フランスの地方都市に半年間留学した話(文化編)

今年1月から半年間、フランスのレンヌという地方都市にあるINRIA(フランス国立情報学自動制御研究所)という研究所に留学していました。フランス語は何も分かりません。

(↑※これはパリとリヨンの景色)

日本という島国に住んでいると、「欧米では〜」みたいに超ざっくりと海外の文化を認識したりするのをよく見聞きしますが、そもそも欧と米だって全然違うし、さらにヨーロッパの中でもそれぞれの国が独自の文化を持っていて、ロンドンとパリなんて電車で2時間なのにまるで違っているわけで。観光旅行で数日滞在するくらいでも確かにそんなことくらい感じ取れるのかもしれませんが、半年住んでみるとその国の文化というものを肌で感じ取れるので、研究以外でも普段の生活から毎日発見があってとても楽しかったです。日本とはまったく文化の異なる、英語圏でない(=故に、生の情報が入って来づらい)フランスという国で生活できたのは貴重な体験だったな、と思うので年が変わらないうちに感じたことをツイート中心にまとめてみました。「フランスは〜」「日本は〜」と主語が大きくなってますがあくまで個人の感想です。

目次
■  信号無視から見るルールの在り方
■  不便さが生み出す寛容さ
■  生産性と働き方

信号無視から見るルールの在り方

フランスに限らずヨーロッパ圏だいたいこんな感じっぽいですが、個人主義とも関連があるようです。たしかに車のない道路で信号待ちをしている日本人が気にしているのは、車が来るかどうかよりも周囲の目です。

日本はルールを細かいところまでかっちりと定めてトップダウンで運用するので、古い文化に則ったルールをいつまでも使い続けて現場では融通が利かなくて疲弊したりしますが、フランスではルールが定まりきっていなくて、現場の運用でどうにかしてる印象です。担当者の気分で言うことが全然変わるので、ビザ関連の手続きとかほんっっっとうに大変だったのですが、その分ある種規則に縛られずに合理的な判断ができていたりするので、一長一短でもあるな、と感じました。

不便さが生み出す寛容さ

ただその帰結というべきか、フランスのサービスって本当に適当というか、東京の生活に慣れているとあまりに不便なことだらけで。

コンビニがないのは当然としてスーパーは平日夜19時ごろには閉まるし、日曜日やってないし、賞味期限切れの品物が平気で陳列されてるし、宅配も全然ちゃんと届かないし、ランチの営業時間も短いし、高いし、100均もないし、ストライキばっかだし、、、と挙げ始めるとキリがないのですが、あくまで消費者視点に立った場合の話です。


安い価格で美味しいものを全国どこでも24時間提供できる店があるということは、(営業努力もあるけれど)低賃金で夜中も働いている人がいるということの裏返しであって、そこまでして労働者が低い立場に立って「お客様は神様」を貫く必要ってあんまりないんじゃないかな、と思いました。実際、コンビニがなくても日曜にスーパーがやってなくても、意外と全然やっていけました。「まあフランスだしね」と思うとなんでも許せるものでした。不便さと寛容さはセットになっていて、逆に日本の便利さは「けしからん」とクレームをつけるような客の傲慢さを生んでいるのかもしれないな、と思いました。

また、フランスの田舎暮らしだったので、フランスと日本の対比であると同時にレンヌと東京という地方と都心暮らしの対比でもあったわけで、その意味でもどこまで日頃の暮らしに便利さや刺激を求めるか、その代償をどの程度受け入れられるだろうか、と考えるきっかけになりました。

生産性と働き方

じゃあそんなフランスの労働環境ってどんな感じなのかというと、噂通りめちゃくちゃ休暇とってました。定時に皆帰るし、土日は強い意志で働かない。

休暇は当然の権利なので、遠慮せず堂々と皆休みます。

そうした光景を見ているとやはり気になるのが「どうやって帳尻合わせをしているんだろう?」という疑問です。よく「フランス人は生産性が高い」とか言われたりするのですが、普段すごい集中してるかというとそうでもないっぽいのですよね。私は所詮よそ者だしフランス語もわからないので、結局傍から見てるだけだと秘訣はよくわからず、謎に包まれたままでした。でも、不便な生活を与えられればそれに合わせて生きるようになるのと同じで、定時に帰るだとか休暇を取るだとか一度強い意志で決めてしまえばどうにかなるもんなのかなという気がしました。
ただ、休暇が取れるフランス万歳!日本はダメ!オワコン!と言いたいわけでもなくて、実際フランスに長く住んでみればいろんなダークサイドも見えてくるのかもしれないなと思います。物事にはいろんなトレードオフが存在しているという事実を広い視野で認識した上で自分の天秤で測って、自分の生きていく環境を選んでいくのが大事だなと思いました。

つづく

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Nami Ogawa

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