もっと紙にこだわれよ

写真の会合

今回お話するのは、写真のテクニック的なことではなく、写真を印刷する「紙」について。

ある写真の会合に出席しました。

参加者は自分を含めて23名。プロとハイアマチュアばかりでシロウトはいません。

ジャンルは、参加者の8割ぐらいが風景。他は野鳥とスナップ。海外ものは自分だけ。

この会合は、主に写真についていろいろな意見や情報を交わすこと。写真を通じて交流するということですね。

会合の後半には、各自持ち寄ったA4サイズのプリントを提出し机の上に並べて、自分の作品以外ですばらしいと思う写真に票を投じる、ということを行います。

みなさん、作品のレベルが高い。

プリント用紙を見て感じた違和感

机に並べられた写真を見て、ん?と感じた違和感がありました。

自分ともう一人以外は全員ツルテカの光沢紙。風景写真を撮られてる方が多いので、光沢紙を使われているのでしょう、と最初は思った。それにしても、やたらと光沢紙が多いな。ここで最初の違和感を感じました。

光沢紙を使われていない方は、マット紙でスナップ写真を印刷されていました。写真と紙質が合っていました。

自分は、半光沢紙。

私のプリント環境

私のプリント環境についてお話します。

3世代前のE社のプリンターでP社の半光沢紙に印刷。

E社の顔料インクとP社の半光沢紙の組み合わせで印刷すると、自分が求めている印刷結果にかなり近いので、昔からこの方法を採用しています。

E社の顔料インクは、目詰まりしやすいデメリットはあるものの発色がすばらしい。染料インクがダメと言ってるわけではないですよ。C社のプリンターもいいものを発売しています。使ってみたい気持ちはあるのですが、お値段が高いですよね。

最近のプリンター事情は、機材を更新していないので詳しいことはわかりません。3世代も前のプリンターでも今のところ不満がありません。故障しないかぎり買い換えるつもりはないです。

純正紙を使うと印刷結果がいいとは限らない

プリンターで写真を印刷するなら、普通の人ならまず純正紙を買うでしょう。純正紙を使うと写真がきれいに印刷されますよ、とメーカーも謳っていますよね。私もプリンター購入直後は、純正紙を使いました。写真印刷に適した何とかピアっていう高光沢紙。メーカーは、写真印刷最高峰と宣伝しています。

で、印刷した写真を見てガッカリしたんですよ。写真そのものが悪かったわけではなく色ですよ、色。色乗りが浅く、自分が求めているものとは違っていて、こんなはずじゃないって思ったんですね。プロファイル設定も問題ないです。

試しにE社純正の何とかピア以外の用紙も買って印刷してみたら、見た目が悪く、やっぱり印刷結果に満足できなかった。

何か違うな、と思ったので家電量販店へ行き、売り場にあった写真印刷用紙を全種類購入して、試しに印刷してみました。C社の紙もE社のプリンターで印刷しましたよ。もちろんそれぞれの紙に合わせたICCプロファイルを設定してです。

その結果、自分が満足できたのは、P社の紙。その中でも特に半光沢紙が一番色が濃く鮮やかで色乗りが良く、海外の写真とも合っていました。

この実験でわかったことは2つ。

1つは、写真印刷に純正紙を使ってもいい結果になるとは限らない。

もうひとつは、紙によって印刷結果、つまり見た目の印象が変わる。

プリンターと印刷用紙の組み合わせは、自分で確かめてみないとわからないですよ。

写真は光沢紙で印刷するのが一番いいというのは思い込み

光沢紙を否定するつもりはありません。

作品と紙質が合っていれば、光沢紙でもいいんです。でも、何でもかんでも写真印刷に光沢紙を使うというのはどうなのか。

例えば、神社仏閣の写真はマット紙や和紙に印刷するのがいいと思う。光沢紙に印刷しても作品と質感が合わない。

冒頭の写真の会合。光沢紙を使われていた何人かにお話を伺ったところ、ほとんどの人が純正紙。その理由を尋ねると、「写真を印刷するならメーカー純正の光沢紙でしょ」との答え。

「?」

ここでまた違和感を感じましたね。それは、思い込みですよ。

メーカーは値段が高い光沢紙を売りたくて写真印刷には光沢紙がいいですよと宣伝して、ユーザーもそれが真であると信じきっているじゃないかな。

写真を長年やっていて、腕もあり機材もすばらしいものを使っているシロウトではない人たちが、印刷する紙に無頓着なのはどうなの?

もっと紙にこだわれよ!

それと、会合に出席した人たちにもう一言。

作品を素手で触るのやめて。手袋をしてね。








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