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幼保無償化:なぜリスクを取った積み立てが必要なのか?

ファイナンシャルプランナーの吉岡奈美です。
10月にスタートする幼保無償化。幼稚園や保育園への支払いが少なくなるこの機会に、家計の見直しと教育費の積み立てについて考えましょう。と、前回noteでまとめました。

もしかしたら「せっかく幼稚園・保育園への支払いが減るのに、なぜわざわざ苦しい家計から積み立てを増やさなければならないの?」と、憤りを感じた方もいらっしゃったかもしれません。

今回は、親世代は無理に取らなくても大丈夫だった運用リスクを、なぜ、私たちがあえて取る必要があるのかを考えたいと思います。

金利推移を確認しましょう

これは財務省HPの過去の金利情報データをグラフ化したものです。10年物の金利が掲載されていた昭和61年(1986年)から今年までの推移を表したグラフになっています。

 ざっくりとグラフの形をみてください
 細かい数字をみる必要はありません


昭和の終わりに8%だった金利が、平成に入って、坂道を転げ落ちるように下がっているのがわかりますね。

ライフプランをあてはめると...

グラフに合わせたライフプランを追加します。

親世代の目線
まずは、現在64歳の方が子育てをしていた過去のケースを検証します。昭和61年に子どもが生まれ、その子が高校に上がるまでの15年間、10年満期の定期預金に預けていたと仮定すると、その間の期間平均利回りは、4.82%になります。

子世代の目線
次に、現在までの15年間の期間平均利回りをみてみると、こちらは0.84%になります。

利回り効果の差を確認
前回noteで検証した、15年間 月1万円積立の比較結果はこちらでしたね。
① 年利 0.001% ⇒15年後積立額 約180万円
② 年利1% ⇒ 約194万円 (+14万)
③ 年利3% ⇒ 約227万円 (+47万)
④ 年利5% ⇒ 約267万円 (+87万)

親世代の平均4.82%に一番近いのは
④ 年利5% ⇒ 約267万円 

子世代の平均0.84%に一番近いのは
② 年利1% ⇒ 約194万円

改めて比較検証するまでもないでしょう。
この差は一目瞭然!
まったく同じだけ頑張っても、金利状況が違うので73万円も差が生まれてしまうのです。

知らないことが最大のリスク

子育てに関して困ったり、迷った時、まずご両親に相談する方がほとんどだと思います。相談された親世代の人は「あなたの時は○○だった」と、誠意を持って記憶をたどり、アドバイス下さると思います。

ですが、そのアドバイスは、経済環境の変化や、金利水準の変化による影響度合いまでは加味されていないことがほとんどです。なぜなら日本人はお金の話を家族の間であまりしたがらない国民性を持っているから。

高度成長期はそれでもまだよかったのです。
でも、今はそれではダメなのです。
「難しそうだから」「経済なんてわからないから」と、知らないままでいることが最大のリスクであることをまずは認識して欲しいのです。

リスクとは、不確実性のこと
一般的にリスクのある運用と聞いて、思い浮かべるのは「損するリスク」だと思います。ですが、運用の世界における「リスク」とは「不確実性」の度合いを指しているので、資産が増えることもリスクだと考えます。また改めてnoteしようと思いますが、一攫千金を狙うようなものを投資とは呼ばないことだけ今は覚えてください。

まとめ

10月にスタートする幼保無償化。幼稚園や保育園への支払いが少なくなるこの機会に、家計の見直しと教育費の積み立てについて考えましょう。

私たちを育ててくれた親世代の教育費積み立ての常識は、今となっては非常識です。マイナス金利が続く限り、個人が適切なリスクをとって預金以外で運用していくことも必要です。

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