に難しい問題です。
なのでぜひ、皆さんのご意見をお伺いしたいのです。

こちらのnoteの記事のコメント欄やTwitter、その場所はどこでも構いません。

この記事を読んで、何か思うところがあれば、ご自身の意見を発信して頂ければ、この記事を書いた身として本望です。


それでは、僕のマンガもよろしくお願いします!
どうにか『ネガティブ』宣伝ツイートをしなくて済むように願っています!(笑)


何かあればこちらへどうぞ! 僕のTwitterです。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

面白く感じて頂けたなら幸いです!
21

波摘(なみつみ)/作家

作家。ライトノベル、マンガ原作、ゲームシナリオ、児童書など活動範囲を広げている。【最近のお仕事】『デザイア・オーダー』(小説)/『獣耳ロリ勇者はえっちな修正に困っている』(マンガ原作)/『アウトロー・ワンダーランド』(小説)/『小説 二息歩行』『千年の独奏歌』(ノベライズ)

作家業をしていて思ったこと

作家として、普段考えていることを書いた記事をまとめていきます。

コメント2件

はじめまして!
記事興味深かったです。
僕も全面的に賛成です。
自分でネガキャンする前にいろいろやることあるじゃんって思います。
例えば「売れなくて困ってます。」ってことは商品の認知度が低いか、そもそも知られていないのか、みたいな状況であり、そんな中本屋に出たから売れるってわけでもないし、そんな打ち切りの状況にある商品でこれから面白くなる可能性ってどれくらいあるのかなぁとも思います。よく聞く話で、編集が宣伝してくれないとか、宣伝がーみたいに言う前に自費でもなんでも宣伝するべきでは?と思います。というかプロ根性が足りてないというか、やる気あんの?とすら思います。
そもそもラノベは週に何十冊も出てくる中でその作品を選ぶ理由ってこのネガキャンで買う人って慈善事業でしかないわけで、継続して買うお客さんにならないのでは?
とすら思います。
宣伝の仕方がわからないのであれば、ググレカス!と思ってしまいます。ツイッターでプロモーションかけたりとかなぜしないとかいろいろ思います。
本文に答えが出てますよね。
「売れるといいねと思ってRT」
でも自分は一銭も身銭切りません。
ハナっから買うつもりすらありません。
どこかの善人が買ってくれるといいね。
それで「売れたら見よ!これがSNSの力だ!」
無情に打ち切られたら「あぁ残念だったねドンマイ次あるよ」もしくはRTしたことも忘れて、次の打ち切られそうな作者のお願いRTして良い事した気でいるんですよね。
最初から自分が対価出すという選択肢は存在しないよね。 皆タダで良い事した気になりたいもの。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。