担当編集さんとの話し合い【マンガ原作者の作品宣伝奮闘記#1】

12月某日。
僕は角川のとあるビルのラウンジにいた。

なぜかお洒落バーみたいに薄暗い空間。格好いいけど、ここで打ち合わせするとしたら、メモ取るの難しくないかなぁ…なんてどうでもいいことを考えていると、五分ほど遅れて担当編集さんがやってきた。

担当さんが五分遅れ程度で登場してくれたことにほっとする。
たまに無限に待たされて、「いや、いつまでここにいればいいんだよ」と思うことも多々あるのだ…。というのはただの愚痴。

その日、角川ビルを訪れたのは、ある打ち合わせのためだった。

自分が原作を務める『獣耳ロリ勇者はえっちな修正に困っている』の打ち合わせ…だったのだが、その議題は今まで作家として活動してきた上で、あまり経験のないもの。

担当「ということで、今日は獣耳ロリ勇者の『宣伝販売戦略』について考えましょうか」

僕「そうですね。この場を設けて頂いて、本当にありがとうございます」

そう、この日の打ち合わせは作品の内容についてではなく、単行本になった時の『宣伝販売戦略』についてだったのだ。

実際にはこんなにスムーズなやりとりで打ち合わせに入ったわけではなく、

僕「某コンビニで買ったいちごオレが、僕の思ってた甘いいちごオレじゃなくて、酸っぱさが前面に出てるんですよ!」
担当「いや、まずこの歳で、いちごオレ選ばないけどね」

とかどうでもいいやりとりからスタートしたけれど、それはそれとして。

今回の打ち合わせを設けることになった理由は、はっきりとは覚えていないけれど、たぶん、僕が提案したからだったはずである。

ちょうど、僕がnoteを始めたこともあり、色々と考えを書き綴っていたら、それを担当さんが読んでくれていて、「それじゃあ、今回は一緒に考えましょう!」という流れになった気がする。

本を売るのは、言うまでもなく出版社の仕事だ。
そして、その本を作るのは言うまでもなく作家の仕事。

今まではそういう境界線を引いてやってきた。
でも、もうそれが通用しないことを、今までの経験から僕は痛感していた。

面白ければ売れる、とか、出版社がやるべきことをやっていない、とか、そんな言葉がネットには並んでいるけれど、僕は違うと思う。

面白くても売れない作品は山ほどある。それに気付いていないだけ。
出版社はやるべきことをやっている。それでも売れない時代になっただけ。

その前提で、僕は今日の打ち合わせの場にやってきた。

まず、僕が行ったのは、単行本発売までに通常行われる宣伝手段を全て教えてもらうことからだった。

さすがにその全てを書くことはできないけれど、単行本発売時にバナーを打ったり、関係各所にリリースを流したりと、一通り、編集さんが通常行う宣伝手段について聞き終えたところで、担当さんは言う。

担当「と、ここまではどの作品でもやっていることなんですよ。でも、波摘さんもおわかりでしょうけど、それだけじゃ売れない」

僕「もちろんです。今日はその先、+αの話をしに来たんですからね」

基本的に『宣伝戦略』について門外漢の僕はひとまず、普段行っていることを全て知る必要があった。今までの担当さんの説明はそのための時間だった。

そして今回話題とすべき点は、他の作品では行わない『獣耳ロリ勇者』ならではの、宣伝やイベントなどだ。

他と同じことをやっていても、日々大量に出版されるマンガの中に消えていくだけだ。だからこそ、『自分の作品ならでは』を求める必要がある。

noteでこのエッセイを書き始めたのだって、その一つだ。
他の漫画家さんはイラストを武器に宣伝を行う。でも、文字書きである原作者の僕にはそれができない。

でも、こうして足掻く様子を面白く描くことができれば、それは作品へ興味を持ってもらうことに繋がるだろう。と、いうようなことも担当さんに話した。

そして、それから僕たちは宣伝を実施する時期をいくつかに分類することから始めた。

具体的には『連載作品の認知を高めること(常時)』、『単行本発売前施策(1~2月頃実施)』、『単行本発売時施策(春頃)』である。

連載ペースからの考えて、単行本の発売時は春頃(実際にはもっと具体的な日付まで出ましたが一応伏せます)にするということを決め、そこから逆算で色々な案を出していった。

すると、不思議なことが起こった。
「こんなことはできますか?」と僕が訊ねると、担当さんのほとんどの返事が「できますよ」だったのだ。
そしてそれは、通常行う宣伝パッケージには含まれていないものばかり。

自分から行動を起こして始めて、+αでできることの多さに気付いた。
当然、僕のタスクが増える案も多く、向こう側からは提案しづらいことも多かったのは事実だけれど、こんなに色々できるなら、初めから教えてよって感じがしなくもない。

いつものように僕が首を突っ込んでいなかったら、形式的な宣伝パッケージが行われ、それで終了になっていたかもしれないと思うと、少しぞっとする話だった。(もちろん、担当さんが提案してくれていたかもしれないけれど)

【#2へ続く(下のリンクからどうぞ!)】

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【マンガ原作者の作品宣伝奮闘記】

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