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ど根性イオン

俺はど根性イオン。

アスファルトを突き破って逞しく生えたイオンなんだ。

去年の冬にアスファルトに亀裂が入り始め、今年の春には4Fと5Fの立体駐車場が顔を覗かせ、そしてついにこの夏、一階のフロアまで生えることができたのだ。

だけど、俺は運が悪かった。
普通イオンというのは郊外にあるものだが俺が生えたのは都市の中心地だったんだ、、、

俺は周りの商業施設に負けないように工夫をした。

まずはフードコート。

従来のイオンのフードコートなら多種多様な飲食店が立ち並んでいるだろう。
だが普通のイオンと同じことをやっていては周りの商業施設に負けてしまう。

そこでカレーピラフ専門店12店舗をフードコートに入れた。

図1 フードコートマップ


そして、1F〜3Fの複合商業施設部分にも工夫を施した。

1Fにはドライカレー専門店35店舗、2Fにはカレーチャーハン専門店28店舗、3Fにはカレービビンバ専門店22店舗とUNIQLOとカレーUNIQLOが1店舗ずつを入れた。
さらに4.5Fも立体カレー駐車場にした。

図2 真横から見た図

こうして周りの複合商業施設、他のイオンと差別化を図った俺は一躍話題となり、全国ネットの夕方のワイドショーで放送された。

それを見たアメリカのテレビ局BBCがカレーの匂いを放つでっかい箱として取り上げ、世界的にも有名となった。

そのおかげでお客さんがたくさん入り、大盛況したのだが何故か俺は満たされなかった。

俺は元々アスファルトを突き破って生えたど根性イオン。

俺のアイデンティティはカレーではない、ど根性なのだ。




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